APH/独


「大丈夫さ。何せお前は俺の自慢の妹なんだからな」

全てを私に託し、満足気に笑いながら消えた兄の最期の言葉だった。

お前が大人になるまで、自分の足で歩いていけるまで。俺が頑張るよ、と言っていた兄は私が独り立ちした途端いなくなってしまった。

誰よりも尊敬した兄さん、目標だった兄さん、大好きな兄さん。私が分別のつかない子供のままだったら、もっと一緒にいてくれたのだろうか。なら私は成長したくなかった。それは国を良くしようと頑張っている国民に対する最大限の侮辱だ。わかっているけど、それでも兄と共にありたかった。

「私は貴方が羨ましいのです。ルートヴィッヒさん」

消えるはずだった運命に逆らい国としての意義を失いながらもそれでも尚、共にあり続ける兄。そんな奇跡を当たり前のように享受し、共にあり続ける弟。私の兄は消えてしまったのにどうして貴方達は一緒にいるの?似たような境遇なのにどうして?羨ましい、羨ましい、羨ましい、妬ましい。





独が羨ましい女の子が書きたい。脳内設定ではヒロインは東洋の国で、日さんと仲良しです。

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