「漸く魔女が処刑されたな。直に流行り病も収まるだろう」
「あぁ。家族を守れて安心したよ、…っ!?」
「おい、どうした?」
「あ…あぁ、あぐっ」
「ひぃ!!」
「おいおい。どうせ死ぬならもっと苦しでくれよ。つまんねぇだろうが」
「お、お前がやったのか!!なんでこんなことを!?」
「てめぇらが俺の物に手をだしたからだ」
「あんたの物だって?」
「お前らが処刑した魔女だよ」
「魔女の手先か!!」
「ちげぇ。あいつが俺のもんだったって言ってんだろう。それに俺は吸血鬼だ」
「吸血鬼!?」
「ごちゃごちゃうるせぇなぁ。真実は一つだ。疫病でも餓死でもましてや魔女でもねぇ。お前ら全員、俺に殺されるんだよ」
魔女と同じ赤い瞳に射竦められた。身体を引きちぎられ、意識が薄れていく中、男は確信した。魔女が青年を使って復讐をしに来たのだ。