戦国 【FAKE】 「あっ…『ここ』…。ここがいいの……」 「名無し……」 ちゅっ、ちゅっと拙い口付けを重ねながら、名無しが顔を真っ赤にして自分の乳首と下半身をそれぞれ指さした。 ゴクリ。 その仕草があまりにも可愛くて、思わず某は生唾を飲む込むと唇を擦り付けて名無しに問う。 「吸うだけでいいのか?名無し……。もっと他に、某にして欲しい事があるんじゃないのか?」 名無しの方からキスを求めてきたのが嬉しくて、ついつい口元が緩んでしまう。 こんな所は絶対に他の男には見せられんな、と思っていた某にもう一度柔らかな唇を押し当てると、名無しがポロポロと大粒の涙を流しながら訴えた。 「あっ…ん…長政ぁ…。もっと一杯吸って…舐めて………。もう…長政の好きにしてぇっ……」 「ん……。名無し……」 頭が、ジンジンする。 名無しを抱くのはこれが初めてじゃないと言うのに、前回の時よりも余計に脳天が痺れるような痛みを感じている。 「ねぇ…だめ?長政……」 「ああ…、名無し。だめじゃないよ……。一杯してあげるから、自分で足を開いて某に見せてごらん?」 某が思うに、多分彼女の色香は男に責められれば責められる程に、その真価を発揮するのだ。 普段黙々と仕事をしている名無しの姿からは全く想像も付かないが、男によって理性や意識を手放した時に彼女の魅力が開花するのかもしれない。 名無しを見ていれば見ている程に、チクリチクリとするようなこの胸の痛みは一体何なのだろう。 久しく失われていた何かの感情が、名無しによって揺り動かされているような気がしてる。 『義』と『愛』の心が結局深い哀しみをもたらすという事は、もう父の死や一族の滅亡の例ではっきり証明されている。 某は『義』も『愛』も両方捨てたから、もう二度と哀しい事は起こらないだろう。 某の言い付け通りに名無しはコクンと頷くと、素直にそろそろと白い両足を開いていった。 「名無し。手は必要ないだろう?」 恥ずかしそうに手で下腹部を隠そうとしている名無しの手を掴んで退けようとすると、名無しの体が小さく震えている。 「あ…でもっ…。長政……」 「某の言う事が聞けないの?悪い子だな、名無し。君の旦那様の命令だよ」 「……っ、ぁ……?」 ちょっと強い口調で名無しに向かって言い放ち、支配的な匂いを含ませる。 じっと名無しの瞳を熱い眼差しで覗き込んでいると、まるで催眠術か何かの力に捕らえられてしまったかの如く、名無しの瞳が溶けていく。 「私の…旦那、様……?」 「そうだ。だって君は某の妻になる女性だろう?」 「長政が…私の……」 舌足らずな口調で私の言った言葉をただただ繰り返すだけの名無し。 何度もその言葉を口に出させて彼女の脳裏に刻み込んでいく内に、名無しがうっとりと熱を帯びた目で某の事を見つめ返してくれた。 [TOP] ×
|