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「じゃあオレ行くから」

何かあったら呼べよ、といつもの言葉を告げて部屋を出る。
一人きりになったイタチはサスケが出て行った扉を見つめながら考える。

(サスケは何を隠しているんだ)

隠していることは明白なのに、何も答えてくれない。先ほど部屋を出るときなんて、これ以上見透かされたくないと言わんばかりに逃げるように出て行った。

サスケが時々何か言いたげな表情でこちらを見つめてくるのは今に始まったことではない。気になってはいたけれども、無理に口を割らせるよりサスケが言うまで待っていようと決めていたのだ。

イタチは一呼吸した。
サスケの口から出ないのならば自分で知るまでだ。呼吸を整えて目を閉じる。
まだ完全に体力は回復していないが、どうしてもサスケの心が知りたかった。

(もしかしたらオレのせいでサスケは言えないのかもしれない)

脳に体験したことのない映像が流れ込んでくる。
同時に頭を貫くほどの頭痛がする。現在と未来の差が起こす目眩が視界を奪う。

「…っ!!」

支えきれない体が布団に沈む。自然と上がる息が限界を示している。サスケがくる前にどうにかして起きようとするが体が言うことをきかない。

「イタチ?」

先ほどの避ける様子もなくサスケがノックもせずに入ってきた。
なんてタイミングの悪い、と思うものの体はそのままである。

「おいっ!どうしたんだよっ!」

持っていたコップを机に置いてイタチを抱えて上半身を起こす。
イタチも声を出そうと試みるがなかなか声が出ない。しかし、そのほんのわずかな掠れ声をサスケは聞き取り、すぐさま水を飲ませた。

「お前、の考えを知り、たかった」

驚いて目を開いた後、すぐさま逸らした。やはりまだ言えないのか、とイタチも目を伏せようとしたときにサスケが言葉を吐く。

「いつか、止めさせようと思ってた」

何についてなのかはイタチもわかっている。サスケが言いたげな目をするのはこの事情で家を出るときだからだ。

「アンタは里のため、と言われたら惜しみなく協力するだろ?でも帰ってきたらいつもこの有り様だ…いつか…アンタが自分の体を壊すんじゃないかと思って……」

「思った通りだ」

イタチはいつものように笑った。笑う意味が分からずに唖然としていたサスケだったが、すぐに気がついて睨むような視線でイタチを見る。

「力…使ったのか?」

「言っただろ?お前の心が知りたかったって。お前のことだ、こうでもしないと話してくれないだろ?」

予知能力がなくても兄としてよく自分を理解しているということに感心するものの、やはり一方的に知られるのは不満である。
あからさまに表情に出たサスケの頭をイタチが撫でる。

「そう怒るな。これからは能力は使わないようにするから」

「だったら、」

サスケは言葉を切ってイタチを抱きしめる。
強い力に驚きながらも、イタチは拒むことはしなかった。

「アンタの気持ちも聞かせてくれよ。アンタの表情は読みにくい」

サスケの肩にもたれかかると、なんとも居心地がいい。サスケもまんざらではないのだろう、拒むことはしない。

「今度来た暗部に相談してみるとしよう」

「言葉に流されんなよ」

開けている窓から入る隙間風が、静かにイタチの髪を揺らした。




















何が言いたいって要するにサスケが心配性なのがいいなってこと\(^o^)/
イタチが自己犠牲だから余計に不安なんだけどそれを止めることによってイタチを傷つけてしまうんじゃないかっていうそんなサスケの葛藤が好きだああ
兄が好きならではの葛藤っていう(*´▽`*)

2012/5/5

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