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ミコトママの誕生日企画小説から1年後の8月16日設定。
かなり誕生日に関係なくて申し訳ないそんな話。



ガラガラと引き戸を開ける。
中に入ってすぐ、二人の息子を見つけた。

「お帰りなさい、父上」

生まれて約一ヶ月の次男、サスケを抱えながらイタチが挨拶する。イタチは今年で5歳だ。しかし、年齢以上に聡く才がある。一族代表としても、父親としても成長に期待している。

「あぁ、ただいま」

それに笑い返す。最近は弟のサスケの面倒をみている。その時のイタチはとても幸せそうだ。
食卓に座り熱い茶をすすりながら、二人を眺める。いつの間にか寝ているサスケを愛しそうに抱える。

「これじゃあイタチが母親だな」

その言葉に照れ臭そうに俯くイタチ。年齢よりも大人びた雰囲気のイタチの頭を撫でてやれば、嬉しそうに微笑む。
この大人びた感じは雰囲気や才だけで、所詮は子供。里の裏の事情を知ってはいない。

「父上も仕事、大変だったのに」

確かに体は疲れていた。近々行われる九尾を利用しての里のクーデターについてなどの会合が開かれるのだ。
警務部隊の中でもその話で持ち切りだ。しかし監視の目があるので勿論それに気を配りながらではあるが。
イタチは全てを知っているかのように言葉を紡ぐ。それが時々恐ろしい。

「…まあな。でも問題はない」

それは良かったと安堵して微笑む。無理はしないでください、と気遣う言葉も述べることも忘れない。

「ああ、そうだな」

そう答えた後にまた泣き喚き出すサスケ。イタチはあやしながら、よしよしと宥める。それでも泣き止むこと気配なく、イタチがあたふたしているとフガクがサスケを抱いてやった。
流石慣れている父親だけあって、すぐにサスケは泣き止んだ。イタチは感心するようにその光景を見ている。

「流石父上です」

「ハハハ、母さんの方がすごいぞ」

この年で弟の面倒をみるイタチが一番すごいことは、昨晩ミコトと話したばかりだった。

「こっちに来い、イタチ」

サスケを静かに隣で寝かせてやってからフガクはイタチを呼んだ。何だろうと思いながらイタチがフガクに歩み寄ると抱きしめられた。
父親のがっしりとした体と大きな手が、小さなイタチを優しく包む。母親とはまた違った温もりを感じながら、サスケも通りで泣き止む筈だと理解した。

「父上の手、あったかい」

「そうか?それは良かった」

温もりに体を預けゆったりとしていると、このまま寝てしまいそうになる。目を開けてフガクを見上げると、丁度フガクと目が合った。

「無理はお前もしないようにな」

弟がいるから、というのもあるのだが、フガクが覚えている限りではサスケが生まれる前でもイタチは我が儘を言わなかった。
それがサスケがいるようになってからは余計に自分の時間までも削っているように思う。

「無理なんかしてないから大丈夫です」

聡いイタチのことだ。何の話かは理解しているだろう。
全くこういうところは似るものだと苦笑しながら思った。




















3分ち、遅刻ー!!
こうして打ってる間にどんどん経過していきますが、00:03に出来ました。
かなり誕生日関係ないですね!(笑)
…企画ギリギリってこんなことなるんだors
でもフガクパパと兄さんの話っていくつか書きたいなって思いました。豪火球教えたときとか、うちはクーデターのスパイのときとか節目節目の辺り書きたいです。
…書けたらですけど。

2011/8/17

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