三國/創作:V | ナノ


三國/創作:V 
【悪魔の花嫁V】
 




後書き

今回の曹丕夢で使用させて頂いた一文&出典はこちらです。

≪人は、本当に愛していれば、かえって愛の言葉など白々しくて言いたくなくなるものでございます≫
(by太宰治)

まずは名無し様、このような長夢に最後までお付き合い下さって有り難う御座います。ページ数が過去最多の作品となりましたので、ここまで読んで下さるのに相当お時間がかかってしまわれたのではないかと思います。

事実、誤字脱字の確認を兼ねて一通り自分で流し読みをしてみたのですが、二時間位かかったような気がします。色々チェックしながらだと普通に読むより時間がかかるのかもしれませんが、その割りに後から誤字脱字を発見する事が多いのは一体どこを見ているつもりなのか自分でも謎です。

本日(4/27)で自サイトも開設2周年を迎えるという事になりまして、その2周年記念日に曹丕夢(しかも長い)をUPさせて頂く事になったとは自分でもビックリです。と言いますか、この後書きを書いている今でも「信ジラレナーイ!!」と某監督のように思っています。

ドS夢はとにかく難産で自分にとっては苦手意識の強い夢なのですが、その分「やったー!出来たどー!!」という完成時の喜びは言葉に言い表せない程のものがありますし、その上こういった記念日的な時に彼らの夢をサイトにUPさせて頂ける事は管理人として何だか感慨深い物があります。ジーン!

この夢を最初に書き上げた時は、全体的な文字数から換算しますと約25万文字程度でした。よって、最近は1ページ辺り5千文字程度でサイトにUPしておりましたので、ザッと計算して50P程になったのではないかと思います。

それで、「50Pはさすがに長すぎるだろう」と思いまして、色々と削れそうな部分を削ってこんな感じになりました。もっと削っても良かったような気もしますが、これ以上文章を削除してしまうと話の展開的に必要な部分や説明文まで削除してしまうような気がしましたし、

「えー!ここでいきなりこっちの話に飛ぶのかよ!」

みたいにツギハギっぽい話になってしまうのではないかと思いましたので、悩みに悩んだ結果一応これで完成!という形にさせて頂いたのが現在の34P構成の作品です。でも最初の事を考えますと16P分カット出来た訳ですから、削ろうとすれば多少は何とかなるもんですね。フンフン!!(鼻息)

今回の夢で使用させて頂いた太宰治さんの「人は、本当に愛していれば〜」の一文って、ドSっぽいな〜と勝手に思っておりました。

「本当に愛しているからこそ、ちゃんと口に出して『愛している』って言う!」という考え方があるとしますと、それを全く逆にした「本当に愛しているからこそ、そんな事は軽々しく口にしない」という考え方もまたあるのではないかと思います。

ほいで、それってドS臭いな〜とか思っていたのですよ。好きとか愛しているとか全然言わないからこそ彼らがドSたる所以なのでありまして、「冷たい」「クール」な所が彼らの良さの一つではないかと思います。凌統とか簡単に言いそうな気がするんですけどね。しかも、全然重みのない挨拶程度の台詞で。

自サイトにおける凌ちゃんにとっての「愛してるよ」は「おはよう、元気?」と同じ程度の軽い意味です。ほいで、そんなタイプの男性の事をドSメンズは「あいつ、よくやるよ」「自分には真似出来ん」と思いながら見ている訳ですよ。ここら辺は個人の価値観と性格的なものと言いますか…うーん。書いていて余計に分からなくなってきますね。

『悪花V』のテーマはズバリ『桜』であります。桜自体は元々好きなモチーフなので、馬兄貴夢『BEAST』でも使用しておりましたが、あちらもこちらも主要の題材として使用させて頂いているのは梶井基次郎さんの有名な一行≪桜の下には屍体が埋まってゐる!≫です。いやーこの言葉は本当に凄いですよね。

この言葉の印象が強烈過ぎるのかもしれませんが、世間一般的なイメージでの桜は春を表す代表的な樹木・お花見・満開みたいな明るくて陽気なイメージが先行しているのではないかと思いますが、自分の中にある桜のイメージはどちらかと言えば昼の桜と言うよりは夜桜。ダークで妖しげなイメージです。

いつも夢を書く時にはサイトにUPする時期に合わせて小説内の季節感を表す描写や季語を揃えておりまして、春なら春、梅雨なら梅雨、秋なら秋…というように内容を書き換えて微調整したりしているのですが、今回はちょっとその手法が使えませんでした。

単純に「新緑の頃…」みたいな感じだったら今の時期に合わせて書き換えてやろうかと思っていたのですが、今回小説内に使用したメインテーマが桜という事もあり、この桜を他の植物に変えてしまうと話自体が成り立たなくなってしまいます故、若干季節外れの気もしつつ当初の予定通り桜を重要な位置に据えて書き上げました。

今回、話の展開上ご用意させて頂いたのは秀英という爽やかイケメン(実はスパイ)です。ほんでもって、書いていて一番背中がゾワゾワしていたのは秀英と名無し様の絡みです。青春の1ページみたいなあれです。

ゾワゾワというのは別に書いていて嫌だとか悪寒がするとかいう意味ではなく、うわーなんだよこいつら甘酸っぱいなーとか、ロマンチック銀河みたいな会話をしおって!という外野の突っ込み的な物です。基本的に甘夢を書くのが苦手な人間ですので、こういうのは書いていて恥ずかしくなってしまうんですよね。照れてしまいます。

ほいでもいつも意地悪な曹丕&司馬懿に挟まれて、苛められたり泣かされたり責められたりンンン〜な事をされている名無し様ですから、たまにはあんなタイプの男と心安らぐ一時を過ごして頂くのもどうじゃろうかと思いまして。と、言いつつ、甘い展開に進むのではなく敵国の間者だったりするのが黒夢サイトのお約束です。

最初は秀英の登場でヤキモチを焼く曹丕や司馬懿というのも考えてみたのですが、どれだけPCの前に座っていても、何ヶ月もの間ずっと構想を練っていても結局一度もそんな彼らの姿をイメージする事が出来ずに終了しました。どうも自分の中では曹丕&司馬懿は嫉妬や独占欲とは無縁の存在として認識されているようです。

ほいでも、ヤキモチとまではいかないなりに曹丕&司馬懿をちょっとだけピリピリさせてみました。今回のケースでは秀英が要注意人物だからこそド紫コンビも名無し様の交友関係に口を挟んできたのではないかと思いますが、どんな理由であれ『あの』曹丕や司馬懿が自分に近づく男に敵意を剥き出しにしてくれるというのは名無し様(夢主)にとっては嬉しく感じてしまう出来事ではないのかな…と思っています。

前回の悪花U同様、今回も司馬懿が出張っています。どうも最近自分の中でこの二人をセットにして考えてしまう傾向が強いようです。曹丕抜きにして司馬懿は語れない、司馬懿抜きにして曹丕は語れない…みたいな。一卵性双生児みたいな感じで、同じ素から生まれてきた二人のような気がするんですよね。勿論二人は別の人間なので、全く同じという訳ではなく、微妙な個々の違いもあると思うのですが…。

→続きます


[TOP]
×