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昔の回想から現在に続きます。
次ページに続くので少し長めです。



「兄さん、プレゼント何がいい?」
明るい笑顔で瞳をきらきらさせながらサスケはイタチに問いかけた。
そんな笑顔とは程遠い任務を昨日遅くに帰宅したイタチは苦笑して答える。

「無理するな。オレの誕生日は昨日で終わったからな」

サスケは少し頬を膨らませた。

「違うよ。来年の話だよ」

イタチは悲しげに目を伏せた。来年にこのような日が来ないことを知っているからだ。サスケと一緒にいることもない。

だがすぐにイタチは微笑む。そして叶わない来年の贈り物を口にする。叶わないとは知りながらその贈り物への想いは事実だった。





「イタチ」

イタチは目を覚ます。朝の陽光で目を細めながらもゆっくりと目を開けると、サスケが視界に入る。

「目、覚めたか」

時計をチラリと見る。この時間にサスケがまだ家に居るのは珍しい。

「任務は?」

「今日は休みだ」

休みではなかった。サスケが無理を言って休みにしたのだ。あの時から出来なかった贈り物を送るために。
イタチは覚えているだろうか。

トン、と軽い音がしてイタチが寝台から離れる。軽く伸びをしてからサスケに向き直る。

「朝食にするか」

「あ、あぁ…そうだな」

やはり覚えてないのか。自分で言っておきながら。
なら逆に驚かせてみるのもいいかもしれない。サスケがニヤリと笑ったことにイタチは気付いていない。



イタチが器用に料理をする。イタチはサスケとこうして過ごす日が珍しくて喜ばしく思った。
食卓に並ぶ皿は夕食のように豪華すぎる。だがそれはこの家にとって当たり前の日常であった。

だが常でないことが既に起きていた。
それはサスケにとっては予想通りで、イタチにとっては予想外のこと。

「サスケ…?」

ピクリと震えたイタチの微かな動きでさえ密着すれば分かる。

「本当に覚えてないんだな」





















あとがきは次にて

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