「男はここを触られると興奮して大きくなる、そして射精する」

「しゃ…せい…?」

「学校で習わなかったか?精子を出すってことだ…ほら」

そう言ってキリハは口を開いてタイキに口内を見せてやった
そこにはまだ飲み込んでいなかったタイキの白濁液が絡みついていた

「白い?…おしっこじゃない」

「これがお前の出した精液だ、わかったか」

キリハの問いに反射的にタイキはコクンと頷いた

だが実際疑問は沢山残る、何でそんな物を口の中に入れるのか
そもそも何故こんな行為をされているのか

今のタイキは完全に冷静さを失って混乱していた

「で…でも、おかしいよっ!…やっぱり汚いって!は、早く吐き出せよそれっ!」

だがキリハはタイキの言葉に反して、ゴクリとそれを飲み込んだ
喉が鳴る音を聞いたタイキは絶望的な表情になった

「な…んで」

「他の奴のは絶対しない…だがお前のなら平気だ」

「なっ…んぅっ!」

だから何で?
そう言おうとしたタイキの口をキリハは自分の唇で塞いだ
キリハの唇にタイキの先走りが付着していたのか青臭さにタイキは顔をしかめた

しばらくして、キリハはすぐに唇を離したのだがタイキにはもの凄く長い時が経ったかのように思えた

(いま…キリハが…おれに…キス…した?)

幼い頃、幼なじみのアカリとしたかもしれないそれを同性のキリハからされた
でも幼い時の記憶からアカリとしたそれとは違うような気がした

「すまん…俺は…お前が、好きなんだ」

キリハはタイキの両肩を掴み、目をしっかりと合わせて諭すように語り出す

「勿論お前の才能、力量を買って俺の片腕になって欲しい、だがそれとは別の意味でお前が欲しい、お前を放したくない…だから!」

「…」

キリハの突然の告白にタイキは言葉を失った
始めはキリハの言葉にただ驚愕していたのだが、段々それは沸々と怒りに変わっていった

「…じゃあっ!何でそれをっ…最初に言わないんだよっ…!何もわかんないでこんなことされて…おれ…おれ…っ!」

タイキはくしゃくしゃの顔で憤りをキリハにぶつけた
その頬には今日何回流したかわからない涙が幾度もつたっていた

「すまない…お前が、他の奴を気にかけて…俺を見ようとしない状況が…耐えられなかったんだ」

「っ…キリハ…」

「嫉妬したんだ他の奴に…俺を…俺だけを見て欲しかった」
キリハは切羽詰まった声色で訴えかけるように語った
タイキの瞳にその表情はどこか痛々しく悲しげにうつった

(なんだよ…泣きたい思いしてるのはこっちの方なのに…何でお前の方が泣きそうな顔してるんだよ…)
タイキの瞳が揺れた

キリハには酷いことをされた
無理矢理知らない場所に連れていかれ、縛られ理不尽なことばかりされ…性的なこともされた
だが、タイキは今真剣に自分への想いを伝えてきたこの男を…完全に拒絶出来ない
彼がほっとけないのだ

タイキは途切れ途切れの言葉を一生懸命繋いで、気持ちを伝える

「…お前の気持ちは分かった…けど、まだ…どう答えたらいいか、わからない…」

「…!」

キリハは驚愕して目を見開いた

「悪い、今さ…色んなことがありすぎて…頭と気持ちの整理がつかないんだ…」

「…」

「お前にはひどいことされたし、お前滅茶苦茶だし…お前の配下にもなりたくないけど…でも、お前のこと、嫌いに、なれないんだ…そんな顔されたらほっとけないよ…」
「…タイキっ」

少し照れたような表情でうつむくタイキをキリハは抱きしめた

タイキは今度は抵抗することなくそれを受け入れた

「そんなお前だから…俺のものにしたくなる」

「ん…俺はものじゃないって…」

「ああ…そうだな…タイキ…続き、してもいいか…?」

「続き…今までのか?」
「ああ…お前と一つになりたい」

「は…!?」

タイキの頭の上に沢山の?マークが浮かんだ
今までの行為の続きとは何か?一つになるとはどういうことか?
「お…お前と…デジクロスするのか?」

「ハァ……タイキ…お前…俺と同年代じゃなかったのか…?」

キリハはタイキの突拍子ない発言に、大層呆れた調子で溜め息を吐いた

「えっと…俺中1だけど」

「俺もだ…まあ男同士だから仕方ないか…」

「そっそうだっ!普通男同士であんなことしないよ!俺は嫌がらせだと思ったんだからな!」

まくしたてるタイキにキリハは真剣な表情で否定した

「苛めや嫌がらせでやった訳じゃない…好きなお前の…乱れる姿が見たかっただけなんだ…」

「う、うーん…えーと…じゃあキリハは俺のえっちな姿が見たかったからあんなことしたのか…?」

「………すまない」

「…はぁーあー…」俯き目を反らし、静かに謝罪の言葉を呟いたキリハの頬は少し赤らんでいた
それを見たタイキは呆れて深い溜め息をついた

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