三國/創作:V 【Under WorldX《後編》】 「あげてもいいけど、先に下準備しないとねぇ。ほら、俺の形って、こんなんだし」 「ゃ……」 「君のはもう十分濡れまくって洪水状態だから大丈夫だと思うけど、大事な名無しちゃんを傷つけないように、俺のもたっぷり濡らして貰わないと」 珠稀の先端部分が、名無しの唇に押し当てられる。その感触だけで、名無しは頭がくらくらして何も考えられなくなっていく。 「くわえて」 男に言われるがままに口を開けると、すかさず熱い楔が捩じ込まれた。 「ん、んぅ……っ!」 喉の奥の方まで一気に貫かれ、苦しさから思わずえずきそうになるが、珠稀に後頭部を押さえ付けられているので身動きが取れない。 「歯を立てないで、ちゃんと舌を使って舐めるんだよ」 「んん…っ、ぐ…ぅ……」 頭を固定されながらも必死で舌を這わせていると、硬度を増した肉棒の先端からとろりとした液体が滲み出てくるのが分かった。 それを舐め取るようにして丁寧に愛撫すれば、頭上から微かに吐息を漏らす音が聞こえる。どうやら感じてくれているようだ。 自分の拙い口技で、珠稀が反応してくれている。 そのことが嬉しくてたまらなくて、名無しは息苦しさを覚えながらも恍惚とした表情でひたすら奉仕を続けた。 「ふふ……。一生懸命しゃぶっちゃって健気だね。そんなに美味しいの?」 「んっ、んんーっ……!」 男の言う通りに頷けば、城に帰して貰えるのだろうか。 それくらいで珠稀が満足してくれるとは到底思えないのだが、この時の名無しは僅かな望みでも縋りたい気持ちで一杯だった。 そんな彼女の心情を見透かしたように、珠稀は口の端を上げて笑う。 名無しを開放するどころか、美しい悪魔はより一層激しく腰を打ち付けてくる。 「んぅっ……、ふ、ぁ……。んんっ……、ん───…っ!」 珠稀の手で頭を掴まれて前後に揺さぶられ、名無しの口内を犯し尽くすかのように巨大な質量が喉奥を突く。 じゅぼじゅぼといやらしい水音を立てながら出し入れされる度、堪えきれない唾液が唇から溢れ、珠稀の逞しい男根を伝いながら落ちていく。 「いい子にはご褒美をあげないとな。名無しちゃん、どこに出して欲しい?」 涎まみれのはしたないフェラ顔で精一杯男根を頬張る名無しの痴態を眺め、珠稀は楽しげに問いかける。 「…ぁ…んんっ…、ふ、む…んぅぅ…っ」 「思い切って顔射? 口の中?それとも下のお口?なんなら全部に出してあげようか」 「あっ、んむっ、やっ…ぁ…!」 男が提示した選択肢を耳にして、名無しは慌てて首を横に振った。 この後、自分はなるべく早い時間で帰還し、戻り次第真っ先に周瑜の元へ報告に行くという約束がある。 珠稀の提案はどれもアウトだ。そんな場所に精液を注がれてしまったら、情事の痕跡が残ってしまう。 この中でまだ、大丈夫だと思えるのは……。 「…く、くち…、に……」 顔にかけられたり、膣内に注ぎ込まれるよりは、よっぽどましだ。 己に残された僅かな理性を奮い立たせ、何とか少しでも無事そうな場所で男の体液を受け止める事が出来ないかと考えた、苦肉の策だった。 名無しの返事を耳にした珠稀の動きが、ピタリと止まる。 彼女の口内に逞しい男根を深々とねじ込んだまま、珠稀は体を屈めて顔を寄せ、そのまま耳元で囁くように問う。 「……何か、余計なことを考えているんじゃねえだろうな」 「っ、う……」 「もしかして、それが一番証拠が残りにくいって考えてる?このまま口の中に出されても、俺が満足したら無事に帰してもらえるとか思ってる?」 「───!」 