薄桜鬼/土方


※「恋の幕引きを叫ぶ鐘」のヒロイン視点



方々に挨拶を済ませて最後に土方さんにお別れを言いにきた。本当は言いたいことが沢山あったんだけど、止まらなくなりそうだから必要最低限の言葉を交わして口を閉じた。代わりに土方さんが口を開く。

「お前は覚えてるか」

「何ですか」

「千鶴に聞かせてただろう。ほら、履き物どうのって女の話し」

「履き物…ああ。シンデレラですか?」

千鶴ちゃんに話してあげたお伽噺話だ。あの時はたまたま暇だった土方さんも一緒になって聞いていた。土方さんがありえない、と夢のないこと言い出すから大喧嘩になった。なつかしい、と思い出に浸る。

「シンデレラがどうかしましたか?」

「男は女が残していった履き物を手がかりに探しだすんだったな」

「そうですよ。ガラスの靴が王子様とシンデレラを繋いだんです」

「だったら俺にも何か残してけ。その男と同じようにお前を見つけ出すから」





最初はヒロイン視点にしてたけど、気に入らなくてボツに。土方さん視点のほうが書きやすかったです。

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