異次元 | ナノ


異次元 
【魂喰いvol.2】
 




「……っ」

すると、ゴクッと喉の奥を鳴らし、司馬昭が何かを堪えるようにして顔をしかめた。

「兄上に出されたばかりだっていうのに、なんでこんなにギュッと締まる訳?名器かよ…」

熱い吐息混じりの呟きを漏らし、司馬昭はイッた直後でグッタリとしている名無しに何ら構うこともなく、再び腰の動きを再開させる。

「あっ…あっ…あああ…」

男が内部で動く度に与えられるニュルニュルとした感触に、名無しは息も絶え絶えといった様子で喘ぐ。

名無しが男を虜にする淫らな体になったのは、彼女が生まれ持った資質も然ることながら、ひとえにそれをいち早く見抜いて調教を重ねた曹丕や司馬懿の力が大きく影響している。

裏を返せば、彼女がこのような目に遭っているのは、ある意味曹丕や司馬懿のせいとも言えよう。

だが、抗議する対象も、救いの手も、守ってくれる存在も、今の名無しの前には無い。

「……昭。早く代われ」

少々苛立ち交じりの声音で言い捨てて、手持無沙汰とばかりに司馬師は名無しの胸元に手を伸ばす。

「ええ〜?俺だって兄上が終わるまでちゃんと待っていたじゃないですか。贅沢言わないで下さい」

やっと名無しとヤれたのに、と言いたげな顔付きで、司馬昭が吐き捨てる。

どこまでも熱く柔らかく、際限なく潤いながらも締め付けの良さを失わず、男の分身をさらに深みへと飲み込もうとするような名無しの膣内は、司馬昭の言う通りまさに名器≠ナあった。

「……、はぁ……っ」

その感触に支配されるかのように軽く息を弾ませつつ腰を動かし続ける司馬昭は、完全に名無しによってもたらされる快楽の虜だった。

それは、さっきまでその体を十分味わっていた司馬師も同様に。

もっともっと、この快楽を食らい尽くしたい。

名無しを離したくない。誰にも渡したくないという思いが、男達の心を満たしていく。

「今夜はこの体に…跡を付けるか」
「あ…あっ…子元…やあぁぁ…!」

司馬師は美しい顔を名無しの胸元に寄せてそう告げると、彼女の赤く色付いた胸の突起を口に含んで歯を立てた。

途端に名無しの全身が白いシーツの上で跳ね上がり、司馬昭の物をさらに締め付けていく。

「いいですねえ。俺もめちゃくちゃキスマークつけてやりたい」
「ふふっ。どうせなら服を着ても隠せないような場所につけてやるのもいいかもしれんな。その方が断然面白い」
「あ。ひょっとして兄上、あえて見せつけようとしちゃってます?名無しのご主人様とやらに、他にも男がいるってことを」
「それ以外ないだろう。前回はそれなりに気を遣ったが……事情が変わった。この際名無しとの関係を追及されようが、この城の誰にバレようが構わない」
「兄上がその気なら俺も全然構いませんよ。兄上がどう思っていらっしゃったのかは存じませんが、俺は結構前から名無しを狙っていましたし……」


自分達の邪魔をする者は全て殺す


言外に滲ませた彼らの本音を感じ取り、名無しは信じられないものを見るように大きく両目を見開いた。


一体、何を……、考えているの。


なんて─────恐ろしいことを。


やめて、と口を開きかけた時、司馬師に硬く尖った乳首を何度も歯を立ててはきつく吸われ、同時に司馬昭の太い物を最奥まで飲み込まされて、名無しの声が封じられる。

散々焦らされて、喘がされ、泣かされて、許して下さいと懇願しても許されず、何度イッたか分からないまま夜明けを迎えた過去の記憶が名無しの脳裏に鮮明に蘇った。

片側の乳房をやんわりと揉まれ、もう片方の胸の乳首を爪先で摘まれるように愛撫されながら、肉棒の先端で最奥を何度も突かれまくって、上手く呼吸すらできない。

「名無し……、そろそろイキそう。名無しの一番深いところで、子宮口にぶち当てたままでたっぷり出してやるから喜んで?」
「ひっ……!」

卑猥な言葉と共に司馬昭の口元に浮かんだ笑みは、冗談やからかい半分で言われたものとは思えない。

男の情欲に塗れた双眼は一見熱を宿しているようにも見えるが、その奥底でギラリと光る冷淡な輝きは、己の宣言通りに必ず実行するという固い意志を表していた。

「だめぇぇ……またイク…イッちゃう……。もう…、もう……!」

上半身と下半身に同時に押し寄せる快楽の強さに耐えきれず、名無しは悲鳴に近い声を上げて仰け反る。

司馬師と司馬昭によってぐちゃぐちゃに溶かされた膣内は、もう限界だった。

「ああああ─────……!」

脳の回路がショートして火花が散りそうな程の快感に、名無しが絶叫して果てる。

「……ん……っ、出る……っ」

ぶるっと腰を震わせて、名無しの一番深い部分に熱い飛沫を注ぎ込みながら、司馬昭が歓喜の声を漏らす。

すでに何回も抜いた後だなんて嘘ではないかと思えるくらい、十分な量の精液を奥底で目一杯受け止めて、名無しの内部は何度もビクビクッと収縮した。

「ちょっ……、待てって、名無し……。イッたばっかりなのにそんなに絡みつかれたら……。そんなに嬉しそうに吸い付かれたら、俺もう……」

グッグッと何度も先端を打ち付け、最後の一滴まで残さぬようにと名無しの中に分身を埋めたままの司馬昭が、甘く低い声で呟く。

「ああもう〜、我慢できない!頼むよ名無し、もう一回ヤらせてっ」
「おい」

感極まった素振りでガバッと名無しに抱きつく弟の体を、司馬師が容赦なく引きはがす。

「何なんですか兄上っ。二か月ぶりの蜜月に浸る弟の気持ちも少しは察して下さいよ。次終わったら素直に交代しますんで」
「久々なのは私も一緒だ。それに昭、今夜のお前はもう何度も出した後ではなかったのか?むしろ何でそんなに元気なんだ」
「自分でも驚いているんですが、名無し相手なら精子の再製造が行われるみたいです。大丈夫、まだまだイケます」
「何だその都合のいい仕様は…。世の男が皆お前のようだったら精力剤が不要になるな」
「うげっ。俺も年食ったらいつかはそういうのに頼らなきゃいけなくなるって事ですか?悲しいこと言わないで下さいよ〜」

司馬昭は名残惜しそうな素振りで名無しの中から未だ反り返った男根を引き抜くと、げんなりとした表情を浮かべて悲しげに眉を寄せる。

三人分の体液が混ざりあった液体は名無しの体内に収まりきらず、彼女の内部からドロリと溢れ出たモノがシーツを染めていく。


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