｢おう!佐吉ぃ!相変わらず辛気臭い面しやがって…目障りなんだよ!!｣

｢出合い頭に喧嘩を売る貴様の脳みそは筋肉で出来てんだろうな、市松｣

｢佐吉!いくら市松でも脳まで筋肉じゃないわ!!｣

｢ひでぇよお虎!!｣

｢はっ!!仲たがいか?醜いお前達にはぴったりだな｣

｢｢なんだとー!!｣｣


ヒュン…ゴン×3


｢｢｢ギャッ!!｣｣｣

｢喧嘩はやめなさい!!｣

｢そうだぞ。皆仲良くするよう秀吉様に言われてるだろう｣

｢紀之助…と、お前もか｣

｢だからといって物を投げることはないだろう!市松なんて目ぇ回してるぞ!!｣

｢あ、ごめん。市松に投げたの私だわ｣

｢｢｢(馬鹿力)｣｣｣

｢ごめんね。たんこぶは出来てないみたいだけど…｣(ナデナデ)

｢(やりぃー)｣

｢｢(ずるい!!)｣｣

｢ところで、三人に用事があるんだろう。言わなくていいのか?｣

｢あ、そうそう。今から薬草採りに山へ入るんだけど一緒にいかない?｣

｢なんで俺が付き合わなければならない｣

｢山に入るのがいやなだけだろう。腰抜け｣

｢なんだと!?｣

｢やーめーて!!あんまり続けるなら紀之ちゃんに怒ってもらうよ!!｣

｢｢………｣｣

｢紀之をちゃんづけする猛者はお前ぐらいだな｣

｢そう?可愛いじゃん。ねぇー｣

｢ねぇー｣

｢紀之助…｣

｢お虎のことも虎ちゃんって呼んであげようか?｣

｢やめてくれ｣

｢ふん。いいではないか、お虎ちゃん｣

｢佐吉!!てめぇ今日という今日はぜってー許さねぇ!!｣

｢お虎!!俺も手伝うぜ!!｣

｢わー!!駄目だってば!!｣

｢(喧嘩の原因作っちゃってるよ)｣



仲裁中………終了。



｢お馬鹿三人は正座!!むやみやたらに喧嘩しないの!!｣

｢俺は悪くない。悪いのは佐吉だ｣

｢黙らっしゃい!喧嘩両成敗!!お虎と市松!!一対二じゃ武士として卑怯でしょう!!佐吉は挑発しない!!｣

｢だってよぉ…｣

｢だってじゃない!大体、市松は少し乱暴すぎるの!!｣

｢考えるより先に手がでるのだろう。短絡的だな｣

｢佐吉は人を馬鹿にしたような態度をどうにかしなさい。お虎は市松や佐吉と絡まなきゃ落ち着いてていい子なんだけどねぇ｣

｢口調がおねね様みたいになってるぞ｣

｢いっそうの事、本人に説教してもらいましょうか｣

｢それはいい。三人ともおねね様には滅法弱いからな｣

｢｢｢紀之助!!(紀之!!)｣｣｣

｢あ、そういえばおねね様に薬草採ってくるように頼まれてたんだ｣

｢忘れてたのか。無責任だぞ｣

｢早くしないと怒られるな｣

｢説教されるのは俺達じゃなくてお前のほうだぜ｣

｢あ、あんたら…!こんなときばっかり結託しやがって…!!ていうか、あんた達が喧嘩するから頭からスポーンって抜けちゃったんでしょうが!!｣

｢責任転嫁か?｣

｢ムキャーーー!!｣

｢はいはい。落ち着いて。女の子がムキャーって言うのはどうかと思うよ｣

｢うぅ…｣

｢それで?佐吉達は一緒に行くのか?｣

｢俺は行かん。読みかけの書物があるからな｣

｢俺は行く｣

｢俺も!!紀之は?｣

｢勿論、同行するよ。お前達だけじゃ心配だからな｣

｢それじゃ、決て｢やっぱ俺も行く｣

｢え、だって読み｢いいから早く行くぞ。のろのろしてたら日が暮れてしまう、ほら｣

｢ちゃっかり手を繋つないでんじゃねぇよ!!｣

｢じゃ、俺はもう片っ方もーらい｣

｢あー!!ずりぃーよ紀之!!｣

｢お虎、市松。手空いてるなら籠持ってね。私塞がってるから｣





(いい加減離せ!!)(吠えるな負け犬。見苦しい)(紀之ぉー代わってくれよー)(まだ駄目ー)(あれ?どれ採ってくるように言われたんだっけ…?)