戦国 【FAKE】 「……雪」 ギンッ。 「……あっ……」 有りったけの思いを込めた、情熱的にも見える眼差しを造って、某は雪の瞳を正面から覗き込む。 そのままじっと熱を帯びた視線を雪に注ぎ続けていれば、段々彼女の全身から力が抜けていき、次第に抵抗力が失われていく。 「すまない、雪…。君がそんなに某の事を思ってくれているとは知らなかった」 「うっ…ひっく…。長政様……」 「某も愛しているよ…雪。こっちへおいで。抱いてあげる」 「あぁ……。雪は嬉しいです……長政様ぁ……」 うっとりと呟く彼女の腰に両腕を回し、グッと引き寄せて抱き締める。 震えている雪の顎に指を添えて、軽く持ち上げて上向かせると、某はゆっくりと自らの唇を重ねて彼女の唇を覆っていった。 ちゅっ。 ちゅっ。 「長政様…愛しています。もっと一杯キスして下さいませ……」 「君が望むだけしてやろう。愛してるよ、雪……。覚えているか?某に初めて抱かれた日の事を……」 「あぁぁ…覚えています。まるで昨日の事のように、はっきりと覚えて…。あの日の事を、雪は一度たりとも忘れた事は御座いません。何故そのような事をお聞きになるのです?長政様……」 そう言って某に身を預けきっている彼女の姿は、他の何者にも代え難い程に愛くるしいものだった。 可愛い雪。 美しく整った顔に、白い素肌。形の良い胸に、折れそうな程に細い腰。 某の愛撫に応える姿もどうしようもない位に可憐でいやらしく、某は彼女の事が一番のお気に入りだった。 しかし。 すまないな、雪。 ────某は君よりお気に入りで、かつ高機能を備えた人形が、新しく手に入りそうなんだ。 「某も忘れた事がないよ。君ほど美しい女はそういない。この魅惑的な身体も、きっとどれ程の男達を虜にしてきた事か……」 「そんな…、長政様。雪の身も心も永遠に長政様だけの物ですわ!」 「……そうか」 まるで今までの記憶が呼び起こされていくかの如く、過去の思い出が走馬燈のように駆け巡る。 完全に溶けきったような瞳で某を見つめる雪の真摯な眼差しを見れば、その言葉が心底本心から零れ出た物だという事が分かるだろう。 「雪…愛してる。あっという間に天国にイカせてやろう」 「あんっ…長政様ぁ……」 甘い囁きを雪の上から振らせつつ、某は舌を絡ませるディープキスを何度も彼女に与えていった。 しゅるっ。 しゅっ。 「…ん…、長政…様…」 熱い口付けを交わしながら、彼女の衣服を包み込んでいる腰帯に手をかけて、器用にしゅるしゅると解く。 はらり。 帯が抜き取られた事によって大きくはだけた着物の隙間から、雪の美しい素肌があらわになっていく。 「では…その言葉通り、身も心も某の物になってくれ」 「長政様……」 「─────永遠に」 ヒュッ。 「!!」 手にした帯を彼女の首筋に巻き付けて、そのまま某は両手で帯の端を持って左右に強く引っ張った。 某の素早い動作に一瞬反応が遅れた雪が、慌てて両手を自らの首に持って行こうとした時には、すでに某の腕は締めの体勢に入っていた所だった。 [TOP] ×
|