異次元 | ナノ


異次元 
【月下美人】
 




『清正!こんな所で会えるなんて偶然だねっ。良かったら一緒にお昼ご飯食べない?』

いつ会っても明るくて人懐っこくて、笑顔が眩しい名無し。

『清正って本当に強いんだね。カッコいいな…。清正が本当に暇な時で良いから、もし気が向いたら私にも槍の扱い方を教えてね。何かあった時の為に、色んな武器の勉強をしたいの』

頑張り屋で、努力家で、自分を頼ってくる可愛い名無し。

『ねえねえ清正、今お腹空いてない?ついさっきおねね様からとっても美味しいお団子を頂いたの!一緒に食べよう!』

可愛くて可愛くて、本当の兄弟姉妹のように可愛くて、食べてしまいたいくらいに愛しい俺の名無し。


そんな俺の名無しが今、目の前でいやらしい格好をさせられて、男の物をくわえ込みながら激しくよがり泣きしている。


しかもそうさせているのは自分じゃない他の男。



よりによって一番大嫌いな男────石田三成だなんて。



「あぁぁぁ…だめ…触っちゃだめぇ……」

下から激しく突き上げられ、同時に男の指先でもっとも敏感な肉芽の部分を弄ばれ、名無しが悲鳴のような喘ぎ声を上げる。

過度な刺激で真っ赤に充血した名無しの秘部が、清正の目にも明らかになる。

ゴクリと、自分の喉が鳴る音を清正は確かに聞いた。

三成の硬く隆起した男根を飲み込んでいる名無しの二枚貝は男のモノを決して離さないとでもいうように三成の形に合わせてピッタリと張り付き、次から次へと溢れてくる透明な愛液はまるで快楽の泉のようだ。

三成が彼女の腰を抱えて上下に揺さぶるたびに二人の結合部から聞こえてくるグチャグチャという水音は、残酷なまでに清正の性欲を直撃した。

「なにが触っちゃダメ、だ?」
「あっ…いやいやっ…」
「本当は舐めて欲しいくせに。こんなに尖らせておいてよく言うな」

名無しの肩に顎を乗せ、三成は意地悪く後ろから彼女の股間を覗き込む。

三成の手淫でふっくらと膨らんだ名無しの肉芽は、物欲しげにピクピクッと震えている。

「せっかくそこに清正がいるんだ。どうせなら協力して貰えよ」

唐突に名前を呼ばれ、清正は心臓が破裂しそうなくらいに驚愕した。

それは名無しも同じだったようで、信じられないモノを見るような目付きで首をひねって三成を仰ぐ。

「お願いしてみたらどうだ?名無し。清正に私のここを舐めて下さい≠チて。一杯唾液で濡らして舌と唇で思う存分舐め回して、たまに少しだけ力を入れて軽く噛んで下さいって」

甘いとすら思えるほどの声で、三成が名無しの耳たぶを軽く噛みながら言う。

名無しは泣きながらイヤイヤをするようにして必死に首を横に振り、拒絶の意思を三成に示す。

「どうしてだ」

そんな名無しの反応が意外だとでも言いたげに、三成はさらに名無しを責め続ける。

「清正とは二人だけで食事をしたり、城下町でデートするほど仲良しなんじゃなかったのか?」

意地悪感たっぷりな笑みを浮かべながら挑戦的な目付きで自分を見据える三成の眼光に、清正の背筋にゾクゾクッとした冷気が走る。


(こいつ───知ってたのかよ)


三成は全て知っていた。最近特に名無しと清正が仲睦まじくしていたことを。

でも、だから、何だって言うんだ。

二人で一緒に食事をした。一緒に出かけた。たったそれだけの事じゃないか。

こんなこと、普通に職場の同僚でも友達同士でもよくある話だ。

だが、今こうして射るような目付きで清正を睨む三成の双眸には、間違いなく冗談では済まされない明らかな『不快』の色が浮かんでいた。

「その前に答えろよ、三成」

今まで口を挟まずにじっとこの光景を見守っていた清正の口から、ドスの効いた唸り声が漏れる。

つい先刻正則達と飲んでいた時まで男の眼に満たされていた穏やかな光は失せ、代わりにひどく冷たく凶暴な、戦場で敵と遭遇した時のような怒気に満ちた眼が三成を見た。

「これは和姦か。強姦なのか?」

清正の質問を聞いた名無しの肩が、ビクンと跳ねる。

男の眼の奥にある物が、今にも獲物に飛びかからんとするばかりの研ぎ澄まされた獰猛な光である事を悟り、名無しは本能的に体を強張らせた。

「見れば分かるだろ。自分で考えてみろ」

しかし、三成は全く動じていない。

名無しのように震えるどころか、そんな清正の激しい視線を丸ごと受け止めるようにして真っ向から挑み返す。

「お前…いつもそんな風にして女を抱くのか?酷え抱き方だ。愛情も何もあったもんじゃないぜ。単に名無しを辱めるだけの行為だ。名無しはさっきからずっとやめて欲しい≠ニ言っているだろうが。どこからどう見ても嫌がってんだろ!?」

激した声に、三成に拘束されている名無しの背骨がギクリとしなった。

「嫌がっている?馬鹿かお前は…。よく見ろ、感じているだろうが!」

逞しい三成の腕が背後から伸び、名無しの両足が一層大きく左右に割られる。

「あっ…ひっ…!」

途端に、重力に引かれるようにして名無しの体が大きく沈み、今まで以上に三成の分身が深々と名無しの中へ埋め込まれていく。

「あっ…いやっ…入れちゃだめっ」

清正の見ている前で恥ずかしい姿を見せたくなくて必死に訴えてみたものの、名無しの体の一番奥底を責めようと企む三成がやめてくれるはずがない。

それどころか、名無しが身を捩って逃れようとすればするほど、余計に深く三成の先端が彼女の肉襞を掻き分けながら内部へと入り込み、グチュグチュと卑猥な音を立てながら出入りを繰り返すのだ。

「ああーんっ…だめだめ…イッちゃう…だめぇぇ…」

三成の律動に合わせて、名無しの白いお尻がプルルッと震えている。

イッてしまいそうなのを必死に堪えている様が、清正にも分かった。

「……っ」

言葉にならないショックが、清正を襲う。

どういう流れで情事に突入したのかは分からないが、今自分の目の前で三成に抱かれている名無しの体は彼を受け入れていた。

心はどうなのかは知らないが、少なくとも体に関しては明らかに男を受け入れている。

それどころか、名無しの秘部は悦んで男の肉を迎え入れている。

清正も男だ。三成の言葉通り、見れば分かった。


[TOP]
×