戦国 | ナノ


戦国 
【×××占い】
 




そんな事をグルグルと考えていると、話はどんどん先へと進み、すでに娘にピッタリな男性の話題へと移動していた。

「お嬢さんには細く長い男性器を持つ男性がピッタリです。出来れば右反りのナニが好ましいですな。そういう男性と結ばれれば、数年後には子宝と富に恵まれましょう」
「ほ、本当ですか、惹庵先生!!」
「ええ。年はそうですね、20代後半から30代前半の男性がよろしい。逆に太くて短いナニを持つ男性はお嬢さんにとって不運を招く最悪の相性であるから、そういった男に捕まらないようにくれぐれも気を付けるのですぞ」
「ははーっ。承知致しました惹庵先生っ。さっそく家の者を使って秘密裏に調査させ、そのくらいの年齢で細く長い男性器を持つ殿方を急ぎ探し当てたいと存じます。太くて短いお宝を持つ男性だけには決して近づかぬよう、娘にもキツく指導して参ります!!」

つーか、どうやってそんなナニの持ち主が身近にいるかどうか探し当てるの?何をどう娘に指導するの!?

男達の頭の中は次から次へと溢れ出てくる疑問符で一杯だったが、当の母親と娘は惹庵の言葉に深く感銘を受けているようで、二人して何度も『有り難うございます、有り難うございます』と言って頭を下げているようだった。

(……分からん)
(俺もです、殿)

三成と左近は疑わしげな声でヒソヒソと囁き合っていたが、他の場所から見守っている清正達もきっと同様の思いであろう。

こんな胡散臭い占いが本当に驚きの的中率を誇り、世の女達に大人気だと言うのか!?

「───失礼します」
「どうぞ。お入り下さい」

そうこうしている内に件の母娘はとっくに退席し、次の女性が中に入ってきたようだった。

「わたくしの名はお紋と申します。先生には初めてお目にかかりますが、どうぞよろしゅうお願い申し上げます……」

声だけで姿形は見えないが、しっとりとして妖艶な、大人の女性の色気に溢れた声。

(えっ…お紋さんだって!?あの声、ひょっとして…!!)
(どうした。知っているのか?正則)

女の名前に心当たりがあったのか、正則が見るからに驚いた顔をする。

正則の勘は正しく、このお紋という女性は正則の邸宅のすぐ近くに住んでいるとある呉服屋の妻だった。

彼女の夫が経営している呉服店は近所でも評判の大店で、その店の跡取り息子である男性に一目惚れされ、彼のたっての希望で是非にと望まれて妻となった彼女は地元民にも噂される美人だった。

正則の記憶によると、確か結婚したのが9年前、彼女が21才の時。今では二児の母となり、先月誕生日を迎えて30になったばかり。

まだまだ美貌もスタイルも衰えを見せない、女盛りの美人妻だ。

「いやいや、そう硬くならずとも結構。ではお紋殿、さっそくですが占いに入りたいと思います。ワシによ〜く見えるよう、陰部をさらけだして下され」
「はい……」

先程の娘のように未婚の女性というのであれば男運を占って欲しいという気持ちも分かるが、彼女のようにすでに既婚者で、子供もいるような女性が何故わざわざ惹庵の元を訪れるのか。

さすがに既婚・出産経験者ということもあってか処女に比べると潔くスムーズに裾をたくしあげて開脚した彼女だが、それでもやはり夫以外の男性に秘所をさらけだす恥ずかしさを感じているのか、それとも他に何か悩み事でもあるのか、惹庵の鑑定を待つお紋の美貌には一抹の陰りが差している。

「むむっ…!!こ、これは…!?」

お紋の秘部を見た惹庵は開口一番そう言うと、困惑気味に眉を寄せた。

そして、自分の予感が果たして合っているのか間違っているのか真実を確かめようとするかの如く、彼女の中心部に手を伸ばしてじっくりと触診による鑑定を開始する。

「お紋殿、あなたは人妻ですな。出産経験もある…そう…この感じだと二人ほどじゃ……。昔は相当遊んでおられた…だが……」
「あああ…先生…そんな所をお調べになるなんて…あっ…あああっ…」
「最近はかなりの手入らずと見た……。奥さん…さてはここ数年とんとご主人と交合されておりませぬな?」
「……!!そ、それは……あうう…先生…何故それを……っ」
「隠さずともこのプルンプルンと揺れる熟れ尻はご無沙汰の証じゃ。ほれ、見るが良い。ワシの指でまさぐってもよがり液がこのように淀んでおる。さらさらと外に溢れ出るどころか、すっかり逆流してしまっておるではないか…!」

鑑定の為に秘部をまさぐる惹庵の指の動きに本気で感じてしまっているのか、お紋の赤い唇からは歓喜に染まった鳴き声が漏れる。

それを聞いていた正則は一層大きなショックを受け、驚きを隠せなかった。

(嘘だろーっ!?あの美人妻のお紋さんがここ数年ダンナとご無沙汰だって!?あの熟れ肉が手入れもされずにずっと放置されっぱなしだなんて、そんな勿体ない話があるのかよ!!)

真実を知った正則の喉が、無意識の内にゴクリと鳴る。

密室で交わされている両者の会話によると、今ですらその辺の若い娘達と比べてみても負けず劣らずの白い肌と魅惑的な肉体を持つお紋が、なんと男日照りの生活を送っていたというのだ。

お紋夫妻には今までにも何度か道で出会った事があったが、いつも子供達と仲良く手を繋ぎ、夫と妻共々ニコニコと感じの良い笑顔で挨拶してくれていた。

お金持ちの夫に美しい妻。可愛い二人の子供と端から見れば幸せ一杯にしか見えなかった他人の家庭に、よもやそんな秘密があったとは。

「なんと…これはひどい。長い期間の手入らずで、すっかり詰まってしまっておられる。この肉襞の具合……奥さん、さてはご主人がいない時は一人でお慰みなさっておられるな?」
「あああ…そう…そうなのです……。わ…、わたくしからも頑張って誘っているつもりなのですが…最近主人は何を言っても『忙しい』『疲れている』の一点張りで……昔のように抱いて下さらず…ああーっ……」
「ううむ…これは危険な状態ですな。今は自分の指でもなんとか我慢されておるかもしれぬが、このままでは放っておいたら浮気の虫が沸きますわい。大変な事じゃ…!!」


はあー!?絶対おかしい!!頭がおかしい!!


だって、あんな綺麗な嫁さんに求められたらめちゃくちゃ嬉しいぜっ。


俺だったらどれだけ疲れていても明日が早くても絶対にその誘いを断ったりなんかしないし、朝までだって何度でも抱いてやるっていうのに、ダンナは『疲れている』でガン無視だとぉ────っ!?


つーか何その状況!!羨ましすぎるだろっ。許せねえ!!切って捨てる!!!!


すっかり興奮状態となり、今にもお紋の夫がいる呉服屋に向かって走り出しそうになっている正則を、隣にいる清正と宗茂が左右両方から懸命に抑え込む。


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