異次元 | ナノ


異次元 
【茨の檻】
 




(クッソ…、この俺が…!?)

柔らかくて熱く溶けきった名無しの膣壁は媚びるように法正の男根に絡みつき、望外の喜びを男に与えてくれる。

これはヤバイ。チンコが溶けそう。

(ちょっとでも気を抜けば、俺の方が先にイキそうだ)

内心の焦りを気取られないよう、法正は何とか呼吸を整える。

「ほ…、せ…、ど、の…」

子どものように舌足らずな物言いで、名無しが男の名を呼ぶ。

「…恥ずか、しい、です…」
「…は…っ」
「あぁん…だめぇぇ…恥ずかしいよぉ…こんな恰好…っ」

息も絶え絶えに喘ぎながら、それでも恥ずかしくてたまらないといった名無しの様子がとても健気で破廉恥なものに感じられ、法正は口元を緩めた。

「残念ながら逆効果だな。知らないのか?そういう恥ずかしそうな顔と声は、男をより残酷な気分にさせるって」
「あああ……そんなぁ……」

そう言い捨てて、法正は名無しの腰を自分の方へ思い切り引き寄せた。

名無しの最奥に、ズンッ!と法正の猛々しい肉棒が深々と突き刺さる。

「ああ───っ…!」

ビクビクッと名無しは大きく下半身を痙攣させてイキ果てた。

すると法正は名無しの背中に覆い被さり、結合部に体重をかけて腰を押し付ける。

「激しく突くのもいいが、こうして子宮口を押し潰されるようにゆっくり動かれるのもたまらないだろう」
「ああぁん……ひいっ…凄いぃっ……」

欲望のままにガンガン貫き、単純なピストン運動だけを繰り返すのは、経験の浅いオスガキのすることだ。

根元まできっちりと男根を挿入し、スローペースでグッグッと亀頭をねじ込んでいくと、名無しの喘ぎ声のトーンが変わる。

ピクピクッと小刻みに腰を震わせる名無しの痙攣は、全然収まる気配がない。

快感が強すぎて、半ばイキっぱなしの状態になってるらしい。


名無しのこんな淫靡な姿を知っているのは、自分だけなのだろうか。


もしそうだとすれば他の男に先駆けて名無しの理性を破壊し、昼間の楚々とした勤務姿からは想像できなかったエロさを引きずり出したことに、法正は雄としての優越感や支配感を抱く。

しかし、もし他にも彼女の肉体を味わった男がこの城内にいるのなら、自分の知らない間に貴重な獲物を掻っ攫われたという敗北感と屈辱感に舌打ちする。


───独占欲。


基本的に、自分は執念深い性格だ。

他人と自分の獲物を分かち合うつもりはないし、気に入った女に唾をつけられて黙っているほど寛容な人間ではない。

名無しを真の意味で女≠ノしたのはこの法考直であり、名無しが愛おしそうに頬ずりをし、美味そうにしゃぶり、平伏するのは自分の男根だけだ。

名無しが交尾をねだってもいいオスは唯一自分だけであるのだと、この体にきっちり教え込まねばならない。

「あっ…ああぁっ…許してえぇ…法正殿ぉ……」

一向に引かない快楽の波に、名無しが瞳を潤ませて訴える。

「あなたが望んだことだろう」

法正はズルズル…と怒張を引き抜き、腰の動きを再開させた。

たんっ、たんっとリズミカルな動きで法正の腰が前後し、名無しの中で男の肉棒が出入りする。

亀頭の先端で最奥を突かれた時も、ずるずると肉棒が引き出されてカリの部分が名無しの内壁を引っ掻く時も、男の太い肉は淫らな感覚を彼女の体内に生み出し嬌声を上げさせる。

「…ひいっ…いいぃっ……」

法正が強弱をつけて小刻みにしつこく挿入を続けると、名無しの秘部は射精をねだるようにキュウッと男の物を締め付けた。

気持ち良さにも限度がある。

これがごく一般的な男性との行為なら、名無しは普通に快楽の波に浸り、ここまで許しを請わなかっただろう。

だが法正によって徹底的に快楽を与えられ、極限まで感度を高められた今の名無しにとって、続けざまに行われるこのピストン運動は、もはや快楽を超えて苦痛に近い。

「あんっ…法正殿…だめ…大きいよぉぉ…」
「法正殿の物を中に入れて欲しい。もっと奥まで欲しい、とねだったのは誰だったかな」
「あっ…、や、ぁ…違います…違うのぉ……」
「その言葉を忘れるなよ、と俺は言ったはずだが?」
「あぁーん…ごめんなさい、法正殿…っ。だって…、だってぇぇ……」

腰を落として逞しい肉棒の先端を丹念に名無しの中に擦りつけると、嫌がる名無しの口から甘えるような喘ぎ声が漏れる。

名無しの反応を見ながら、法正はピッチを上げていく。

血管がくっきり浮き上がった裏筋と、はち切れんばかりに質量を増した男根全体で情け容赦なく名無しの中を抉り続ける。

(まずい…。本気でチンコが持っていかれそう…っ)

本当に素人か!?と同じ言葉を脳内で二度呟いて、法正は顔をしかめた。

形勢的に犯しているのは間違いなく自分の方なのに、まるで逆に犯されているように感じる。

何なんだ、この膣は。

一人でいる時に名無しとのいやらしいセックスを思い出すだけで、何度でも勃起できそうだ。

今までに抱いたどの女よりも具合のいい名無しの膣の感触に、法正は目を閉じて感じ入る。

こんな上玉を他の男と共有するなんて馬鹿らしい。

男の中で、ドス黒い感情がぐつぐつと煮え立ってくる。

「…っ、いい…っ。大した名器だ、名無し殿…」

背後から、法正の掠れた声がする。

「感度の良さは申し分ないし、締め付け具合もいい。エロいし、本当に気持ちいい……虜になりそうだ」
「…あっ、や、ぁぁぁ…」

男の吐息が名無しの首筋にふうっ…とかかり、うっとりと告げられた法正の言葉に背筋がゾクゾクした。

法正の言葉がお世辞かどうかは、名無しには分からない。

それでも、あの法正が熱く掠れた声で名前を呼んでくれて、自分を抱きながら僅かに息を弾ませてくれている。

その事実が麻薬のように名無しの脳を溶かし、彼女の両目が涙で滲む。

「法、正、殿…。あ、だめ、そこっ、だめぇぇ……」
「ダメじゃなくてイイの間違いだろうが。もっと腰振る事だけ考えろ」
「あぁぁ…、そんなぁぁ……」
「腰っていうのはこうやって使うんだ。覚えておけ」

法正がゴツゴツと力強く名無しの内部を抉るたび、それに見合った快楽が名無しの全身を支配した。

強すぎる快楽から逃れようと名無しが腰を引いても、それを許さないとでもいうように法正の楔がさらに奥深くまで打ち込まれる。

「は……っ、上がってきた。分かるか?俺のがグッと硬くなったのが。精子が上ってきてる」
「……っひ、や、ぁぁ……っ」

ぐちゅっ、ずぶっ、じゅぼっ、という淫らな音が、深夜の静かな室内に響き渡る。


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