「で、一つになるって?」

「…は?」

「だーかーら!具体的にどうすんのかって!」

「…いいのか!?」

「内容による!」

期待を膨らませるキリハに対し、きっぱりとタイキは言い放った
…早くもタイキが持ち直して、何やら先程と立場が逆転しているような気がするが、それもタイキの数多くあるカリスマ性の一つ…なんだろうか

「…端的に分かりやすく言うと…お前のココに俺のコレを挿れる」

タイキの後ろのすぼみと自分の窮屈そうな股関を指して説明するキリハにタイキは唖然とした

「う…嘘だろ!?…入らないって…そんなの…!」

「お前が痛くないように、出来るだけ優しくする…だから」

切ない表情でタイキを見つめるキリハの熱い視線に、タイキは無意識に戦慄いた

小学生並みの性知識しかないタイキでもここまで言われたらわかってしまう

キリハは自分に男女間で小作りのためするはずの性交渉を求めているわけだ

男同士というのは無垢なタイキには到底無縁のことであった
そういう人達がいるのかということがうっすら分かる位だ
まさか自分がその真っ只中の人間になろうとは到底想像の範疇外である

(はぁ〜…これって絶対断らないといけないとこだよなあ…)

性交渉というのは愛する男女間がするという事しか頭にないタイキである
百歩譲って同性同士ということがあってもそれはやはり愛するもの同士だろう
同情とか成り行きで許して良い行為ではないはずだ

(でも…こいつのこと、ほっとけないんだよなあ…)はぁ…アカリの言う通り、俺って本当にバカのつく程お人好し…)

タイキを見つめるキリハの眼差しは真摯で、真剣に自分のことが好きだということが伺える
そして何より
(うーん…こいつのことだからここで断ったら、また無理矢理されそうだし…)

…全く信用されてないキリハが哀れだが、今まで行ってきたことが行ってきたことなので同情の余地がない

案の定タイキのお人好しは人知を超えていた

「…いいよ、やっぱりお前のことほっとけないもん」

「!…本当か!?」

「ただし!俺が本気で止めろって言ったら止めろよ?…あとさ」

「?」

「これ外してくれるか?…もう逃げないからさ」

タイキがそう言って目線を配らせたのは、今までタイキと木を縛りつけていた縄であった

「ああ…わかった」



「はっ…あ…んぅ…」

「可愛いぞ…タイキ」

「うれしくっ…なっ…い!いっ…ましゃべ…なっ…てぇ…っあぁっ…!」

タイキは先程と同様キリハに自分自身を舐られていた

先程と異なった点はタイキが仰向けで横たわりその上にキリハが覆い被さっていること、その行為が無理矢理ではないこと、拘束されていたタイキの右手が自分の股座にあるさらさらしたキリハの頭髪をかき乱していることだ

場所はキリハが塒にしているという洞穴に移動した
ちなみに腰が抜けて立てなかったタイキをキリハが横抱きで此処まで運んできた(タイキは全力で嫌がったが、キリハは上機嫌でタイキを運んだ)
一応背中が痛くならないようにとキリハのジャケットとタイキの上着を下敷きにして事に及んでいる(キリハの服は土で汚れるがそこはお互い様だ)

キリハのジャケットの上のタイキは、下半身の破れた衣服を全て剥ぎ取られ、Tシャツのみを身につけ腹をまくられた状態だ

キリハに露出した下半身を弄ばれ、恍惚としたタイキの表情は、少年としての幼さと淫らな表情のアンバランスさが扇情的であった


ふいにキリハの舌が中心を離れタイキの尻のすぼみを舐め上げる

「ひゃんっ…!なっ…!?…何してっ…汚いだろ…!」排泄でしか使われないと思っていた秘部をいきなり舐められてタイキは短い悲鳴をあげた

「ここに挿れると言っただろう?…しっかり馴らさないと後々辛いと思うぞ」

「うぅう〜…!」

さも当然と言ったような口を利くキリハにタイキは羞恥で頬を赤らめ言葉にならない抗議の声をあげた

「…ならタイキ、ココの中に舌を入れて舐められるのと指を入れられるの…どっちがマシだ?」

「は!?」

「選ばせてやると言ってるんだ、どっちだ」

むくれるタイキを愛らしいと感じつつ、キリハは究極の選択を投げかけてきた
どちらも嫌に決まっている

どちらもタイキにとっては非常に恥ずかしいことである
しかし強いて言うなら…尻の穴を近距離で観察され自分の一番汚い所を舐められる方がやはり恥ずかしいかもしれない
今も恥ずかしすぎて穴があったら入った後、そのまま埋まりたい程である

「それが嫌なら自分で慣らすか」

「!ゆ…指…っ」

「……わかった、タイキ」

「?」

「俺の指を舐めてくれるか」

「…は!?」

「ここにはローションがない、タイキの中で俺の指が滑りやすくなるには充分な湿潤が必要だ…それがないと馴らす所か痛いだけだぞ」

タイキは青冷めた

出来れば自分の中に異物が侵入する手助けなんてしたくないし、痛いのも嫌だ

だが行為を許したのは自分だ
今更逃げる訳にはいかないし逃げたくはない
どうせやるなら痛いのは勘弁してもらいたい

タイキの決断力がこんな所でも炸裂してしまった

「…はやく、手…だせよ」

目線を反らして恥ずかしそうに呟くタイキに、キリハは黙って右手をタイキの口元に差し出した
タイキはキリハの手をとり、指におずおずと口をつけて、それをペロペロと舐めだした
その舌つきはどこか遠慮がちで、子猫がミルクを飲む為にピチャピチャ舐めるような愛らしいものだったが、状況のせいかひどく官能的だったたどたどしい舌つきで一生懸命キリハの指を舐めるタイキにキリハは興奮し、タイキの口を割って口内に指をさし入れ、口腔内をぐちゃぐちゃにかき乱した

「ふぁっ…ひゃらあぁぁっ…ふゃあぁああんっ…!」

「お前が煽ったんだ…タイキ!」

「ひゃっひぇひゃあぁああぁ!」

敏感な口腔粘膜をバラバラと数本の指で刺激され、タイキの口元からはおびただしい唾液が零れ落ちていた
この行為にも感じているのか頬は紅潮し、その双眸は快感から起こる生理的な涙を流し、虚ろで焦点があっていない

そんなタイキの淫靡な表情を見てキリハの理性はぶちぶちと音を立てて切れていった
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