「………何をしてる」

「あ、おかえりなさい!!どう?大人っぽいでしょう」

「化粧が濃くなっただけじゃねぇか。ハロウィンの仮装の練習か?」

「どういう意味よ!!」

「化けも「言うな!!!彼女にたいして酷くない!?」

「言われたくないなら変な行動は控えろ」

「へ、変って…」

「露出が多い服を来てみたり、下手な色仕掛けしてみたり、化粧濃くしてみたり…明らかにおかしいだろう」

「何よ!!彼女が彼氏のために努力してるのにその言い草はないんじゃないの!?」

「お前のはただの背伸びだろう。ガキが」

「そのっ、ガキに手を出したのはどこの馬鹿よ!三十路のくせに!!」

「まだぎりぎり二十代だ!!」

「そういう話ししてんじゃない!!」

「ちっ…なんだってそんな奇行に走ってんだ。何があったんだよ?」

「………この前、小十郎のマンションに来た時「ちょっと待て。この前っていつだ」

「ちょうど一ヶ月前」

「お前が来た記憶はないが?」

「だって直前で帰ったもん」

「何故だ」

「綺麗なお姉さんと一緒にいたから」

「見てたのか…あれは待ち伏せされたんだ。ちゃんと断ったし、家にも入れなかった」

「知ってる」

「あ?」

「お姉さんが小十郎にしつこく付き纏ったのも、小十郎がお姉さんの手を振り払ったのも、怒ったお姉さんに張り手されたのも、全部見てた」

「なんで声をかけなかった」

「お姉さんすっごく綺麗だったから。私は小十郎と一回りも歳が離れてるから、小十郎から見たら子供でしょう。だから小十郎はそのうち飽きて、綺麗なお姉さんを選ぶんじゃないかって不安になったの」

「それでか。前にも言ったよな?俺が好きなのはお前だ、って」

「聞いたよ。聞いたけど不安になるもん」

「だったらどうすればいい?歳の差なんてどうやっても埋まらないんだ。だとしたら後はお前が俺の言葉を信じるしかないだろう」

「そんな言い方しなくても!!」

「…不安なのは自分だけだと思ってんのか」

「え?」

「お前は年上の大人な男に憧れて、それを恋と勘違いしてるだけでそのうち飽きて俺から離れていくんじゃないかって不安に思ってる」

「そんなことないよ!!私、小十郎のことちゃんと好きだよ!!」

「それは俺も同じだ。そもそもな、好きでもないやつを傍に置いとくわけないだろう。ロリコンだー、犯罪者だー、って周りからからかわれる俺の気持ちにもなってみろ」

「そ、そんなこと言われてたんだ」

「それでも俺が選ぶのはお前だ。お前以外にはありえねぇよ。誰に何を言われようが放すつもりはないから安心しろ」

「小十郎…」

「安心したか?」

「うん。ごめんね」

「別にいい。ただ、背伸びなんてすんなよ。俺が好きなのはそのままのお前なんだからよ」

「うん」





俺が想うのはお前だけだ







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