三國/創作:V 【すんどめ:VS凌統】 まだ服の上からしか触ってないよ へえ。俺の声を聴くだけでイキそうなの? と、意地の悪い台詞と共に女体を追い詰め、嘲笑うような行為を、まさか自分が受ける側に回るなんて。 この有様はなんなのだ。 とにかく、想像以上に名無しがエロい。エロ過ぎる。 「……っく」 込み上げてくる射精感を必死で抑え、男が唸る。この状態で果ててしまったら、女たらしの名は返上だ。 これは何としても名無しを屈服させねばならない。それも、本番ではない。口技でもない。この指だけで。 「りょ……、と……」 息を荒げながら男の名を呼ぶ声が聞こえた。視線を落とすと、潤んだ瞳でこちらを見つめる彼女と視線がぶつかる。 もうダメだ。直接自分のモノを握らせたい。この小さな手で扱かせたい。この女の全てを支配してやりたい。 「名無し。……直で触って」 その欲望のままに、男は名無しの手を掴んで自らの下着の中へねじ込む。 「あっ…やぁっ…!そんな…」 名無しは抵抗しようとするが、その力は弱々しい。それをいいことに、凌統は彼女の手を導いて己のいきり立った男根を握らせてやる。 「ねえ…名無し。さっきのスケベな台詞は何なの。俺をそんなに煽りたいの?あんなことを言われたら俺、もう止まらないよ。俺をここまで勃起させておいて、このまま終わるわけないよね」 「あっ、あっ…凌統…いやぁぁ…どうして…?凌統の、先っぽが…ヌルヌルしてる……」 ガチガチに硬くなった肉棒の先端から溢れる体液を指先でなぞり、彼女は紅潮した顔で男を仰ぐ。 その表情にゾクッとしつつ、凌統は何かを堪えるように唇を噛む。 この女は、どこまでそそる事を言って男を煽れば気が済むのか。 「そりゃそうだよ。俺のここ、さっきから何度もビクビク痙攣してる。もう限界なんだ。名無し…もう一回言って。俺の指が気持ち良くて、俺のちんこの形もすっかり全部覚えちまって、毎晩思い出して一人でしたくなるって。もう俺に抱いて欲しくて仕方なくて、今すぐにでも名無しの奥までずっぽりハメて欲しいって」 「やだぁぁ……、やだよぉ……私、そんなこと、言ってな……っ」 「言うんだよ。今から」 「やぁぁぁぁ……っ!」 グチュッと音を立てて二本目の指を名無しの膣内に挿し込む。すると彼女は甲高い悲鳴を上げて仰け反った。大分内部が解れてきていたので、そのまま三本目の指も続けて挿入する。 「ひっ…、あぁぁぁ───……っ」 「ほら、名無し。早く」 「やだ……言わな……、言わないぃ……んぅっ」 「強情な子にはこうしちゃうよ」 そう言い放つと、男は指の動きを早めて名無しの弱い部分を集中的に責め始めた。同時に親指で花芯を押し潰し、皮を被ったままの陰核の芽を剥き出しにする。 「やっ、やだやだやだ……っ、そこ、だめぇぇ……っ!」 駄目だと言いつつも、彼女の腰は知らず知らずのうちにゆらゆらと揺れていた。膣壁は収縮を繰り返して男の指を強く締め付けている。 「じゃあ言えるね?」 「ひゃっ……、だめ……だめぇぇ……っ。やだぁぁ……だめ、だめ……イッちゃう……っ!」 絶頂を迎えそうなのか、名無しの呼吸が更に荒くなった。それに合わせて肉芽と膣壁を擦る男の指の速度が上がっていく。 「いいよ。イキな。俺の手でイっちゃいなよ。俺に見られながら、俺のベッドの上で、俺に跨って腰を振って、俺の指だけでイカされるんだよ。分かった?」 「あぁっ…いやいやっ…凌統…見ちゃいや…。あぁん…イク…、こんなのもう…もう…っ」 「その代わり名無しがイッたと同時にこの指を引き抜いて、名無しが泣こうが喚こうが、俺のちんこを一気に奥までぶち込んで犯すから」 「そ、そんなぁ……!凌、統……お願い……許してぇぇ……」 男の残酷な予言に名無しは身も世もなく喘いだまま、涙ながらに拒絶する。 もはや焦点の合わなくなった瞳からポロポロと大粒の涙を零しながら、懸命に懇願する名無しの姿は今まで抱いた女の誰よりも可愛くて、淫らで、妖艶だった。 「俺の物だってこと、とことん思い知らせてあげる。名無しの身体に刻み付けてやるっての。名無しは俺の物だって。俺の女だって」 「ああぁ……っ。本当にだめ、だめぇぇ……もう……っ」 「これから先、俺以外の男に股を開くなんて絶対に許さないから」 「あ、あ、あっ、あ……!い、く……!イク……!あ、あ、あ、あ……!あぁぁ───っ……!!」 男がとどめとばかりにぷっくりと膨れた肉豆を強く摘み上げた瞬間、名無しは絶叫に近い声を上げ、背中を大きく弓なりに反らせた。 全身を激しく痙攣させ、絶頂に達した名無しの姿を認めた瞬間、凌統は彼女の中から愛液にまみれた指をずるりと引き抜く。 そして先程名無しに放った宣告通りに、イッたばかりでまだヒクついている彼女の秘所の入り口を指で広げ、猛った己の肉棒を容赦なく突き入れて────。 ゴンッという嫌な音とともに、後頭部に衝撃を受けた。 その痛みで我に返ると、目の前に広がっているのは見慣れた部屋の天井。そのはずだが、なんだか角度がおかしい。 「いってえ……」 頭を押さえながら周囲に視線を走らせる。どうやら上半身がベッドの端から落下して、下半身だけがかろうじて布団の上に乗っている状態らしい。 どういう寝相をしていたのかと自分でも突っ込みたくなるが、そういえば昨夜は相当疲れていた。 夕方まで雨が降り続いていた影響で室内がジメジメして寝苦しかったこともあり、何度も寝返りを打っていたのだろう。 と、言うことは……。 (……やっぱり夢、だったのか……) ドクンドクンと、心臓が破裂しそうなくらい激しく脈打っている。 気持ち悪いのは湿度のせいだけではなく、全身が汗だくだ。服もぐっしょりと濡れていて肌に張り付いているし、髪の毛もあちこちに跳ねてしまっている。 それにしても何ともリアルな夢だった。生々しくて、まるで自分が体験したことのように鮮明で。 あんな風に名無しを抱くことができたなら、夢の中で見た彼女の乱れぶりが真実なのかどうかを実際に確かめることが出来るのだろうか。 「随分遅いお目覚めですね」 「うおっ!?」 いきなり声を掛けられて振り返れば、ベッドの近くの椅子に陸遜が腰かけていた。どうやら今の自分の寝相と間抜け面をばっちりと見られてしまったようだ。 「普段早起きな凌統殿にしては珍しいこともあるものだと思いましたが、大分お疲れのようですね」 「えっ、と…。確か俺、今日って……」 「お休みです。ですから、ゆっくり休んでいていいですよ」 陸遜の返事を聞いて、安堵の溜息が漏れる。 そうだった。今日の勤務は休みだったのだ。遅刻せずに済んだことにホッとする反面、せっかくの休日だというのに最後まで夢を見られなかったことが残念でならない。 [TOP] ×
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