進撃/マルコ


※ヒロイン=ルイーゼで固定



二人一組になって協力してレポートを完成させるよう教官からの指示があった。指定されたパートナーは向かい側に座って静かに課題をこなしている。彼女、ルイーゼとは話したことがない。せっかくだ、これを機に少しは仲良くなれないかと思い話題を探す。一番無難で話しやすいであろうものを選ぶ。

「ルイーゼはどこの兵団希望なの?」

「駐屯兵団」

「そうなんだ。ルイーゼは優秀だから頑張れば憲兵団に入れそうだけどね」

大抵の者は憲兵団を目指しているから言ったのだけど、それがいけなかった。

ルイーゼは拳を振り上げるとテーブルに叩きつけた。バァン!!と、大きな音が鳴って僕の肩は跳ねる。ギロリッと睨まれて身体が竦んだ。その目には憎悪がこもっている。

「誰も彼もが憲兵になりたいと思うなよ」

理由はわからないが怒らせた。小さな声でごめん、と謝れば彼女は何事もなかったようにレポートを書く作業に戻った。僕もルイーゼとコミュニケーションを取るを諦めて課題を進める。正直、彼女と話すのが恐くなった。そういえば、ルイーゼを知る人は皆、とっつきにくいとか無愛想だとか言っていた。

「ボットは王に仕えるために憲兵になりたいんだっけ?」

「そうだけど…」

「凄いね。皆保身のために憲兵になりたがるのにねぇ?」

手は止めないまま、唐突に話しかけてきた。言葉の節々に刺々しさを感じる。あんな態度をとったのにどうして話しを蒸し返すのか。先程のことがあったから身構えているとルイーゼはペンを置き、頬杖をついて薄っぺらい笑みを張り付けた。

「その立派な志はどこまで貫けるかなぁ、優等生君」





マルコと憲兵が大嫌いな女の子です。ヒロインは憲兵から酷いことをされた過去があります。憲兵団は人間のグズが集まる場所だと考えているので憲兵を目指す者も同列とみなしています。なので、104期生の大半が嫌い(笑)最後の台詞には、どうせお前も憲兵団に入ったらグズみたいな人間になるんだよ、という皮肉が込められています。言わずもがな、ジャンとは仲悪いです。原作で憲兵を恨んでる人もいるみたいなのでその設定で書いてみましたが、ヒロインが嫌な子になってしまいました。

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