戦国 | ナノ


戦国 
【罪と罰】
 




さっきまでの主従関係が逆転したかのようなこの姿。

その事実は男の征服欲を例えようもない程に満たしてくれて、さらに某の情欲を深く激しく駆り立ててくれる。

「名無し…。名無しは…某の事をどう思っているのだ?」
「あぁ…んっ…。そんな…どうって…」
「私は…初めて君を見た時からずっと君にこうしたかった。名無しはどうなのだ?某の腕に抱かれたいと…思ってはくれなかったのか?」
「いやぁ…だって…貴方とはまだ会ったばかりなのに…」

そうか。彼女はそういうタイプの女だったのか。

会ってからの時間を気にする女なら、意外と攻め落とすのはそう困難な事ではない。

一見現実的で慎重に見える種類の女程、内心夢のような甘い囁きに飢えていたりする物だと昔から相場は決まっている。

それに何といっても一番名無しにとって身近な存在でもある男性があの三成殿なのだ。

どう考えてみても、彼女が優しくされる事に慣れているとは到底思えない。


だったら。


「時間なんて…そんなの全然気にしない。今だって、某はもう…すっかり名無しに夢中なんだ」
「……っ!」


どんな女も必ず堕としてきた某の十八番とする甘い口説き文句。

それを聞いてかぁっと真っ赤に染まっていく名無しの表情を観察しながら、まだ余分な理性が残っているのだと判断した某は、まずは彼女に残された理性を潰す事にした。

「あんっ…」

するすると滑らせるように名無しの胸元に手の平をを移動させていくと、彼女の乳首はすぐに某の指先に触れた。

激しく濃厚な口付けだけですっかり堅くなっていたそこは、衣裳の上から触ってみても場所が分かる位にツンと尖っていた。

「キスだけで…もうこんなに堅くなってる。君は本当に可愛いな…名無し」
「あっ…あっ…触らないで…長政…っ」

可愛く懇願する名無しの淫らな姿に思わずうっとりと目を細めて見下ろしながら、衣服の上から胸の突起を摘みあげると、そのままキュッとねじってやった。

「あぁ―んっ…長政ぁ…」
「なぁに?名無し。ここをこうされるのは、好きじゃないのか?」

優しい声で囁いて、ツンッと爪先で名無しの乳首の先を突っ突いたり揉むように摘みあげたりを繰り返す。

その度に名無しは上半身を捩るように身悶えて、ポロポロと涙を流しながら某にしがみ付いてきた。

「あっあっ…長政…だめなの…許し……」
「何が…だめなの?名無し…。じゃあ名無しはどうされたいの?」

甘い声で囁きながら乳首への愛撫を執拗に続けていると、名無しがまるで娼婦の様な顔をして某の下で妖艶に体をくねらせる。

その淫らな姿を見ていると、自分でも分からないような何かが込み上げてくる気がしたが、某はそれをグッと我慢した。

「ちゃんとその可愛い口で言ってくれ。どうされるのが好きかって。名無しの言う通りにしてあげるから。一杯…優しくするから…」
「いやああ…そんなこと…」

もう完全に溶け切ったような表情を浮かべ、名無しが甘ったるくて悩ましい鳴き声を漏らす。

さっきからずっと名無しの瞳を見続けていた某は、その様子に確実な手応えを感じていた。

情事の際に甘く切ない瞳を造って相手の目を見つめるこの仕草は、某の最も得意とする手練手管の一つだった。

人より恵まれたこの顔に全ての女は騒ぐ。

思いを込めて相手の瞳をじっと覗き込むだけで、例え誰であろうと某の虜にし続けてきたのだ。

「あ…長政…。中が…熱いの…」


とろん。


完全に意志を放棄した虚ろな瞳。


それは名無しとて、例外ではなかった。


「中って…どこ?名無し…。口の中が熱いのか?それとも、こっち…?」
「あぁん…そこぉ…。長政…そっちが熱いの…」

手を滑らせて名無しの下腹部に触れてみれば、もう何の準備もいらない位に彼女の秘部はとろとろに濡れていた。

長い衣裳の裾をめくり上げてみると、その下には何も履いていない。

身分の高い名無しであっても国の女が全員そうであるように、素肌に直接衣裳を身に纏っているのだ。

「触って欲しいの…?名無し」
「あっ…あんっ…ながま…あぁぁ───…っ!」

名無しが皆まで言い終わらない内に、その奥深くまで中指を一本ねじ込んだ。

一番長い指を突然挿入した事で、名無しは涙に濡れた瞳でびっくりしたような声を上げた。

「長政ぁ…指が…長政の指が…入ってる…」
「ふふ…。入れたんだから入ってるさ。ほら…」
「あんっ…あっ…だめぇ…ヌルヌルするのぉ…」

可愛らしい名無しの喘ぎ声に触発されて、名無しの中に入れる指を二本に増やして差し込んだ。

「あぁぁ───っ」

ズルッと音がした二本の指が、一気に奥深くまで挿入される。


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