愛半する時

マダイタ←ペインな感じです。
師弟里抜け後。
かなり薄めに破廉恥。



雨が降り止むことなく続く。月も星も覆い隠すどんよりとした雲が空を支配していた。

パラパラと番傘に落ちる雫を耳に通しながら先を行く男の後を追う。

「ついたぞ」

そこは小屋にしては少し広いが、家とは言い難い場所。しかし外見からして寂れてはいない。そこへさも自分のものかの様に入っていくマダラに溜息が洩れる。傘を畳んで扉の端に立てかけておいた。


中に入ると一人の男が居た。
橙の髪をした長身の男。ピアスや眼が異様な雰囲気を醸し出している。眼については来る途中に聞かされた。輪廻眼とはこれのことかと先程知り得た知識と合致させた。

「こいつは?」

その男が自分に視線を向ける。
まずは自分から名乗るのが礼儀ではないかと顔をしかめた。

「オレの弟子だ」

ニヤリと不敵な笑みを浮かべる隣の男も不愉快だ。多少の苛立ちを感じてそっぽを向いた。

「少し出る」

何か意味ありげにそう言い残し、小屋の扉を閉めて出ていく。一瞬自分の傘が見えたような気がしたが、見間違いと思いすぐに視線を外した。



まったくあの人の気まぐれにはほとほと悩まされる。しかし弟子とは変わったものを取ったものだ、と着物を着た少年を見つめる。
中性的な顔立ちをしているが、歳に似合わないくらい大人びた雰囲気がある。

「…名前は?」

静かに問い掛けてみるも、冷たい視線しか返ってこない。答える気はないのだろう。里を知られるからなのか、それとも自分を信用していないからなのか。どちらにせよ、この少年に興味を持った。

「なっ……!」

いきなり腕を掴む行為をすれば、瞬時に腕を引こうとする。かなり俊敏だが、やはり力はこちらの方が上。容易に引き寄せることに成功した。

「…っ!離せ、この…」

抵抗になっていない抵抗など無視してそのまま少年を抱きしめた。
ビクリと一瞬肩を震わせたのが直接触れ合っていれば判った。意外と敏感なのだろう。こちらを睨む眼が鋭さを増す。だがそれはオレを更に煽っているにすぎない。

「やっ…!あっ…!」

着物の共衿から中に手を差し入れる。やはり予想通りの反応だ。だが予想外に表情や声に色香があるものだから、このまま進めてみようかと考え出したとき、

「何をしている」

マダラが戻ってきた。扉の音がしなかったのは時空間忍術でこの場に現れたからだ。
それに声は凄みを利かせている。相当憤っているのは判る。何せ、あの人のものに勝手に手を出したのだから。

大人しく手を引くと、少年はさっと素早く身を引いて離れた。自然、マダラの隣に並ぶ。

「次、手出ししてみろ。お前でもたたじゃ済まさないからな」

くるりと踵を返す。用があったのではなかったかと尋ねようとしたが、席を蹴ったようにマダラは足早に出ていってしまった。

「うちはイタチだ」

残った少年が言った。自分が被害にあったというのに口を尖らす程度。マダラと比ぶべくもないものである。呆気に取られきょとんとしていると更に少年が言葉を紡ぐ。

「…お前の名は?」

「ペインだ」

流されるまま答えるとそっぽを向いて扉を出て外へ行ってしまった。先のイタチはあの少年の名であったと今更ながら気付く。

(あの人の同族か……)

確か「裏切られた」とか何とか言って同族は憎いと言っていた筈。そのくせ同族の弟子を取っているのだから筋が通らない。

また二人とは近いうちに会うだろうと予想して、既に冷めてしまったコーヒーを一口喉に通した。




















1000hitがこんなのですいません…!
いや、でも愛はあります。どうしようか迷った末のCPです。
決め手は今週のジャンプでした!
(未読の方すいません)

2011/7/27

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