組頭と

「父様父様」
「んー?なーに」
「肩たたきしましょうか」
「肩たたき?そりゃありがとう。…でも何だい急に」

「今日はアレですよ」
「アレ?ってドレ?」
「それはボケなんですか。だとしたら突っ込みませんよ、私」
「ボケならちゃんと処理しとかないと話進まないよ?」
「タソガレドキ忍軍を率いる忍組頭ともあろう者が、そんなボケか何なのかわからない振りするの止めてください。ていうか私のスルースキルを侮らないで下さい」
「真顔で言うことかな」

「ホント毎度毎度色んなことが日々ありすぎて一々突っ込んでたら話が進まない所か日が暮れるったら……」
「お前も苦労してるんだね」
「しみじみ言わないで下さい。ていうか苦労掛けてる側の人間でしょう?父様は」
「は?私が?」

「だってよく陣内さんが言ってますよ」
「何て」
「『組頭がふらふらふらっふらして大変だ』とか『あの横座り何とかならないものですかねえ…』とか」
「アイツお前にそんな事言ってるの?ていうか座り方くらい自由じゃないか個人の」
「父様の行動って部下の士気に影響してそうですもんね。大変ですねえ…小頭」
「いやそこは組頭っていうところだろう?何小頭って。そんなに陣内と仲良しだっけ?」
「仲良しって…普通じゃないですか?良くしていただいてますけど…父様だって知ってるでしょ」

「えー」
「えーって何ですかえーって」
「ウチの子が父様よりも陣内が良いって言うからさー」
「言ってませんけどそこまでは」
「……そう?」
「父様は父様でしょう。ほらほら肩たたきするんですから動かないで下さいよ」
「はいはい」

「……父様」
「ん?何。はいは一回って?」
「……」
「どうした?」
「……いつも」
「うん」
「いつもありがとうございます」
「……。…どういたしまして」


(お返しはとびきりの抱擁で)




(2011父の日)

[ 2/22 ]

[] []
[しおりを挟む]

×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -