揃いも揃って真面目な面ぁしてどうしたお前ら。何かあったのか………よく見たら顔赤ぇな。酔ってるな。まぁ、今日は楽しい宴だから酔って騒ごうが構いやしねぇけど。
俺に訊きたいこと?何だよ…原田組長は惚れた女子がいらっしゃらないのですか、だって?また急だなおい。惚れた女ねぇ…慕ってくれる女は何人かいたけどな。おい、そんな目で見んなよ。正直に言っちまえばいるぜ。名は教えてやんねぇぞ。
身を乗り出すな!!男に迫られても嬉しくねぇよ。どんな人か?あー、簡単に言えば意地っ張りの強情張りだ。生真面目つーか責任感が強い、というか。一度請け負った仕事は意地でもやり通す。あと、腕っ節が強い。お前らなんか簡単に伸しちまえる。言っとくが男じゃねぇぞ、あいつはれきっとした女だからな。
意外、ってか。もっとか弱くて守ってあげたくなる女子が好みかと思ってた、ねぇ?バーカ。どんな女だろうが男は守ってやるもんだろう。
何処に惚れた、って訊くか。確かに、表面だけ見てたらあいつは一人でも生きてけそうだ。だけど実際はそんな強くないんだよ。矛盾してるって?話しは最後まで聞け。
態度に出さないからってそれが全てなわけじゃない。あいつは置いてかれたくない一心で強がってるんだけだ。脆いくせによ、全部背負い込んで絶対に人を頼らなくて…誰も知らないところで一人傷つくんだよ。俺はそんなあいつを知ってるからこそ、守ってやりてぇんだ。幸せにしてやりたいって強く思う。それに、あいつ本当はすっごく可愛いんだぜ?
………何で涙目なってんだよ。俺の心意気に惚れた?そうかいそうかい。そりゃどうも。全員泣き上戸かよ…うおっ!!だ、抱きついてくんじゃねぇよ!!男にこんなことされたって嬉しくねぇっつーの!!俺はちょっとばかし用事が出来たからお前らは大人しく呑んでろ!!
「やっかいな奴らだ…」
「左之さん」
「おっ。姿が見えねぇと思ったらこんなはじっこにいたのか。名前」
「酔っぱらいに絡まれるのは御免だ」
「その気持ち、よーくわかるぜ」
「何か用?」
「一緒に呑もうと思ってな」
「私はあまり酒が呑めないは知ってるだろう」
「お前にあわせてやるから心配するな。一人でちびちびやってたってつまんねぇだろ?」
「別に一人でも大丈夫。他の人と呑んできた方がいいんじゃないか」
「あー訂正、てーせい。俺がお前と呑みたいんだよ。それならいいだろう?」
「………わかった」
「よし。じゃ、邪魔するぜ」
「………ありがとう。左之さん」
「おう」
ほら。わかりにくいかもしれないけど、彼女は可愛くて愛すべき子なんだよ。
守ってあげたい
(お前は嫌がるだろうけど)
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左之さんはいかにもか弱くて守ってあげたいという子よりも気が強い女の子がたまに見せる弱い部分にキュンとくるタイプではないでしょうか。(俺が守ってやんねぇと)とか思いそうです。ふはは!!妄想すいません!!
お題サイトrewrite様より意地っ張りな君へ5のお題
「守ってあげたい」使用