「お姉ちゃん!」

「千鶴!?どうしたの三年の教室までくるなんて」

「お弁当忘れてたから届けにきたよ」

「わざわざ来てくれたの?なんて優しい子…嬉しすぎて涙出てきた!」

「大袈裟だよ」

「大袈裟なんかじゃないですー。あ、そうだ。メールしようと思ってたんだけど、千鶴が行きたがってたケーキ屋さん今日行かない?薫も一緒にさ」

「私はいいけど薫、一緒に来てくれるかな」

「大丈夫、大丈夫!!千鶴が薫と行きたがってた、って言えば必ず来るから」

「そうなの…?」

「そう!もし断ってもお姉ちゃんが無理矢理連れてくから!!」

「いいのかなそれ」

「問題ないさ!!じゃ、放課後になったら迎えに行くから待っててね」

「わかった。放課後、楽しみにしてるね」

「私も!!またあとでね千鶴!!」





「うわー。デレデレ」

「当たり前じゃない。だっていつ見ても千鶴は可愛いもん。沖田に斉藤見て見て。千鶴の手作りだよ。愛妻弁当ならぬ愛妹弁当。言っとくけど見るだけだからね。米粒一粒たりとてあげないから」

「わかってるから何度も言うな。お前のそれは病気だな」

「自覚してるからいいのよ」

「何にもよくないね。むしろ問題だよ」

「姉が妹を愛でて何が悪いの。うちは妹だけじゃなくて弟も可愛いけどね!!」

「弟というと南雲か」

「ああ。そういえば彼も兄弟だったね。『姉貴、気持ち悪い』とか言ってそう」

「よく言われるけど、それは薫なりの愛情表現だってお姉ちゃんわかってるから!!ツンデレだもんね薫!!そんなとこも可愛いよ!!」

「多分、それは本音だ」

「いいんじゃないの?本人は幸せそうだし。本当、妹と弟が関わるとぶっ飛んだ性格になるよね。千鶴ちゃん見習っておしとやかになればいいのに。そうすれば少しは可愛いよ」

「可愛い担当は千鶴と薫だから私はこれでいいんですぅー。ね、斉藤もそう思うでしょう?」

「そのままでも充分可愛いと思うが」

「「はっ?」」

「何だその反応は」

「斉藤。無理にフォローしなくてもいいよ」

「一君。この子は双子の写メを待ち受けにして、それ見てにやにやしてるような子だよ。正直気持ち悪いよね」

「あんたはもうちょっと気をつかいなさい」

「多少度を越してはいるが、家族を大切にするのはいいことだ。それにくるくる表情が変わるのは見てて飽きないし、可愛い」

「真顔で言うのはやめて!!なんか居たたまれなくなる!!」

「一君の天然タラシー。ま、今の顔を真っ赤にして動揺してるこの子は可愛いと思うけどね」

「なっ!!沖田まで!!いやいやいや。ないから、絶対ないから!!可愛いのは千鶴と薫だから!!」

「(あれって可愛いとか言われ慣れてないから照れてるんだよね?)」

「(恐らくはそうだ)」

「「(可愛いな)」」





その友人






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