異次元 | ナノ


異次元 
【すんどめ:VS司馬昭】
 




「さっさと始めろよ。それともまた寸止めされて泣きたいのか?俺はそれでも構わないけど」

女の要求をやすやすとは飲まず、ギリギリのところで行為をエスカレートさせる。この辺りの絶妙な手練手管と妖艶で淫蕩な視線と低い声、足元に縋り付いて媚びたくなるようなSっぷりは、流石は司馬一族の男。女心を騒がせる端麗な容姿と合わさって、もはや鬼畜の域に達している。

これは全て司馬昭が長年培ってきた、女を落とす為のテクニックだ。女を抱く度に磨かれてきたスキルを惜しみなく駆使し、ひたすらに女を辱め、弄び、従わせ、深い快楽の沼底へと引きずり込む。

「う……っ、あ……、子、上……」

名無しはついに耐えきれなくなって、自らに課せられたメイドの役割を失念してしまう。普段通りに男の名を呼び、自ら快楽を求めて腰をくねらせた。

「子上…、ひどいよぉ……。どうして……?」
「こら。子上じゃないだろ?俺はご主人様だって───」

普通の女性であればもっと早い段階で精神崩壊しているであろう司馬昭の責め苦に耐え抜き、ここまで自我を保っていられたのは奇跡に近いと思える名無しの精神力と忍耐力は大したものだ。

賞賛する気持ちと余計にやる気倍増といった気持ちが混ざり合った心境で、やれやれと彼女を窘めようとする男の顔に名無しの両手が伸びてくる。

「子上……、お願い、もう許して……」

司馬昭に縋り付き、名無しが懇願する。それから、己の秘所を彼の性器に押し当てて腰を揺すり始めた。

「ひどい……どうして……?子上、子上……っ」

名無しは泣きじゃくりながら何度も司馬昭の名を呼び続ける。すっかり理性を失ってしまった名無しには、もはや司馬昭に対する愛情と忠誠心しか残っていない。ただ目の前の男を愛し、彼に愛されることを望むだけの人形となってしまったのだ。

「子上に触られて…、もうこんなにおかしくなっているのに……。こんなにもう……子上が欲しいのに……」

自らの指でくちゅっと秘裂を開き、男根を迎え入れようと腰を振る。司馬昭はそんな彼女の痴態を見てごくりと生唾を飲む。

「子上は…違うの…?私のこと、もう好きじゃないの……?私、子上のこと大好きなのに……。いつもみたいに、もっといっぱい中に入って、いっぱい動いて……可愛がってくれないの……?」
「名無し」

たまらずに彼女の名前を呼び、司馬昭は熱っぽい吐息を漏らす。挿れて欲しくてたまらなくて、最愛の雄に懸命に媚びるその姿は、あまりに淫猥で扇情的だ。

「お願い……、子上……、欲しいの……。だめ……?」

名無しは甘えた声で司馬昭に訴え、うるうると潤んだ瞳で彼を見つめる。司馬昭の雄はもう限界まで張り詰めていて、今すぐにでも彼女の中にぶち込んで思う存分犯し尽くしてやりたいという欲望に駆られるが、精一杯のプライドで堪えた。

「だから、ダメだって……。ご主人様の命令は絶対だろ?」
「嫌ぁ……、だって……、もう我慢できないよぉ……。子上は、違うの……?わたしのこと、抱きたくない……?」
「……っ」

なんて台詞だ。違うと言いたい。否定したい。しかし、ここで折れてはいけない。男は唇を噛み締める。

「私は、子上に触られたらすぐに気持ち良くなっちゃうのに……。子上は……私じゃダメ……?私の中、気持ち良くない……?」

司馬昭にひしっと抱きつきながら、名無しは腰を揺すって彼の性器に自分の秘部を擦り付けた。熱く滾った太い肉の塊が柔らかな襞を擦り上げる度に、身体の奥から快感が湧き上がってきて、名無しの思考を蕩かしていく。

それは司馬昭も同様である。愛する女のいやらしい媚態を至近距離でこれでもかと見せつけられるばかりか、股間同士まで擦りつけられて欲望を抑えられるわけがない。

(くっ……、もう無理だろ。ここまでされちゃ……)

