異次元 【略奪遊戯】 「…いい…。すごく気持ちいい…名無しさん」 熱を帯びた眼差しでうっとりと名無しを見つめながら、半兵衛が掠れた声で漏らす。 「良い締まり具合してる。……最高だよ……」 トロトロに溶けきった名無しの内壁は、男の分身がジュブジュブと膣内を出入りする度に嬉しそうにキュウキュウと締め付けていた。 濡れた粘膜がすっぽりと男根を包み込むその絡まり具合が絶妙で、締め付けがきつくて、腰が溶けていきそうなくらいに気持ち良くて、半兵衛は眉間に皺を寄せながら途切れ途切れに囁く。 「ああーん…きついのぉ…。太いの…奥に当たって……」 「ああ…。俺も気持ちいいよ。名無しさんの中がすっごいひくひくして、俺に絡み付いてくる」 半兵衛は腰を突き出し、名無しの膣の上の壁をグリグリと擦りつけた。 グチャグチャと淫らな音がして、繋がった部分からとろとろに溶けていってしまいそうな甘美な疼きに、名無しは知らずに腰が動いてしまう。 「いやぁぁ…ぐちゅぐちゅして音やらしいの……。あっ…だめ…半兵衛殿…そんなにしちゃだめですぅ……」 名無しが喘ぎながら訴えても、半兵衛はやめない。 肉壺の奥深くまで一気に貫かれたかと思うとギリギリまで引き抜かれ、また一気に貫かれるという半兵衛の腰の動きに翻弄され、名無しは泣きじゃくってしまった。 「半兵衛殿…あっ…だめ…あん…」 「だめしか言えないワガママなお口は塞いじゃうよ」 半兵衛は少し笑いながらそう言って、名無しの唇を激しく覆う。 親愛の情や友情のそれではない、本気のキス。 「んっ…んんっ…あっ…、は…っ」 男の熱い舌がすぐさま名無しの口腔内にねじ込まれ、感じやすい粘膜を縦横無尽に犯していく。 半兵衛が名無しの舌を絡め取り、唇で挟み、吸い上げていくうちにどちらのとも分からぬ唾液が溢れ出し、二人の唇が淫らな輝きで濡れる。 「んんっ…、あ……っ」 喘ぎ声を男の唇で封じられた名無しの体内では行き場を失った快楽が渦巻き、ディープキスの刺激に連動してキュウッと伸縮した内壁が、くわえ込んでいる男根を余計に締め付けた。 すると半兵衛は何かを堪えるような色っぽい顔をして、掠れた声で名無しを窘める。 「……っ。悪い子だね……。緩めなさいって…、少し……」 「ああーん…半兵衛殿…だってぇぇ…」 白くて妖艶な名無しの肢体が、男の上で淫靡に揺らめいている。 その光景に、半兵衛は自分の中に長い間眠っていた征服欲や独占欲といった感情がムクムクと鎌首をもたげてくるのを感じた。 人間でも、物でも、何でも。特定のモノに執着するのは悪しき事である いついかなる時も常に沈着冷静で、その場に応じて完全に気持ちを切り替え、感情に流されない判断を求められる軍師という職業に就いている半兵衛は、己の職業倫理という観点からそういった考えを持っていた。 その為、プライベートでも決まった相手は作らず、あえてその場限りの恋愛を楽しんでいる節があった。 肉体関係を持った相手に対しても別段執着する事はなかったし、そこまで及ばず、ただ一緒に食事を食べたり遊ぶだけの繋がりにまで広げれば半兵衛は真の意味で広く浅い′友関係を楽しんでいた。 しかし、色っぽくて悩ましい名無しの姿を見ていると、半兵衛は彼女の首に鎖を付けて自分の部屋に繋いでおきたいような願望を抱いた。 初めて抱いた名無しが半兵衛の予想以上に素晴らしく淫靡で淫乱で、まるで男に抱かれる為に作られているかのような彼女の肉体に興味をそそられたのも理由の一つだが、ただの肉欲だけでそう思った訳ではない。 普段、熱心に仕事に励み、穏やかで優しい笑みを浮かべている彼女の性格が割と好みであること。情事の際の淫らで破廉恥な名無しの姿も好みであること。そのギャップがとても好みであること。 自分の予想を毎回心地良く裏切る、名無しの行動の読めなさ具合が好みであること。 そして何よりも、彼女に群がる他の男の存在が自分にとってさらに彼女の価値を高め、他人の物を奪い取るというスリリングなときめきと興奮を与えてくれることの全てが複合した結果だった。 (本気で────気に入っちゃった) それは、興味深い観察対象を見つけた時のような喜びと感動である。 一度だけではなく、この女を自分の物にしたい。 もっと名無しに色々な事をして、名無しという人間について徹底的に調べ尽くしたい。 気が済むまで名無しの身も心も弄り倒し、搾り取った血の一滴に至るまでその全てを己の好奇心と知識欲のエサにしたい。 完全に自分の虜にして、名無しがボロボロに朽ち果てるまで─────飽きるまで好きなようにしたい。 「ああん…ああーん…すごい…イッちゃう……」 名無しの濡れた唇から、悩ましい喘ぎ声が漏れる。 「いい声」 名無しの唇をペロリと舐め取りながら半兵衛が思わず唸るほど、名無しは妖艶で色香に満ちた鳴き声を上げていた。 「段々早くするよ。中に欲しくなったらおねだりして?」 「ひっく……、そんなぁぁ……」 名無しと視線が絡み合う度、半兵衛は囁きをくれる。 名無しが思わず両目に一杯涙を浮かべてしまうような、羞恥心を煽る、いやらしい言葉を。 パチュッ。 グチャグチャッ。 ジュブッ。 グチュッ。 名無しの中を激しく突き上げて、わざと淫靡な音を立てて、半兵衛は名無しを恥辱と快楽の海の中に突き落とす。 「あん…あああ…いい…もっと……」 「可愛いよ、名無しさん……。もっと感じて…もっと悶えて…俺の為に泣いて……よがり狂って……」 「あぁぁぁ…だめぇぇ…もう……。イクの…、いやぁぁ…イッちゃう……」 半兵衛は名無しの頬にチュッと口付けしながら、パンパンに張り詰めたカリの部分で彼女の内壁を抉る。 「ねえ、言って。早く俺のが一杯欲しいって……。好きだよ…名無しさん。他の男なんかさっさと捨てて俺と一緒になろう?」 グシュグシュッと淫らな水音を立てるようにして名無しの中を貫きながら、半兵衛が名無しの耳元で囁く。 名無しに告げた口説き文句そのものは彼が捨てた人妻をたらし込んだ時のものと似ていたが、名無しを見つめる半兵衛の視線は他のどの女に向ける時よりも熱く、挑戦的だった。 「言ってくれたら俺の全部……何もかもが名無しさんのものだよ」 「……あ……っ……」 人形のように整った美貌で、媚薬のように魅惑的な視線と声で口説かれて、あまりの甘ったるさに名無しの頬から一筋の涙が零れ落ちる。 ドクン。ドクン。 隙間なくピッタリと合わさった結合部、そして抱き合った胸から伝わる鼓動が名無しの官能を一層高めていく。 [TOP] ×
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