異次元 【すんどめ:VS夏侯覇】 (やっべぇ……エロ過ぎだろこれ……) やばい。調子に乗ってちょっとやりすぎたか?でも、ここまで来たら俺はもう止まらんぞ?いいのか?本当にヤっちまうからな?後悔しても知らねえからな!? そんな葛藤に苛まれていると、夏侯覇の脳内で彼と同じ姿で白い羽を生やしたエンジェル夏侯覇が待った≠かける。 『ちょっと待てよ俺!冷静になれ!いくらなんでも、相手は名無しだぞ?俺が知らないだけで実際は彼氏がいるのかもしれないし、そもそも俺のことなんかただの男友達程度にしか考えてなくて全然眼中にねえだろうし。ここは一旦落ち着いてだな……!』 もっともらしい台詞を並べ立てて自らを説得し、何とか思い留まろうとしたのだが────。 『いやもう無理っしょ!だって俺もう勃ってるもん!完全に臨戦態勢だもん!今さら止められるわけねーじゃん!』 頭の中で黒い羽をバサバサッと羽ばたかせたもう一人のデビル夏侯覇が訴えてきたので、夏侯覇はあっさりと誘惑に屈した。 据え膳食わぬは何とやらと言うではないか。ここまで来て、お預けなんて冗談じゃない。 「名無し」 「なぁに……?」 すっかり腰砕けになってしまった様子の彼女に向かって夏侯覇はにこりと微笑みかけ、優しく頭を撫でながら言う。 「続きしていいか?」 まあ、嫌だって言われてもするけどな。 だってこれは俺の夢なんだし、今頃はベッドでスヤスヤと寝ている本物のお前の体には何の問題もないわけだしさ。だからいいだろ別に?いいよな?なっ!? そんなことを思いながらも、表面上はあくまで紳士的な態度を崩さないあたり、さすがは年の功。 どう見てもせいぜい高校生くらいにしか見えない驚異的な童顔のせいで若く見られる夏侯覇であるが、中身は立派な成人男性だ。 一方の名無しはといえば、少々躊躇う様子を見せたものの、結局消え入りそうな声音で『はい…』と返答した。 「ありがとう名無し!」 どうせ抵抗されてもヤルつもりでいたとしても、OKして貰えるのは男として嬉しいものだ。 夏侯覇は喜びのあまり、名無しの体を強く抱き締める。 そのまま彼女の体を抱え上げ、なるべく柔らかそうな場所を探して周囲を見渡すと、ちょうど良さげな木陰を見つけた。 先程まで大きな木など一本も生えてなかったはずだというのに、ふと見るとすぐ近くにある。しかも、そこだけぽっかりと花々の姿がなくなっていて、まるで誰かがわざわざ誂えたかのように、芝生のような短い草が生えているだけだ。 まるで〈ここでしてください〉と言わんばかりの都合のいい状況に、夏侯覇はにやりと笑みを浮かべる。 これぞ夢。どこまでも続くご都合展開。ここまでくると笑えてくるが、せっかく見つけたのだから使わない選択肢はない。 「あそこ行こうぜ」 「は、はい……」 まだ少し戸惑いがあるのか、ややぎこちない様子で返事をする名無しをよそに、夏侯覇はずんずんと歩き始める。 そしてあっという間に目的の場所へたどり着き、彼女をそっと下ろしてやった後で覆い被さるようにして組み敷く。 「優しくするから」 「…ぁ…」 これから起こることを察したのか、彼女は不安げな様子で視線を彷徨わせた。その初々しい反応がまた可愛くて胸が高鳴る。 夏侯覇はもう一度名無しの唇を奪い、今度は最初から容赦なく攻め立てた。 「んっ……んんっ……!」 舌先で口内をなぞり、上顎の裏を擦るようにして刺激してやると、名無しが唇からくぐもった声を漏らす。 同時に右手で耳を撫で回したり、首筋を指先で軽く引っ掻いたりすると、その度に体がびくびくと震えた。 どうやらかなり敏感な体質らしい。それならそれで好都合だとばかりに、名無しの粘膜を蹂躙し続ける。 何度も角度を変えながら、ひたすら貪るような口付けを続けているうちに、次第に名無しの方もその状況に慣れてきたようで、おずおずと舌を絡ませ始めた。 夏侯覇はそれを受け止めるように自らの舌を動かし、逆に名無しの口内に侵入していく。 お互いの舌が絡み合い、唾液を交換し合う度に、くちゅくちゅといういやらしい音が響き渡った。 やがて息苦しくなったのか、名無しの方から唇を離すと、夏侯覇の唇に指を添えてそっと彼の体を押し返す。 「はぁ……はぁ……待って、夏侯覇……。お願い……」 肩で息をしながら懇願する姿に、背筋がぞくぞくするほど興奮した。 このまま最後まで突っ走ってしまいたい。けれども始まったばかりだと思い直す。 危ない危ない。もう少しで欲望に負けてしまうところだったぜ。 俺は紳士なんだし、名無しへの罪滅ぼしの意味も含めて、夢の中とはいえちゃんと手順を踏まないとな。 そう考えた夏侯覇は名残惜しそうにしながらも、名無しの要求に従い一旦彼女から体を離した。 「夏侯、覇……」 「どうした?」 不安そうに見上げる名無しに優しく笑いかけてやると、彼女が安心したように息を吐く。 「あ……、ごめん、なさい……。息が、うまくできなくて……」 「ああ、そっか」 「その……夏侯覇の、キスが……激しくて……」 「……っ。わ、悪い!その、やりすぎたか!?」 「違うの…。すごく…気持ちよくて…どこで息をすればいいのかわからなくて…」 「…名無し…」 「夏侯覇は何も悪くないの…。私が、こういうの下手で…ごめんなさい…」 困惑を色濃く宿す声で途切れ途切れに言葉を綴り、名無しが目を伏せる。 ああもう!なんだよこれ!?可愛いにもほどがあるだろ!!くそっ!!反則だっつの!俺を萌え殺す気か!? 夏侯覇は思わず頭を抱えたくなった。 いつも真面目な仕事ぶりで、あまり性的な部分を表に出さない彼女がこんなにも素直に快楽を口にして、瞳を潤ませながら甘えてくるなんて反則だろう。 正直言ってめちゃくちゃ燃える。今すぐチンコを突っ込みたい。奥の奥まで、俺の物で思いっきり突きまくってアンアン言わせたい。そんな欲望を必死に抑えつけ、夏侯覇はあくまでも冷静に振舞うことにした。 [TOP] ×
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