異次元 【魂喰い】 渇望する。 ジリジリと喉が渇く。どうしようもなく。 地位も、権力も、金も、女も、欲しい物は全て手に入れてきたはずなのに、ポッカリと空いたようなこの空洞。心も体も満たされない。 そんな中、我々の前にそれ≠ェ現れた。新鮮な驚きだった。 それ≠喰ってみたいと思った事に理由なんてない。ただ興味が湧いただけだ。 理由を考えるよりも先に、本能と肉体が餌を求めて動き出す。それ≠アそが我々の渇きを満たしてくれる物だと気付いたからだ。 それ≠ヘどうやらすでに他人の手に渡っているようだったが、そんな事は我々にとって毛ほどの問題ですらない。 ─────喰ってやる。 この私が。この俺が。 略奪してやる。他人の腕から。 名無しが今の主人なんてどうでもいいと思うくらい、名無しの身も心も奪ってやる。 名無しの自我も理性も貞操観念も、何もかもを木っ端微塵に破壊してやる。 我々兄弟に迫られて、この顔と体の虜にならなかった女などいやしない。 恋人がいようが夫がいようが関係ない。どんな女もすぐ堕ちる。 だから名無しも簡単だ。 誘惑し、拘束し、犯し、喰い殺す。名無しの魂ごと掌中に収める。 あの白い肌にむしゃぶり付き、思い切り噛み付き、肌に穴を開ける。 毒牙から己の精と強力な毒をたっぷりと流し込み、名無しの脳も感覚も麻痺させる。 そして我々は確信するのだ。その時こそ、この飢えと渇きが完全に満たされる事を。 ああ…、可愛い名無し。お前は今夜から我々の物だ。 我々兄弟をその心と体で癒し、楽しませ、食料となり、魂の糧となってくれ。 この女の全てを喰らい尽くしてやる。 ─────跡形もなく。 ─司馬師&司馬昭夢・【魂喰い(ソウルイーター)】 [TOP] ×
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