異次元 | ナノ


異次元 
【籠の鳥】
 




「名無し……」


私は名無しの腰を掴んでいる両手に力を込めて、さらに自分の顔へと近付ける。

口の中にしっかりと唾液を溜めた後、むき出しになった名無しの秘部にそっと己の唇を押し付けた。

「蘭丸…だめっ。そこはっ……」

名無しは懸命に上体を捻ってこちらを振り返り、彼女の股間に顔を埋めようとしている私の行為を制止しようとした。

だがその程度の事で、私の行動を止める事なんて出来るはずがない。

これだけの長い期間、私はずっと待っていたのだ。

だからこそ、今夜の私は例えどれだけ名無しが泣いて抵抗しようとも、決して容赦せずに彼女を自分の物にするという固い決意を秘めていた。

「ふふっ…名無し。何でここはだめなんですか?名無しの身の回りのお世話をするのは私の役目でしょう?私はてっきりこっち方面のお世話も含めて名無しが募集しているのかと思って、張り切って立候補させて頂いたのですが」
「そ、そんな……。違っ……」

否定の言葉を告げる名無しの態度とは裏腹に、先程までの行為ですでに高められていた彼女の体は目に見える程に変貌している。

私の面前でピクピクッと震えている名無しの入り口からは、はしたない程に透明な体液がとろとろと溢れ出していた。

「違わない。だって名無し…もうこんなに濡れてる。まるで私に舐めて欲しいって自分から言っているみたいですけど?」

そう言うが早いか、私は名無しの中心部に唇を寄せて、口を使った愛撫を展開していった。

「ら、蘭丸っ…。あぁぁぁ……」

名無しの最も感じる部分に私が舌を這わせた途端、ビクビクッと名無しの全身に電流のような痺れが駆け抜ける。

大きく背中を反らせて布団のシーツを掴む名無しの痴態がとても色っぽくて可愛くて、私はこのまますぐにでも彼女の体を貫きたくて仕方なかった。

しかし、メインディッシュは名無しが本当に身も心も私の物だと自覚してからなのだと決めている。

私みたいに武将という職業についている男達は、大抵血と戦闘を好む性格の者が多いけれど、『英雄色を好む』という名言があるように、闘い好きな男には女好きが多いという説も何となく頷ける。


不謹慎な例え話になるかもしれないが、戦争と恋愛は一つだけ似ている部分があると思う。


他の場面で『それ』をやったら世間の人々からたちまち非難の声が飛んでくると思うけど。



何故か戦争と同じように恋愛に関しては、偽装工作や裏工作、ありとあらゆる卑怯な戦術を試す事が許される。



「あああ…だめぇぇ…そこはっ……」


たっぷりと唾液で湿らせた舌先で、円を描くように名無しの入り口付近を舐め回していると、名無しの中から一層体液が流れ出る。

「名無し…名無しもこうやって舐めて…。早く……」
「あぁん…だって…こんな…だって……」

私は四つん這いの格好のままピクンッと下半身を震わせている名無しを見て、笑いながら命令した。

名無しの秘部に口付けたまましゃべる私の唇の動きにすら感じているのか、名無しの中から溢れ出る蜜は彼女の内股を濡らすまでに達している。


「名無し。早く……舐めなさい」
「ああ―ん…ごめんなさい…蘭丸っ……」


話の合間に、ほんの少しだけ唇に力を込めてチュルチュルと吸ってやると、名無しが大きく体をしならせて甘い鳴き声を上げている。

私の口技を受け止めるだけで精一杯の状態で、意識を保っているだけでやっとのように見える。

それでも今の名無しには、私の言葉に反論する事は許されていない。

震える手で私の裾を割り開く名無しの目前に、もうすっかり大きく形を変えた私自身が姿を見せる。

その光景を目にして一瞬体を震わせた名無しだが、観念したように恐る恐る唇を近付けた。

「…ひくっ…」

名無しは涙ぐみ、先端の割れ目から溢れている透明な先走りに舌を這わせると、丁寧に舐めとっていく。

あの名無しが、私の分身に舌を絡めている。

夢にまで見た光景が現実になった喜びに、私は人知れず打ち震えていた。

「う……」

ねっとりした名無しの舌の感触に、らしくもない声が出る。

普段口でされた位では滅多に声なんて出さない私なのに、好きな女性にされていると思うだけでこうも感度が違うのか。

名無しとの情事に新鮮な驚きを覚えた私は満足気に微笑むと、わざと腰を突き上げる。


「ん…んぐっ……」


急に名無しの喉の奥深くに私の物が突っ込まれて、名無しがくぐもった悲鳴を漏らす。

息が出来ない位奥まで入れられた名無しは息苦しくてたまらないはずなのに、それでも我慢してさらに喉の奥へと飲み込もうとする。

名無しが口の中一杯に私をくわえ、そしてゆっくりと出していく度に、ジュブジュブという淫らな音が耳に届く。

すっぽりと根元までくわえられ、先端を舌先でチロチロと舐め回される愛撫が私は好きだった。

苦しさを少しでも紛らわせる為に、名無しが上下運動を諦めて泣きながら舌を這わせているのが丁度私の好きなやり方と重なって、私は自分でも驚く程の欲望の高鳴りを感じていた。

「名無し…いいっ…。そのまま扱くようにして…舌を上下に這わせて…」
「あ…んむっ…。あぁん…蘭丸ぅ……」
「ん…、名無し…。そんな声…出したら…」



我慢が、効かなくなる。


文字通り我慢出来なくなった私は名無しの両足を大きく割ると、舌の愛撫は続けたままで名無しの秘部に指を二本ねじ込んだ。

「あっ…だめっ…蘭丸っ!」

名無しは慌てて体を捩ろうとしたが、私の手によって押さえ付けられているこの状況では何も抵抗出来なかった。

私の舌で完全に解れていた名無しの内部は二本の指をやすやすとくわえ込み、もっと奥へと誘うみたいに私の指を締め付けていく。

「ああ―んっ…蘭丸…イッちゃう……」

体の奥で蠢く細くて固い異物の感触に、名無しの素肌がザワッと粟立つ。

秘部の外側と内側の二ヶ所を同時に責められて、名無しはクチャクチャッという淫らな水音の響く部屋の中で絶頂感を極めようとしていた。


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