異次元 【吸血王】 「あ…、それ……。そんなに強く、したら……」 ねっとりと、嬲るように耳と乳首を責められ、名無しは堪らず身を捩る。賈充の巧みな愛撫によってすっかり出来上がった身体は、もはやどこを触られても気持ち良いとしか思えない。 「あ、ああっ……!だめっ……、そこぉ……」 胸の先端をきゅっと摘まれ、そのままコリコリと弄ばれる。親指と人差し指で挟み込まれながら転がされると、ジンジンとした痺れにも似た感覚が背筋を這い上がった。 「指だけでいいのか?」 このタイミングで、なんて台詞だ。賈充という男は恐ろしい。女の心を読んでいるとしか思えない。 「んっ、ぁ……、いやぁ……」 イヤと言いつつ、もっとして欲しいと言わんばかりに胸を突き出してしまう。まるで触ってくれとねだるように主張するその膨らみを認め、賈充は口の端を吊り上げた。 「素直になれ」 そう告げて、賈充は名無しの衣服に手をかけた。片手だけで器用に留め具を外し、彼女の白い乳房を露わにする。 「あ、ぁ……」 ぷるんと揺れる二つの膨らみの頂点では、すでに硬くなった突起がつんと尖っていた。賈充はそこに顔を寄せると、ふぅっと息を吹きかける。 「ん…、うぅ……っ」 敏感な部分に生暖かい息がかかり、名無しは溢れ出る声を必死で飲み込む。賈充は何度も同じ事を繰り返し、その度に名無しは腰をくねらせていたが、やがて我慢できなくなったのか、彼女は自ら胸を男の口元に押し付けた。 「いやらしい女……」 媚びるような仕草に気を良くしたのか、賈充は名無しに請われるままに乳首を口に含む。そして、ちゅうっと強く吸い上げる。 「んんっ!あ、ああんっ!」 突然の強い刺激に、名無しは背を仰け反らせて喘ぐ。それでもまだ足りないとばかりに、賈充はもう片方の乳房にも手を伸ばし、そちらも激しく責め立てた。 「ああっ……、あぅ……っ!」 両方の胸から与えられる快楽に、頭の中が真っ白になる。唇と舌で丹念に愛撫され、名無しの体は面白いほどビクビクと痙攣した。 「あ、ぁ……っ、賈充……あぁぁ……」 甘えるような声で男の名を呼ぶと、それに応じて賈充は更に強く吸い上げる。その瞬間、名無しの下腹部がきゅんっと疼く。 胸への愛撫だけで絶頂を迎えてしまいそうになるほど、名無しの感度は高まっている。早く中に挿れて欲しいと、本能が叫んでいた。 「んぁ…ぁっ…だめぇぇ……こんなのもう……イッちゃう……」 「またか?早いな。とんだ淫乱女め」 「あっ…やぁぁ…ごめんなさっ…だって…だって…」 目尻からポロポロと涙を零しながら、名無しは賈充に謝罪する。そんな表情も仕草も言葉も全部健気で可愛らしくて、賈充の加虐心が倍増した。 「まあいい。俺の前だけでなら、いくらでも淫らになればいい。はしたなくイクところを見せてみろ」 臆面もなく告げて、賈充は口に含んでいた乳首を軽く噛む。首筋に歯を立てられただけでも十分すぎるくらいに感じていたのに、敏感な乳首まで同じように責められてしまっては、名無しはひとたまりもない。 「あ、あぁぁっ……!だめぇぇ……噛んじゃ……ああぁんっ!」 乳首を噛まれたまま強く吸われ、もう片方の乳首も指で捏ね回される。さらに舌先で転がされながら数回甘噛みされると、名無しはビクビクと腰を浮かせて感じ入った。 「あっ、あっ、ああぁぁ……っ!」 頭の中で火花が散るような衝撃と共に、激しい絶頂の波が名無しを襲う。二度もイカされてしまった。本番行為でもなく、耳と乳首への刺激だけで。 「は、ぁ……」 名無しは息を弾ませながら、涙で潤んだ瞳で賈充を見上げる。