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本誌から生まれた妄想の産物。
イタチが予知能力に目覚めたとんでもない話です。
ネタバレにはなっていません。あくまでも妄想の産物ですので。



流れた髪をそっと撫でる。
定期的に揺れる肩と閉じた目は、意識が海底のように深く落ちていることを証す。
サスケは寝ているイタチの額にそっと触れた。
イタチはぴくりとも動かない。サスケは自然と笑みを浮かべる。
どれほど疲れていようと、イタチの敏感さには驚きを隠せない。暗部にいた頃にはそれがどれだけ良い働きをみせたかしれない。それなのに、こうして眠っているということは、弟である自分に信頼しきっている証拠だ。嬉しく思うのも無理はない。
だが、素直に心から喜ぶことは出来ない。サスケはぽつりと悲しみのこもった言葉を吐く。

「…兄さん」

兄の力が目覚めて以来、力を乱用する輩が最近増えてきた。そのせいでイタチは家にいる殆どが寝ている状態である。幸い、昔のように暗部には入っていないが、里のために力を貸してほしいとイタチの元を訪れることが頻繁にある。「里のため」と言われたら、断れないイタチのことだ。暗部もそれを承知の上でイタチに告げていることは目に見えている。
だから、いくらサスケが行くな、と止めてもイタチは額をこづいて「大丈夫」と言葉を残して去ってしまう。
そして帰ってきたらこの有り様だ。

「何が大丈夫なんだよ…ったく」

いつまでもこれが続くようでは、病弱なイタチの体がもつはずがない。なんとかして自分が止めなければいけないことは知っている。

「…サスケ……?」

うっすらとイタチが目を開ける。昔より痩せたように見えるのは食事を取る機会が減ったためだ。

「何か食うか?起きたところで食欲はあまりないだろうけど」

ぼんやりしたまま動かないイタチの状態は、見ているだけでも胸が痛む。サスケはその思いを無理矢理払うようにイタチに顔を近づける。

「なんなら雑炊にするか?少しくらいならアンタも…」

最後まで言いかけた途端、イタチが急にサスケの首元を掴んで顔を近づけさせる。至近距離にイタチの顔があって、サスケは鼓動が早くなる。今すぐにでもこのまま押し倒してしまいそうな気持ちを無理矢理押し込める。

「何か言いたいことがあるんじゃないか?」

その言葉にはっとしてイタチを見る。明らか図星と分かる反応をサスケが示しても、イタチの表情は眉一つ変わらない。一方的に悟られてしまう恐さと不満が入れ混じる。

「別に、何もねぇよ」

ハハハと笑ってごまかす。きちんと笑えているかなんて自分でもわからない。今のサスケにはこれしか出来なかった。

「…そうか」

精一杯の笑いにイタチも理解したのか、返事はあっさりとしたものだった。それが言葉の表か裏かはサスケにも分からなかったが、深く突き詰めなかったことに安堵した。
だからサスケも敢えてイタチの切れ長の目が一瞬、悲しげに伏せたことを深く突き詰めることはしなかった。






















いつものことながら遅くなりました!
題名は某ドラマそのまんま。
予知能力いたよね!私はこの映画化されたドラマが大好きです。
あ、続きます(予定)

2012/4/29

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