異次元 | ナノ


異次元 
【頂点捕食者】
 




「あ…あっ…だめ…清正……」

深夜の豊臣城の一室で、名無しの悩ましい声が響いていた。

すでに下着姿にされていた名無しは、夢の中と同じように白いシーツの上で体をくねらせ、清正の下で身悶えている。

「や…あ、そこ…。ああん…弄っちゃだめぇぇ……」

名無しは、もうずっと清正の指で乳首を弄ばれていた。

名無しの乳首は清正の執拗で濃厚な愛撫を受け続け、ツンッと尖ってその存在を示すようになっていた。

硬く立ち上がった乳首はほんのりと赤く充血していて、とても色っぽくて愛らしい。

「名無しはここを弄られるのが好きなんだよな」

清正は長い指で名無しの乳首を挟んでクニクニと動かしたり、時々その先端を摘んで捻るような動きをした。

「あっ…あっ…こりこりしちゃいやぁぁ…。太股も…あん…ぞくってしちゃ…っ」

名無しの唾液で濡れた唇からは、清正の行為をなんとかして制止しようとする鳴き声が発せられている。

しかし、そんな名無しのか弱い懇願など、清正にとって何の意味も持たない。

「名無しは全身感じやすいんだな。見てるだけで旨そうだ。……全身舐め回してやりたいぜ」

清正はそう言いながらもう片方の手で名無しの内腿をゆっくりと撫で、徐々にその手を移動させながら股間や下腹部辺りもくすぐるように撫でていく。

「やぁ…あっ…」

清正の爪先が、名無しの乳首をツンッと弾いた。

乳首を弄るだけではなく、大きな手で乳房全体を包み込み、強弱を付けてゆっくりと揉んでいく。

「い、いや…ぁ…清正ぁぁ…」

名無しの唇は『いや』という言葉を発しているが、その声は決して本心から嫌がっているようなものではなかった。

むしろもっと触って欲しいとでも言うような、おねだりするような甘い声。

「…可愛い…。名無し…」
「奥が…溶けちゃう…ぎゅうぎゅうして…あああ…」

名無しの蕩けきった瞳からは、幾筋もの涙が零れ落ちていた。

清正は名無しの頬に舌を這わせて涙の滴を舐め取ると、長い指を名無しの濡れた唇に添える。

「名無し…舐めろ」
「…ん、ふ…っ」
「フェラする時みたいに、俺の指を舐めるんだ。舌を絡ませながら、唾液を沢山付けて…」
「は…んむっ…。あ…耳は…だめ…んんっ…」

名無しの口腔内に指を押し込みながら、清正は名無しの耳をぺろっと舐める。

口と耳という二つの穴を同時に塞がれた苦しさともどかしさに、名無しは両目一杯涙を溜めながら、清正に言われた通り彼の指に舌を絡めようと努力した。

すると、清正が名無しの耳元でボソボソッと呟く。

「────…!!」

その言葉を聞いた名無しは、全身にビリビリッと強い電流が走ったように体を跳ねさせた。

名無しの両目にジワリと涙が溜まり、彼女の口から漏れる吐息と男を見上げる表情がより悩ましさを増していく。

俺のだと思ってしっかりくわえろ、名無し
バキバキに硬くなった俺のが名無しの中に入ってくるのを想像しながら、指の腹をお前の気持ちいい所に当ててみな

「ひっ…んっ…んくっ…」

耳元で囁かれた清正の甘い声と言葉の卑猥さを思い出し、名無しの白い内股がぶるりと震える。

清正が名無しの口の中で硬い指をズボズボと抜き差しする度、本当に自分の膣内で清正の物が動いているような感覚を抱いてしまい、名無しは無意識の内に腰をくねらせていた。

「はぁ…ん……っ」

迫り来る不可思議な快楽から逃れようとして名無しは涙ながらに首を振ったが、清正はそれを許さなかった。

名無しを解放するどころかより一層激しく彼女の口の中で指を動かし、温かい粘膜をグチュグチュと擦り上げていく。

(はあ…あ…ああ…。清正…だめ…イッちゃう……!)

男のモノを直接受け入れている時とはまた違った種類の快感が、名無しの体内を駆け抜ける。

とどめとばかりにズブリ、と清正の濡れた舌先が名無しの耳の穴にねじ込まれた瞬間、名無しはの興奮と快感は頂点に達した。

「んん────っ!」

ビクビクッと何度も腰を跳ねさせて、名無しが淫らにイキ果てる。

敏感な部分を触られていたという訳でもないのに、名無しは指フェラだけでイッてしまった。口腔内への愛撫だけで。

その一部始終を情欲に濡れた眼差しでずっと観察していた清正は、満足そうに眼を細めた。


(─────やっぱりな)


三成と名無しの情事を目撃して以来、清正は名無しに対してひょっとして男に責められるのが好きなタイプではなかろうか≠ニいう考えを抱いていた。

三成に酷く扱われ、S男の煽りを受けてあんなに身も世もないくらいに身悶えていた名無しの姿から想像するに、直接的な刺激以外にも言葉責めや妄想トークも効果がありそうだと思っていたが、こんなに容易く追い詰めてやれるとは思わなかった。

その予想が当たっているかどうかを確かめる為に今まで散々夢の中でも脳内シュミレーションしてきた清正だが、やはり夢と現実では色々な意味で全然違う。

自分の声と言葉に敏感に反応し、ポロポロと玉のような涙を流しながら、妖艶に腰をくねらせて喘ぐ名無しの姿。

清正はそんな名無しが可愛く思えて、愛しくて、このまま思い切り名無しの中にいきり立った己の分身を突き立てる事が出来たらどんなにいいだろうかと思っていた。

だがそんな事をしたら、名無しの秘部はすぐに壊れてしまうだろう。

何の準備もなしに名無しの膣に挿入するには自分の男根は太く逞しすぎるという事を、清正は過去の女性経験から身をもって知っていた。

「あん…あああ…清正ぁ……」

イッた直後でぼんやりと焦点が定まらないまま、名無しの濡れた瞳が清正を見る。

欲情した名無しはもう、自分が今どこで何をしているのかという感覚が麻痺し始めていた。

恐怖や戸惑いよりも先に、体が快感を欲しているのだ。


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