フォーク1本にお皿が1枚とマグカップ1つ。洗剤を含ませたスポンジで表面を擦り、泡を洗い流せば美しい光沢を放つ。朝食を食べるために使った食器は少ないないから洗い物もすぐに終わった。全ての食器類を水切り籠に置いたところでスバルが入ってきた。なにも言わずに席についたので用意していたミルクティーを出すとちまちま飲み始める。学校が休みなのをいいことに惰眠を貪っていたようだ。

「おはようスバル。今日はいつにも増してお寝坊さんだな」

「寝ても寝ても寝足りねぇ…」

「シュウのダルダル病が移ったか」

「あんなやつと一緒にすんな」

いつもの暴言にもキレがない。寝不足が祟ってるのか喋るのさえ億劫といった様子である。特に予定もないし、休日だからダラダラするのも構わないけど。ところでスバル。

「寝癖酷いなお前」

「あ?どこだよ」

スバルの髪の毛は外側に向かって何ヵ所か跳ねている。きっとお風呂に入った後、ろくに乾かさずに寝たのだろう。気づいてなかったらしい。直そうとしているが、検討違いのとこを触っている。

「そこじゃないこっち」

「こっちってどっちだよ」

「直してあげるからおとなしくしてろ」

スバルの後ろに回って髪を撫で付けるがまったく直らない。スバルに似て頑固な寝癖だこと。

「なかなか直らないな。髪乾かさないで寝たでしょう」

「………」

「ちょっと、スバル?」

急に静かになったので不思議に思って覗きこむとスバルはうとうとしている。

「寝るなら棺桶に行きなさいよ」

「いいから、撫でてろ」

「はぁ…」

言われた通りにしてると腕と足を組んで下を向いたまま動かなくなった。もういいかな、と離れようとしたらやめるなと咎められたので続行する。これ、寝癖直すためにさせてるんじゃないよな?

「いつまでしてればいいのさ」

「俺がいいって言うまで」

「それっていつ?」

「…んだよ」

「何」

「撫でられるの、気持ちいいんだよ」

「は?」

「やめんなよ」

それだけ言うとスバルは眠り始めた。寝たなら撫でなくてもいいんじゃないか、と思って手を止めようとしたが、さっき怒られたことを思い出して止められなくなった。寝息を立てるスバルの頭をひたすら撫でる。なんだこの状況。いつまでしてればいいのさ。





叔母末っ子と寝癖
(スバルが目覚めた頃には腕がダルダルになっていた)









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これまた相方の鶫さんに捧げます!!頭を撫でられて寝てしまうスバル君可愛いと思います。なんやかんやで甘いのでその後、叔母さんは30分ぐらい撫で続けました。



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