そのあまりの一途さに、司馬昭の理性は崩壊寸前まで追い込まれていた。

考えてはいけない、意識を他に飛ばそうと試みても、リアルすぎる肉体の感触が男の意地を急激に蝕む。

こんな風にして、好きな相手にむにゅっと胸を押し付けられたら。肉厚な秘肉でギンギンに充血した男根を柔らかく挟まれたら。

ヌルヌルに潤った割れ目でカリの部分を上下に擦られ、甘い声で『入れてください』とねだられて、それでも平気な雄がいるというなら見てみたい。

「ひっく……、どうしたらいい……?どうしたら、子上に気持ちいいって、思ってもらえるの……?どうしたら、子上に抱いてもらえるの……?」
「…っ、く…」
「私の中は気持ちいいって思ってもらえるように、私…もっと勉強するから…子上のために…頑張るから……」

望んでも望んでも得られない現実に、名無しは泣きじゃくり始めてしまった。司馬昭はそんな彼女の姿に胸が締め付けられるような感覚を抱く。

「それとも、こんなエッチな女のこと、嫌いになった…?」

ない。それだけは。絶対にない。

むしろもっとエッチになってくれて構わない。喉元まで出かかる声を死に物狂いで抑え込み、男は名無しの上位に立とうと必死だ。

「私のこと、嫌いにならないで……。ずっと好きでいて……」
「んっ……。名無し……、そんなわけないだろ?俺はずっと、お前のこと……」
「ほんと……?私のこと、好き……?」
「ああ、好きだよ。名無しのこと、好きだ。だから……」

司馬昭はそこで言葉を区切り、照れたように目を伏せた。

あるまじきことである。司馬家の男ともあろうものが、こんな顔で、こんな言葉を女ごときに吐くなど。

「だから、その…ちゃんと俺の言うこと聞いてくれよ。メイドとして……、ご主人様の性欲処理に励んでくれ。俺は……お前のそういうエロいとこ見んのが好きだから……。次回はお前のお願いだって聞いてやるから、せめて今日くらいは…俺を立ててだな……」

苦しい。マジで苦しい。これ以上我慢できねえ。本気でチンコが爆発しそう。

頼む、マジで頼む。早く俺の命令通りに動いてくれ。もう勘弁してくれ、俺の理性をこれ以上試さないでくれ……!

司馬昭は脳内で泣き言を叫びつつ名無しの返事を待った。

司馬昭の要望を耳にした彼女は今までの中で最大級の色香を全身から立ち上らせ、ぶるりと震えながら情欲に染まりきった瞳で彼を射抜く。

男の逞しい肉体に縋り付いたままで、柔らかい乳房とトロトロの愛液で濡れそぼった秘部を擦り付けながら。

「子上……好き……。大好き……」
「…名無し…」
「お願い…子上……。私の中に、子上の太くて、固くて、熱いのを……挿れてください……お願いします……っ」
「……っぁ、クッソ……!!」

あ───、もうっ!!何なんだよこれ!!可愛すぎかよ!!!!

ご主人様はついに折れた。彼女の可愛らしくもエッチな『お願い』に、もはや抗うことなどできなかった。

司馬昭は脱ぐのももどかしいと言いたげな手つきで下着の中に手を突っ込み、自らの男根を取り出した。それは既にガチガチに反り返っており、先端からは先走りが滲んでいる。

その凶悪なまでの存在感に、名無しは思わずひくっ、と喉を震わせた。これが今から自分の中に入ってくるのかと思うと、一抹の恐怖心とそれを大きく上回る期待で身体が痺れてしまう。

「あぁぁ…。すごい……、子上の……大きいよぉ……」

名無しは陶酔した表情を浮かべて、司馬昭の剛直に愛おしそうな視線を注ぐ。その瞳にはハートマークが浮かんでいるかのようで、すでに快楽の世界に堕ちていた。

「欲情した雌の顔しやがって……。お前、どんだけ俺のチンコが好きなんだよ……」
「ゃ……ぁ……。子上……っ」
「しかも、人の股間をこんなに濡らしまくって……。おかげで俺の服もパンツもベタベタじゃねえか。乳首とクリ弄りの次は生ハメのおねだりかよ?俺のメイドのくせに、ご主人様のモノで犯して欲しくてたまんねえのかよ……」

屹立した肉棒を数回手で扱いて先走りを馴染ませながら、男が低く唸る。その瞳の奥では欲望の炎がメラメラと燃え盛っていた。完全にスイッチが入ってしまったらしい。

怠け癖はあるものの、爽やかで快活な美青年と評判の司馬家の次男坊はもうどこにもいない。ここにいるのは、己の欲望に忠実で性欲旺盛な一匹の獣だ。


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