三日目。


今日、風魔からリリーばあちゃんがきました。
授業が終わって食堂にいったら、先輩がばあちゃんといて、ぼくはすっごくびっくりしました。

どうしたんですか?って先輩にきいたら、「リリーさんに色々お話していただいていたんだよ」と笑っておられました。ばあちゃんの相手をしてくれてありがとございました、って言ったら、ばあちゃんに「こりゃ喜三太!」とお尻を叩かれましたが、そんなばあちゃんも何だか楽しそうでした。

それから三人で、食堂でお茶を飲みました。
ばあちゃんは先輩に「どうしておなごが忍たまをしておるのじゃ?」とか色々きいていました。ぼくがおどろいて、ばあちゃんに先輩が女の人ってわかったの?ってきいたら「それくらいのこと見ればわかるわ。わしは風魔くノ一、山村リリーじゃぞ?」となんか自慢していました。
でもばあちゃんすごいなあ。ぼくはさいしょ、言われるまでぜんぜん気付かなかったです。

リリーばあちゃんは、すっごく先輩のことが好きになったみたいで、「喜三太の嫁に来ぬか?」とか言い出しました。
もう!ばあちゃんたら!先輩になんてこと言うのさ。
先輩は、「あははは。さすがに相手が私では喜三太が気の毒ですよ。年も離れてるし」と笑ってくれていました。そしたらばあちゃんが今度は「では与四郎はどうじゃ?」とか言い出しました。

「は?与四郎って…風魔流忍術学校の、ですか?」
「おお、知っておるのか。そうじゃ、その錫高野与四郎じゃ。あやつはなかなかに優秀じゃよ?顔も悪くない。年も同じ。どうじゃ?」

「いやー…あはははは」と先輩はやっぱり笑っていましたが、何だかちょっと顔が引きつっているような気がしました。気のせいかな?
蓮咲寺先輩が与四郎先輩のお嫁さんかあ…。もしそうなったら、先輩は風魔に来てくれるってことなのかな?って考えていたら、ばあちゃんが「喜三太。朔が与四郎の嫁になれば、風魔の人間じゃよ?ほれほれ、足柄山に帰ってきたくなってきたじゃろ?」とにやにや笑っていました。見すかされたみたいで何だかちょっぴりくやしかったです。

でも先輩が足柄山に来てくれるんだったらそれもいいかなって、ぼくは少しだけ思いました。

蓮咲寺先輩は、リリーばあちゃんのお気に入りみたいです。


喜三太


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