戦国 | ナノ


戦国 
【innocent】
 




「あぁん……もぅ…だめぇぇ……」
「は…ぁ…名無し殿…っ」

指をくわえて溢れ出る声を押し殺そうとする名無し殿のあまりにも淫らな姿に私はもう虜になってしまった。

私の物を半分近くまで飲み込んで、息を吐きながら甘い鳴き声で訴える彼女を見ていると胸の動悸が止まらない。

名無し殿の全身はさっきからずっと震えていて、腰は何度もビクビクと跳ね上がっているのだが、私はこんな事では全然満足出来なかった。

ずっと夢にまで見ていた事なのだ。

名無し殿の可愛い体の中に、私自身を根元まできっちり埋め込みたい。挿入したい。飲み込ませたい。

舌なんかでは届かなかった名無し殿の一番奥深くまで、思い切り私自身を突き立てて、欲望のおもむくままに犯したいのだ。

「んっ…名無し殿…。もう少し、入れますよ…」
「い、いやいやっ…そんなの…死んじゃうよぉぉ…」

ふるふると可愛く首を左右に振って訴える名無し殿にドキドキしつつも残り半分を一気に彼女の中へと挿入した。

「あぁぁぁ───っ」

その瞬間、名無し殿が一際大きな嬌声を上げてのけ反った。

ポロポロと大粒の涙が名無し殿の瞳から流れ出てシーツを濡らしていく様子に微かなためらいを感じていたが、今更ここでやめる訳になんていかなかった。

ギリギリまで高められてしまったこの欲望を、名無し殿の内部以外にどこで吐き出せばいいというのだろう。

「動かしますよ、名無し殿。いいですか?」
「あぁん…いやぁぁ…幸村……」

少し動かすだけでクチャクチャと淫らな水音を立てて名無し殿の中が私の物に絡み付いてくる。

熱く溶け切っていた彼女の内部はまるでさらに奥へと私を誘うかの如く、何かの意志を持った生き物のように蠢いている。

「はぁ…凄いですよ、名無し殿の中…。こんなに溶けて…私に絡み付いてくる……」
「あああん…幸村のえっち……。そんな事…言わないで……」
「だって、名無し殿…。やっぱり名無し殿の口からちゃんと聞きたいんです…。ねぇ…気持ちいいですか?」
「あんっ…あっ…あっ…だめぇぇ……」

強引に動かしているうちに、徐々に名無し殿の顔に赤みがさしてより彼女の唇から零れ出る喘ぎ声が甘さを含み出してきた。


夢の中とまるで同じこの状況。



幸せ過ぎて何だか頭がクラクラしてしまう。


「名無し…ねぇ、名無しって呼んでもいいですか?」
「あぁぁ…ゆきむらぁ…」

グチャグチャと腰を前後に打ち付けながら聞いてみると、名無し殿がトロンと溶け切った瞳で私の事を見つめ返してくれる。

あぁ。その唇にくわえている指先のなんていやらしい事だろう。

その潤んだ瞳のなんて淫らな事だろう。

こんな彼女の姿を自分の他にも見た男がいるだなんて考えてしまうと胸が張り裂けそうになってしまう。

もう誰にも貴女のこんな姿は見せたくない。



名無し。



「名無し…気持ちいい?ちゃんと言ってくれないと…心配なんです…」
「あんっ…すごい…ヌルヌルして…動いてるぅ……」

焦点の定まらない虚ろな瞳で名無しが布団の上でのけ反って喘ぐ。

熱と情事のせいで意識が溶けかかっているのだろう。さっきまでの彼女の様子と比べると、段々変化が現れてきた。

「あああん…幸村ぁ…そんなにしたら、溶けちゃうよぉ……っ」
「んっ……。名無し…可愛い…。どうしたらいいんですか?もっともっと名無しに喜んで欲しいんです…」

激しく口付けを重ねながら、唇を擦り付けるようにして精一杯低く甘い声を出して彼女に囁いてみる。

絶え間なく腰の動きを続けていると、名無しがとろとろになった眼差しで私を見ながら甘えた声を出してくれる。

「あっ…あんっ…大きいの…。止まらないで…動いてぇ……」
「は…ぁっ…名無し…」
「いやああ…溶けちゃうの…。幸村のが…凄く大きくてて…熱いよぉ……」

名無しという人は、なんて可愛らしい事を言ってくれる人なのだろう。

思わず、無意識のうちに感嘆の溜息が漏れてしまう。

「止めたりしませんよ…名無し。名無しの中がすごいから…」
「あぁん…もぅ…どうにかなっちゃうぅ…」

妖艶な色気すら滴り落ちてくる名無しの甘い喘ぎ声を聞きながら、私は彼女を現実として腕に抱く事の出来た大きな幸せを実感していた。

名無しが心から私の事を受け入れてくれて本当によかった。

もしあの時点で断られていたとしたら、私は涙を浮かべて彼女を殺してしまっていたかもしれない。

でもそれはあくまでも最悪のケースの話だというだけなのだから。

以前の女性には可哀相な事をしてしまったかもしれないが、どれだけ考えても私にはその原因が分からない。


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