三國/創作:V 【すんどめ:VS凌統】 「俺たちもう付き合っているんだよね?俺はもうずっと前からあんたを抱きたくて仕方がなかった。今更待てだなんて、冗談じゃない」 「…ゃ…」 「ねえ、お願い。俺の言うことを聞いて」 ───攻めの一手だ。こういうタイプの女は、嫌われることなど恐れず攻めるに限る。 再び深い口づけを交わしつつ、僅かに開いた隙間から強引に捩じ込むようにして口腔内に侵入すれば、名無しの口からは小さな喘ぎ声が零れ出す。 出口を求めて彷徨う彼女の舌を自分の口の中へと誘導し、ちゅ、と音を立てて吸い上げた瞬間、名無しはビクンと身体を震わせた。 男の巧みなディープキスにすっかり翻弄されながらも、名無しは凌統の舌を噛むまいとして懸命に堪え、必死に彼の動きについていこうとしている。 まずい。これは予想以上にクるものがあって、ヤバいな……。 そう思っていても、下半身は正直なもので、名無しの柔らかい太腿の辺りに自分のモノを押し付ける形になってしまい、余計に滾ってしまう。 「んぅ……っ、ふ…ぁ……」 「名無し……。胸元、外してもいいかい?」 一旦唇を離して名無しの耳朶に移動させ、息を吹きかけながら優しく囁くと、彼女は『あっ』と小さく声を上げて肩を揺らす。 「や、だめ……、そこは……見えちゃ……ぅ」 羞恥からか顔を真っ赤にしながら訴えるが、男はやめようとしなかった。それどころか、意味深な目付きでクスリと笑う。 「逆だっての。見えちゃうんじゃなくて、今から見るの。名無しの裸を、俺が。……彼氏だから」 「ひっ……、うぅ……っ」 いつもよりも一段と低めた男の声を至近距離から鼓膜に注がれて、あまりの淫蕩さに背筋がゾクゾクしてしまう。 「やだぁぁ……凌統のえっち……」 弱々しく抗議の声を上げるも、それは男の興奮を高めるスパイスにしかならない。 「その言葉、そっくりそのまま返すよ。こんなスケベな服で俺の部屋に来ている時点で、十分いやらしいだろ?本当は期待しているくせに。……それとも、俺以外の男にもこうやって迫ったことがあったりして。なあ、答えてくれよ」 「や、ぁっ……。違、う…そんなの…したことないのに……」 「へえ、本当かなあ?もし嘘だったら俺、怒るよ」 普段とは違う強引で意地悪な男の口調にドキドキしてしまい、名無しは胸の高鳴りを抑えられない。 どうして、なんで凌統はそんなことを聞くのだろう。自分が他の誰かと関係を持ったかもしれないと思って嫉妬してくれているのだろうか。 名無しが半ば溶けかかっている頭でぼんやりと考えているうちに、いつの間にか男の指が胸元の留め具にかかり、プチッと音をたてて外された。 慌てて手で隠そうとするが、それより先に男の大きな手が解放された胸元に滑り込み、反射的にピクリと反応してしまう。 「大丈夫。触るだけ」 「でも……」 その触る≠ニいうのがすでに良くないのだが。 「嫌なら逃げればいい」 「ん、ぅ……っ」 「俺は追いかけたりしないよ。名無しは優しいもんな?逃げるより受け入れてくれるって信じてる」 さながら悪魔の誘惑のように甘い言葉を撒き散らし、駆け引きめいたやり取りで凌統は名無しを翻弄する。 だが、そんなことは最初からわかっていたことだ。本気モードに入った凌統を相手に、女性側から本気で拒むことなどありえない。たとえそれが夢の中の話であっても、だ。 「あっ……!」 男の指で不意に乳首を摘まれ、自然と漏れそうになった悲鳴を名無しはどうにか飲み込む。 「名無し。好きだよ」 「あ……っ、だめ……っ」 ダメと言いつつも、名無しは抵抗しようとはしなかった。むしろ、もっとして欲しいと言わんばかりに、自ら身体を摺り寄せてくる。 「可愛い。このまま全部脱がせて、すぐに突っ込んでやりたくなるくらい」 「や……っ、んん……っ」 「……名無し。俺のことも、気持ちよくしてくれる?」 そう言って彼は名無しの手を取り、自らの股間に導く。既に硬くなっているそこを布越しに触らせると、彼女は恥ずかしそうにしながらも、そっと撫で始める。 「いい子だね」 「ん……、んむ……」 ご褒美と言わんばかりに頭を引き寄せて口付ければ、名無しは嬉しそうな顔をしながら舌を差し出してきた。 その仕草に煽られ、つい貪るように激しい口付けになってしまう。 「ん……、ん……っ、ふ……」 始めは乳首をやんわりと指先で擦るだけだった凌統の愛撫が、次第に大胆な動きになってきた。やがて親指の腹を使って円を描くように捏ねる。その度に名無しの口からは悩ましげな吐息が零れた。 「あぁ…ん…、あ……っ、だめぇ……」 「だめじゃないだろ?ここ、固くなってる。感じてるんだ?」 「やぁ……っ」 「やだ?本当に?やめてもいいの?」 「ぁ……、やめちゃいや……、やめないで……」 恥ずかしいのは本心だ。けれども、せっかく凌統と忙しい仕事の合間を縫って二人きりの時間を過ごしているのだから、もう少し甘えていたい。 そう言いたげな表情で上目遣いに告げる名無しに、凌統の情欲は倍増した。 類まれな美少女。誰もが振り返る美人。スタイル抜群の若いモデル。そういった女とこれまで何度寝てきたのかわからない。 しかし名無しとこうして互いの体を密着させ、唇を重ねていると、今までに経験したことのないようなゾクゾクする快感を覚えるのだ。 ああもう、何でこんなに可愛く見えるんだろう。 「んっ、んんっ……、やっ……」 敏感な部分を執拗に責められて、名無しはたまらず身を捩る。 「感じやすいんだ」 「ちがうの……っ、あっ……」 名無しは否定するが、下着の上からではなく直接乳首を愛撫されているとはいえ、ここまで乱れてしまうのは明らかにおかしいだろう。 名無しもそれを自覚しているらしく、『違うの……』と再び繰り返して泣きそうになっているのを見て、男の中で嗜虐的な欲望が生まれつつあった。 凌統は一旦名無しから離れて起き上がり、名無しの体を抱き起してベッドの上で向かい合わせに座る体勢に変更した。 そして名無しの脚を大きく開かせて自分の両足を跨がせると、二つ目の留め具を外して彼女の両胸を完全に露出させる。するとぷるんっと弾力のある乳房が飛び出し、先程よりも更にいやらしい光景が目の前に現れる。 「や……っ、はずかしぃ……見ないで……!」 「いやいや、無理でしょ。だってすっごいえろいよ。ほら、乳首だってピンと立ってる」 「ひゃあんっ」 指で軽く突いてやると、名無しが可愛い声を上げた。 [TOP] ×
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