異次元 | ナノ


異次元 
【略奪遊戯】
 




「だめだよ、名無しさん。今日は最後までする気はないって言ったでしょ?」
「だってぇ…欲しくて…熱くて…もう…」
「だめ。我慢しなさい」
「…う…ぇっ…。半兵衛、殿…っ」
「もっと俺の事考えて、考えて、俺の事を思い出して、夜も一人で慰めて…気が狂いそうになるといいよ。俺の気が向いたら、2〜3ヶ月後くらいに抱いてあげてもいいからさ」
「あああ…ひどい…そんなぁ……」

名無しはギュッと足を閉じ、込み上げる欲望と必死に戦いながら、涙を流して懇願した。

半兵衛が名無しに触れたのは、あくまでも表面上の部分だけだった。

最も刺激して欲しい再奥の部分を放置され、半兵衛によって身を焦がすほどにジリジリと焦らされていた名無しは限界を迎える。

こんな状態で彼に放っておかれてしまったら、数ヶ月後と言われずとも、今の時点で気が狂ってしまいそうだった。

「ひっく…。ど、どうしたら…、半兵衛殿に触って貰えますか…?」
「……っ。だめ。そ、そんな風に可愛く言ってもだーめっ!」

このまま食べてしまいたいくらいに可愛くて健気な名無しの言葉は、半兵衛の理性と性欲を激しく揺さぶっていた。

「俺、帰るから。また今度ね」

半兵衛の少し冷たい口調に、名無しは喉をゴクンッと鳴らした。

「半兵衛殿……」

縋るような視線を男に注ぎ、名無しが呟く。

「本当に、帰っちゃうんですか…?」
「……っ」
「もう…本当に…熱いの…。中が熱くてジンジンして…ぎゅうってして…」
「…名無しさん…」
「お願い…半兵衛殿…。半兵衛殿の好きにして…一杯されたいの…お願いします……っ」

ポロポロッと涙を零し、震えながら名無しが見上げる。

うるうると潤んだ彼女の瞳と甘い囁きは半兵衛の男心にクリティカルヒットし、半兵衛は頭の天辺から爪先まで一気に電流が流れるような衝撃を受けた。

ズキンッと、痛いほどに張り詰めていた己自身がさらなる熱と欲望で充血していく。


「あ─────っ、も─────っ!」
「……!!」


聞き覚えのある台詞をもう一度吐きながら、半兵衛が大きく溜息を漏らす。

名無しを見ている内に欲望の炎がどんどん燃え上がり、半兵衛は自分でもコントロールできないくらいの興奮を覚えていた。

早く、名無しの中を貫きたい。

何度も何度も突っ込んで、名無しを思い切り泣かせたい。

そんな欲望がもはや自分自身でも抑えられないレベルまで達している事に、半兵衛は内心激しく動揺していた。



……くっそ────!!



「……いいよ。おいで」

一旦火が点いてしまったらしょうがない。

立ち上がりかけていたのを止めて、半兵衛は座布団の上に座り直すと名無しに向かって手を伸ばす。

その行為に誘われるようにして名無しがおずおずと男に手を差し伸べると、半兵衛は名無しの手首を掴んでグイッと引っ張り、自分の膝の上に跨るような形で彼女を座らせる。

「でも…本当にいいの?名無しさん」

名無しの腰に腕を回してギュッと抱き締め、半兵衛は上目遣いの視線を送ってくる。


「今から俺にハマっちゃうよ」
「……っ、ぁ……っ」


悪戯っぽい笑みを浮かべて、自信たっぷりに言い切る美しい男の妖艶な瞳から、名無しは目が離せない。

優しさと意地悪が同居する上に破廉恥な男を責めるようにして名無しも見返すが、熱っぽく潤んだ瞳では男を余計に欲情させるだけ。

「だめだよ、そんなに可愛い顔しちゃ。余計に俺の意地悪度が増すだけだから」

それとも意地悪される方が好き?と名無しの耳元で囁くと、半兵衛は名無しの太股を左右に割り開き、大きく足を開かせた。

そして彼女の腰を掴んで引き下ろし、濡れそぼった彼女の中心にいきり立った肉棒をあてがう。

「あっ…」

グチャリ。

粘膜と粘膜がこすれあい、互いの体液が混ざり合って出来る湿った音を聞くだけで、名無しは期待感で涙が滲みそうになる。

充血しきった内壁や襞がもうこれ以上は我慢出来ないとばかりに男の先端を包み込み、一刻も早く奥深くに入れて欲しいと催促するように妖しく蠢く。

「ちゃんと見て。名無しさんが誘ったんだから。これが欲しかったんでしょ?」

指で名無しの襞をグニュッと広げ、繋がろうとする互いの性器をわざと名無しに見せつけるようにしながら半兵衛が言う。

「あっ…あっ…ああっ」

固くて反り返った男の男根は愛液を垂らす名無しの入り口を確かめるように何度か突くと、メリメリッと襞を押し開きながら亀頭の部分を名無しの中に埋め込んでいく。

「あっ…あぁぁぁ……」

グチャグチャに濡れている秘部の中に、何か巨大な物体が入ってくる。

「い、いやぁぁぁ…。大きいの…中が…壊れちゃ……っ」

名無しは、半兵衛の分身を半分まで飲み込んで、震える唇で息を吐きながら訴えた。

欲しかったのは、事実。

けれど、挿入時の違和感だけはどうしても拭えず、スブズブッ、と体内に侵入する異物の感触に目尻から涙を滲ませてしまう。

だが半兵衛はこんな事では満足しなかった。

名無しの奥の奥まで、自分の根本まできっちり挿入して、名無しの穴を完全に塞ぐ形まで埋め込みたい。

舌や指では届かない名無しの奥深くまで突っ込んで、名無しの全てを自分の物で奪い尽くしてやりたいのだ。

「力抜いて。まだ入るから」
「あぁぁぁ…そんなぁぁぁ…」

涙を流す名無しに逃げる余裕など与えず、半兵衛は残っている半分を一気に名無しの中にねじ込んだ。

「あぁぁぁ────っ」

ズンッと、体の奥に熱い物が突き当たった感じがして、名無しはどうにかなってしまいそうな快感に翻弄されていた。

固く充実しきった男の肉が膣の中で抉るようにズン!ズン!と突き上げる度、名無しの腰はピクピクッと小刻みに震え、目眩がするほどの強烈な快感が彼女を襲う。

「ほら…、見て…。俺が出たり入ったりしてるの。名無しさんにも見える?」
「あぁぁ…半兵衛殿お願いっ。そんな事…恥ずかしいから言わないでぇ……」

半兵衛は名無しの体を少し離し、言葉で名無しの視線を誘って故意に結合部を見せようとする。

すっかり衣服がはだけてしまった名無しは男に突き上げられる度に滴るような喘ぎ声を上げながら、淫らに仰け反っていた。

太い蛇のように体内でヌルヌルと蠢く男の肉棒の感触に酔い痴れてしまって、上手く呼吸すら出来ない。


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