異次元 | ナノ


異次元 
【魂喰いvol.2】
 




「お前の言いたい事は分かったが……では、本当に死んでみるか?」

クスリと笑った司馬師が、長い人差し指を名無しの唇に滑らせた。

「安心するがいい。すぐに蘇生して、生き返ったらまた犯してやる」
「ああぁ…、いや…!いやです……!」

黙っていれば上品ささえ感じさせる顔立ちに似合わず、司馬師はたまらなく残酷で淫靡な台詞を吐き捨てる。

その姿の、なんて妖艶で美しいことか。

拒否しなくてはと思うのに、司馬懿に良く似た声と魔性の瞳が名無しの身も心も拘束し、調教済み≠フ体はむしろその淫らな言葉に反応するようにキュウッと司馬師の物を締め付ける。

「……っ、そう締め付けるな。そんなに早く出して欲しいのか?」

司馬師はわざといやらしくそう言いながら、名無しの感じる部分に集中して腰を打ち付けた。

「あああ…イッちゃう…そんなにしたらだめぇぇ…」

名無しは白い腰を淫らにくねらせ、まるで娼婦のような妖艶さと色っぽさを撒き散らしながら可愛い声で喘いでいる。

その声の悩ましさと愛らしさと言ったら、もう涎モノである。

久しぶりのセックスという事もあり、時間をかけてじっくり味わい尽くそうと思っていた矢先だったのに、あまりに淫らで破廉恥な名無しの痴態を目の当たりにして、司馬師は我慢が出来なくなってしまう。

「あ……あんっ……子、元……」

気持ちいい所ばかりを重点的に責められて、名無しが焦点の合わない瞳を涙で濡らしながら訴える。

「あああ…子元…、お…お願い……」

司馬師はそんな名無しのエッチで可憐な姿を眺めつつ、一層奥深くまで腰を進め、聴く者を酔わせる魅惑的な声で問う。

「何だ?願いとは……」
「子…元……、中は…だめなの……。お願い……、出しちゃだめぇぇ……」

目尻から幾筋もの涙を流しながら、名無しは切なげに身を捩って司馬師に許しを求めた。

しかし、哀れな事に、名無しの甘い喘ぎ声混じりの哀願は、かえって男達の欲望に火を注ぎ、彼らの興奮を刺激するだけの効果しかない。

だめ≠ニ言われれば余計に出したくなる。

男とはそういうものだ。

「うう……っ。ごめ…、なさ……っ。お願い…中だけは…、もう…許してぇぇ……」

何故自分が謝らなければならないのか。

何に対しての謝罪なのかすら分からない。

男の愛撫に感じている身を恥じているのか、名無しが小さな手で顔を覆いながらひっく、ひっく…と泣いている。

「一体何を許すと言うのだ。お前は何も悪い事をしていないというのに」
「………っ!?」
「許す許さないの問題ではない。私達は何の罪もないお前を陵辱し、他の男から奪い、自分だけの物にして、あわよくば孕ませる事が目的なのだからな。残念ながら」

しかし司馬師は、そんな名無しの姿が面白くてたまらないとでも言うように形の良い唇に残酷な笑みを浮かべるだけ。

「そ。前はとりあえずヤル事が全てだったけど、今は別にセックスだけが目的じゃないからさ。例え今夜散々犯しまくって一旦お前を解放したとしても、それ以降も終わらないんだよ」

しばらくの間司馬師と名無しの会話を黙って聞いていた司馬昭が、震える名無しの唇をペロッと舐め取りながら兄に続いて言葉を紡ぐ。


─────俺達の望み通りの結果が出るまで。


「ふたり…、とも……。なに…を、言って……」


名無しは精神が錯乱する寸前の状態で、呆然と呟く。


今……、まるで何でもない事のようにさらりと、恐ろしい単語を耳にした気がした。


これが自分の聞き間違いではないと言うのなら、孕ませる……と、言ったような?


いや、まさか。


自分の知っているこの二人に限って、そんなはずは─────。



「あっ…子元…いや…いやっ…!」


名無しが一瞬我を失っている間に司馬師は彼女の両足を左右に割り開き、膝につくほどに大きく折り曲げた。

名無しが慌てて両足を元に戻そうと思っても、兄の行動を補助するように折り曲げられた両足を司馬昭が力強い手で押さえているため、逃れる事が出来ない。

「あ…、子元…!ああーん…許して…。子上…お願い…離してぇぇ…」

堪えきれないほどの大きな快感にポロポロと涙を零しながら、名無しが首を左右に振って訴える。

「いやあああ…もうだめぇ………。奥はいやぁ……もう入らないよぉ……」

体勢を変えた事も手伝ってか、ズンズンッと、司馬師の固く大きな分身が先程よりも名無しの奥深い部分を犯していた。

「ああーん…もういやぁぁ…溶けちゃう…!中が熱くて…あっあっ…」

男の行為に合わせるかのように、名無しの内部からはとろとろとした透明な体液が溢れ出し、潤滑油となってさらに奥深くへと司馬師の男根を誘っていく。

名無しの限界が近い事を悟った司馬師は彼女の腰を両手で掴んで固定すると、名無しが頂点に達するタイミングに合わせて射精するべく激しく腰を動かした。

「あっ…熱い…子元…熱いの………。お願い…もう……っ」
「随分嬉しそうに私の物を飲み込むものだ。素直な体には褒美をやろう」

満足げに両目を細めた司馬師が、腰を前後に動かしながら上体を倒して名無しの耳元に唇を近付ける。


「受け取るがいい。この城の女達が求めてやまない─────司馬一族の高貴な子種だ」
「あああ…そんなに動いちゃいやぁぁ…イッちゃう……いや、いや─────…!」


名無しは甲高い悲鳴を上げながら、絶頂の予感に白い太腿を痙攣させた。

そして司馬師が名無しの最奥を深々と貫いた瞬間、熱さを伴った液体がドッと流れ込み、その刺激で名無しも彼とほぼ同時に頂点を極めた。

「あっ…、あああ───っ……」

ドクドクッと、男の精液が名無しの奥深くに注ぎ込まれているのが分かる。

名無しは、やっと与えられた絶頂感に酔い痴れながらも、脳内は深い絶望で一杯だった。

こんな事が曹丕や司馬懿に知られてしまったら、一体どうなるのだろう。

考えるだけで身震いするような恐怖に包まれ、名無しの意識が混濁していく。


[TOP]
×