異次元 | ナノ


異次元 
【魂喰い】
 




「ひん剥け。昭」
「喜んで」

司馬師の残酷な命令に、司馬昭が従う。

司馬昭は片手を名無しの胸元に手を伸ばして留め具を全て外していくと、彼女の上着をズルリと引き下ろして司馬師の命令通りにひん剥いた。

「いやああああっ…!!」

すると名無しの上半身があらわになり、形の良い白い乳房が男達の面前に晒される。

「可愛いー。いい乳してんじゃん」

名無しの肩越しに背後から意地悪く覗き込み、司馬昭がペロリと舌舐めずりをする。

急に冷たい外気が肌に触れ、名無しの乳首は生理的な反応で硬く尖っていた。

「い…、いやっ…見ないでぇぇ……」

恥ずかしそうな顔で名無しがどれだけ身を捩って藻掻いても、それは司馬師や司馬昭の男心を余計に煽るばかり。

「何がイヤだ。見られるだけでこんなに尖らせて」

どうぞ触って下さい、と言わんばかりの名無しの赤い乳首を、司馬師の冷たい眼差しがじっとりと舐める。

司馬師はその硬さと名無しの感度を確かめるように、名無しの左胸に自らの右手を移動させた。

そして名無しの乳房を下から持ち上げるようにして片手で鷲掴みにし、ゆっくりと揉みしだく。

「くっ…、ふぅっ……!」

マッサージをするように適度な力で揉んでくる司馬師の手から与えられる快楽に、名無しは歯を食いしばって懸命に耐えた。

やんわりと、乳房の下半分を包む込むようにしていやらしい手付きで揉み解す司馬師の動きに、触れられてもいない彼女の乳首が一層硬さを増してツンッと尖る。

「ん…、んんんっ……」

ギュッと固く両目を瞑り、一層強く下唇を噛んで必死に快感の声を上げまいと抵抗を続ける名無しの姿が、逆に司馬師のプライドを逆撫でし、余計に彼の情欲に火を点ける羽目になった。

「面白い。どこまで我慢出来るか試してやろうではないか」

獲物を捕らえた冷たい瞳で名無しを見据え、司馬師はそう言って口元に残酷な笑みを浮かべる。

「お前も可愛がってやれ。昭」
「いいですよ。じゃあ兄上が左から責めているから、俺は残った方で」

左胸に添えられた司馬師の手に続いて後ろから司馬昭の手も名無しの右胸に伸び、片側だけだった愛撫が両胸へと変更された。

司馬師と司馬昭はそれぞれ自分が担当する名無しの胸をギュウッと掴み、思い思いに揉みしだく。

「ふ…くっ…んっ…んんん──っ…!」

湧き上がる声を懸命に噛み殺し、少しでも身を捩って彼らの行為に抵抗しようとする名無しを嘲笑うかのように、司馬師達は人差し指の先端で名無しの乳首をグリグリと押し潰すようにこね回す。

「はぁぁ…いや…あぁーんっ……」

耐えきれない強烈な快感に、ついに名無しの口から喘ぎ声が零れ出る。

司馬師と司馬昭は同じような動きをしているようで、全く同じという訳ではない。

司馬師が名無しの左胸を揉んでいる時には司馬昭が名無しの右乳首をグリグリとこね、司馬昭がグニグニと名無しの右胸を揉みしだいている時には司馬師が左乳首を指先で弄んでいたりと、異なった刺激が交互に訪れるのだ。

「あっ…あっ…熱い…やっ…あああっ…」

男達の手で両胸を弄ばれていくうちに、胸への刺激と連動するようにして名無しの下腹部にもジワジワと熱がこもり始めた。

体の奥底から突き上げてくるような熱い疼きに、名無しの中心部がジンジン火照る。

「あん…だめぇ…そこは…あっ…あっ…」
「だめじゃなくて、本当はもっと弄って欲しいんだろう?」

司馬師が、一旦手を止めて意地悪く聞く。

左側の刺激がなくなった事に名無しは一瞬寂しそうな顔をしたが、未だ残る理性が欲望と戦っているのか、首を何度も振って『違う』と訴えた。

だが、ビクビクッと震え、物欲しげにツンとそそりたつ名無しの乳首が司馬師の言葉は真実だと述べている。

そんな名無しの抵抗を見て司馬昭は今までよりも少し強めの力で名無しの乳房を揉み回すと、硬く立っていた乳首を指先で摘み、キュウッと軽く捻り上げる。

「あっ…んんっ…ひっ…あっ…」
「おら、気持ちいいんだろ?嫌がってるフリして感じてんだろうが」

名無しの柔らかな膨らみは男の大きな手によってねじるように揉みあげられ、司馬昭の指が名無しの乳首の先端を弾くようにして弄る度に名無しは下半身が溶けそうになっていく。

「あっ…だめ…だめぇ…子上…」
「正直になれよ。遠慮せず声出しな」
「ああーん…子上…そんなぁぁ……」

耳元で囁かれる司馬昭の低い声の淫靡さにすら感じてしまい、ためらいがちに漏れる名無しの声が次第に大きく、甘ったるいものになっていく。

「甘やかすな昭。この女にはまだ聞きたい事がある」

司馬師は脱いだ自分の上着に手を伸ばして内側についているポケットの中を探ると、そこから小さな金具を取り出した。

「……!い、いやっ……」

名無しは、司馬師の手に握られた道具の正体を悟って思わず悲鳴を上げた。

それは名無しがよく知っている、調教用の乳首クリップだった。

「兄上…そんな趣味があったんですか。いつもそんなの使ってるんですか?知らなかったぜ」

長年一緒に過ごしてきた兄の意外な性癖を目の当たりにし、司馬昭が少々驚いたような顔をする。

「いや。知識はあったが使うのは今回が初めてだ。部下に命じて急ぎ取り寄せた。今朝の夢で興味が湧いたのでな」
「ああー、分かった。例のアレを見てって事ですか?」
「ああ。面白そうだったから。これを実際に使ったらどんな風になるのか、この女で一度試してみたいと思って」

新しいオモチャを手に入れた時、『これを使ったら何が起こるんだろう?』と心底ワクワクしている子供のような、無邪気で悪質な二人の反応。

司馬師と司馬昭は何やら楽しげな様子で二人だけの間でしか分からない会話をしているように見えるが、名無しにはなんの事だか分からない。

今朝の夢とは一体なんの話だろう。

訳が分からず、それでも自分が今から何をされようとしているのかは悟り、名無しの喉が恐怖でゴクリと鳴る。


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