大泣きしている長曾我部軍の兵士に少々罪悪感を覚えつつも闘技場を後にします。奥に進む度に増える敵兵。あちら側も必死なのでしょう。いや、こっちも必死なんですよ。敵の攻撃をよけつつ元就様の攻撃もよけなければならないのですから。どうして味方の攻撃まで避けなければいけないのか、不思議です。元就様がもうちょっと周りに気を使ってくださればいいのですが、そんな事は口が裂けても言ません。しかも元就様、不機嫌になられているようで。

「毛利ー!!お前なんかアニキの「失せろ」

「ギャーーー!!!」

言ってる最中に斬った!!ちょ、いくら雑兵だからって可哀相じゃないですか!!せめて最後まで言わせてあげて!!と、申しあげたいところですがごめんなさい。私も立場弱いんで無理です。許してくれ名もなき雑兵よ。

「アリンコのようにワラワラと煩わしい!!!!」

よっぽどイライラしていたのか斬りかかってきた兵を殴り倒して(原始的!!)これでもか、ってぐらい踏みつけております。鬼が居る、西海の鬼より恐ろしい鬼が居る!!機嫌悪すぎ!!ヤバイ、こっちに八つ当たりが来る!!そうなると例え失敗などをしていなくても問答無用で斬りつけてくるんですよ。なんて理不尽!!アンタ部下を何だと思って…捨て駒か!!!

「よかろう、我が直々に相手をしてやる!!来いやァ!!!」

何か最後だけ性格変わってません!?元就様の挑発に乗ってしまった長曾我部の兵が襲いかかります。毛利軍は哀れみながらそれを見てます。元就様は輪刀を二つに分解するとヒュンヒュン、と音が鳴るぐらい高速回転させます。勇敢(というより無謀)にも長曾我部軍は突っ込んできて、切り刻まれております。一度はまると抜け出せません。みじん切りをするが如く切り刻んでから空中へと打ち上げます。元就様って飛ばすの好きですね。

「散れ!!」

まさに阿鼻叫喚!!死屍累々!!地獄絵図!!!この状況は私の貧相な語彙では表しきれません。毛利軍、見てられません。私としては元就様の仰け反り具合が恐くて直視できません。毎回思うのですが背骨は痛まないのでしょうか。ていうか、気持ちわ(ry

「#椿、何をしている貴様も戦え!!」

「はぁ!?」

「大将自ら戦っているというのに貴様は高身の見物か!!」

元就様がいきなり振り向いたのでビビりました。な、なんで今回に限ってそんなことを言い出すの…!!!参戦したら確実に巻き込まれる!!!そんなの嫌!!けど、こんなこと言ったらどちらにしろ斬られます。やんわりと、かつ、元就様を刺激しないよう慎重に言葉を選びます。

「私如きでは元就様の足を引っ張ります故、後方に控えておりまする」

「ただ単に戦いたくないだけだろう」

「(バレた!!)」

「貴様ァ、その性根を叩き直してくれようぞ!!」

戦いたく(巻き込まれたく)ないという私の心情を見破った元就様は機嫌を損ねたようで、あろうことか、「烈」の技をしたままこちらに移動して来ます。人間の動きとは思えません。その間にも敵、味方関係なし吹き飛ばしており、進行方向にいる兵達は逃げ惑います。いくら主とはいえ恐すぎる!!目標物の私が逃げてしまえば被害は拡大するのはわかっているのですが、今の元就様を相手にするのは大変危険です。反ったまま走れるってどういうことですか!人間技じゃないです!あれ、私は人間に仕えてるんじゃないの!?

「逃げるなァァ!!」

「元就様が止まれば私も止まります!!!うわァァ!!!!!」



この人についてって大丈夫か、と疑問を抱く毛利軍でした。





「裂」の仰け反り具合が半端無いです。自軍の被害も半端無いです





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