賈充は唾液で濡れた唇をペロリと舐めると、そんな彼女の痴態を目に焼き付けた。 実にそそる表情だ。快感に蕩けきった女の顔は男にとって何よりのご褒美であるが、名無しのそれは極上の味わいだった。 気持ち良くて堪らない、という陶酔しきった雌の顔を覗かせつつも、どこか困ったような、悩ましげな色を滲ませる。 知り合いの男に押し倒され、意に反して快楽を得てしまっているという自身の複雑な心境が表情となって表れているのだろうが、それも賈充の虜となり、完全な性奴隷と成り果ててしまったら、この素晴らしく魅力的な表情はもう見られなくなってしまうのだろうか。 (だとすれば、あまり慣れさせるのも考え物だな) そうなってしまったらガッカリだと思い、どうするかと迷ったものの、自分を含めて人間という生き物の性根はそう簡単には変えられないものだ、と賈充は過去から現在に至る己の経験から結論付ける。 名無しは生粋の照れ屋で恥ずかしがり屋だ。たとえ何度抱いてもどれだけ苛め抜いても彼女から『羞恥心』や『躊躇い』といった感情が失われることはない。 きっとどこまでも初心な娼婦という真逆の要素を兼ね備えた最高のセックスドールになるだろうと、男のドSセンサーがビンビンに反応を示している。 「ひっく…、うぅ……もう、やだぁぁ……」 「……。」 「賈充……お願い……。そんな目で……見ないで……」 嗚咽を漏らしながら泣きじゃくる名無しを見ていると、嫌というくらいに下半身が昂る。 耳と乳首をちょっと愛撫してやっただけでこのイキっぷりなのだ。早くこの中に己の分身を埋め込んで、名無しが泣くほど強く腰を打ち付けたい。 濡れそぼった秘肉を割り開き、いきり立った肉棒を根元まできっちり埋め込んでやったら、どんなに乱れた痴態を見せてくれるのか。 賈充は無言で自らの上着に手を伸ばし、ゆっくりと脱ぎ始めた。露わになった男の肉体は肌の色こそ白めだが、決してその色から連想されるような貧弱な印象は与えない。 常日頃からのたゆまぬ鍛錬や激しい実戦によって鍛え抜かれた肉体だ。しなやかで均整の取れた筋肉に覆われた男の体は、彫刻のような美しさと力強さを併せ持ち、見る者を圧倒する。 厚い胸板、割れた腹筋、逞しい上腕二頭筋と大胸筋。芸術品にも似た美しい裸体は雄々しく、いっそ芸術的ですらあった。 普段はきちんと着込まれた軍服の下に隠されていたその肉体美が今、惜しげもなく晒されている。 「……ゃ……」 このように異性の裸をまじまじと見つめるのは、不埒で、はしたないことだ。そう思うはずなのに、その禁忌を犯さずにはいられないほどに、賈充の身体は完璧だった。 服の上からでも何となく想像できたことだが、実際に目にするとより気圧される。その全てから匂い立つ男の色気が漂っているようで、名無しの目は賈充の身体に釘付けになった。 「下も舐めてやろうかと思ったが、どうやら俺の我慢が限界のようだ」 「か、じゅ……」 「……今すぐ挿れたい」 ごくん、と名無しの喉を生暖かい唾液が通過する。それは恐怖ではなく、一抹の期待と興奮によるものだということは、彼女を見れば一目瞭然だった。 「下半身を舌で可愛がってやるのは、また今度な」 男が舌舐めずりをした瞬間、赤い舌が名無しの視界に飛び込む。 その舌で限界まで敏感になった秘部の入り口や肉芽を何度も舐め回され、転がされ、えっちな音を立てて吸われる感覚をリアルに想像してしまい、名無しの目尻にはまた新たな涙が浮かんできた。 [TOP] ×
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