HAPPY BIRTHDAY !!
パープル系統のバラやカーネーションなどの華美な花に小ぶりな花を組み合わせている。ラッピングは数枚の紙を使って花弁のようになっており、まるで大きなバラに花束が包まれているようだ。花に埋もれた小さなクマの人形が『Happy birthday!!』と書かれたカードを掲げていた。
「お前ってやつはっ!!」
「おい!!なんだいきなり!?」
あまりの衝撃に身体が崩れ落ちる。スバルの焦ったような声が聞こえたがそれどころではない。なにこれ可愛い。クマを忍ばせるとか小技効いてるし。どうやらスバルはホワイトデーの一件以来、私をクマ好きだと思っているようだ。
「いきなり倒れるやつがあるか。さっさと起きやがれ。ほら」
「ありがとう」
スバルの手を借りて立ち上がる。かなり驚かせたようだ。ごめん。
「あまりにも可愛くてつい。それにしても、スバルから花を貰う日がくるとは思わなかったよ」
「これ」
「どれ?」
「だからこの花だ!!」
スバルが指差したのは青紫の小さな花だ。5枚の花弁が重なって星のように見える。派手さはないが凛と咲いていて、個人的にはバラやカーネーションより好きだ。
「店先で見つけた時お前のことが思い浮かんだ。なんつーか、名前みたいだって」
「私?なんか照れるな」
花に例えられるのは気恥ずかしいが、私も一応女なのでそれなりに嬉しい。スバルは花を引き抜きくと私の手に握らせて笑った。
「思った通り、綺麗だ」
邪気のない笑顔が眩しくて目を細める。うん。花はとても綺麗だ………花のこと言ってるんだよな?そうに決まってるのに、頬が熱くなるのを止められない。
「お前、なんか顔赤くねぇか?」
「いや!!気にしたら負けだよ!!あははははっ!!」
「何だよいきなり笑いだして…気色悪ぃ…」
スバルは若干引いている。ぞんざいな扱いは普段通りだが、なかなか熱が治まらない。誤魔化すためにもひたすら笑い続けた。
末っ子から叔母さんへ
ブーケ。
私はスバル君をどうしたいんだ。スバル君が叔母さんみたいだ、と言った花は決めてあります。特徴を書いたので調べれば一発で出てくると思います。無駄に花言葉とか調べて決めました。これも贔屓故です(笑)
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