図星を突かれ、名無しは思わず息を詰めた。 なんて鋭い男なのだ。 セックスの最中は快楽に夢中になり、他の事を考える余裕などない人間が多いと思うのに、珠稀は異なる。 名無しの自慰を眺めている間、あんなにも甘く蕩けるような眼差しを向けてくれていたはずなのに。こうしてふとした瞬間、冷徹で残酷な一面を見せるから恐ろしい。 「残念だけど、俺はそこまで優しくないよ」 「んぐっ!?」 再び激しい抽挿が始まり、同時に頭を押さえ付けられて腰を突き入れられる。 「んぶっ……!んぐ…、ふ、うぅぅ……!」 まるで道具のように扱われる屈辱的な行為だが、今の名無しにとってはむしろ救いであったかもしれない。 とにかく早く終わって欲しい一心で、必死に舌を絡ませて射精を促す。 (は…、はやく……、お願いだから……!) しかし願いも虚しく、男は一向に果てる気配を見せなかった。それどころか更に激しさを増すばかりで、もうこれ以上耐えられないと悟った名無しの瞳から、涙が止めどなく零れ落ちる。 「俺を騙そうとした罰。ほら、頑張れよ。もっと舌使って、裏筋も丁寧に舐めてごらん」 「んっ、んっ……、むぅぅっ……!」 「そうそう、上手だよ……。名無しちゃんの口の中最高だわ……」 「んっ、んんっ…。んっ、んぅ……っ!」 「名無しちゃんのお望み通り、大好きな俺の精液をいっぱい飲ませてあげるんだから、しっかり受け止めてね」 「……!ん、んんーっ!」 もう駄目だと思った瞬間、熱い飛沫が喉の奥へと叩きつけられるのを感じた。それと同時に、どろりとした液体が大量に流れ込んでくる。 あまりの量の多さに耐え切れず、思わず口を離そうとするが、珠稀に頭部を抱え込まれているためそれも叶わない。 「飲んで。一滴残らず」 有無を言わさぬ口調で命令され、名無しは従うしかなかった。 ごくんっ……。 粘ついた液体が喉を伝っていく感覚に鳥肌が立ち、吐き気が込み上げてくるが、ここで吐いてしまったら全てが無駄になってしまう。 名無しは涙を流しながら、必死になって嚥下した。 「はぁ……、けほっ…、あ……、ぅ……、ぁ……ぁ……」 ようやく全て飲み終えた頃には、名無しは息も絶え絶えになっていた。 そんな彼女の様子を見下ろしていた珠稀は、満足げな笑みを浮かべて名無しの頬に手を添える。 そしておもむろに彼女の顔を掴んで上向かせ、その唇を奪うようにして口付けた。 「……!?」 咄嗟に顔を背けようとするものの、顎を固定されているため逃げられない。その間にも男の舌が侵入してきて、口内を掻き回される。 「ふ、ぁ……、たま、き……さ……」 ≪口内発射をキメた直後、自分の精液で汚れている女とキスをするのは勘弁だ≫、と。 以前宴席でセクハラ親父と隣同士の席になってしまった時、そんな話を名無しは聞かされたことがある。 出したのは自分で、女側はその苦い液体を飲まされているというにも関わらず、男というのは随分と勝手な生き物だ。 しかし珠稀はそんなことなど意に介さず、丹念に名無しの歯列をなぞり、上顎を舐め上げ、舌をたっぷりと絡めてくる。 濃厚な接吻によって込み上げる唾液を飲み込むと、今度は逆に、男の唾液が流れ込んできた。それを拒むことも出来ずに続けて飲み込んでしまうと、下腹部の奥の方がじんわりと熱くなるような感覚に襲われる。 そんな名無しの様子を見て取ったのか、珠稀はゆっくりと唇を離し、溶けそうな視線で名無しを射抜く。 [TOP] ×
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