団扇祭

うちは祭が楽しみすぎて作ってしまった小説。
何故だか時代違うのにうちはの皆さん出てきます。年齢なんて気にしてたらキリがないんだぜ!
心の広い方はどうぞ。



既に沈みつつある空の光は、蒼から闇へと変わりつつある。
もうすぐだな、と空を見上げながら男は呟き、南賀ノ神社の本堂から出る。

「遅いぜ二人とも」

今し方石段を上りきった二人へシスイが声をかけた。

「すいません、シスイさん…少し支度に時間がかかってしまったんです」

今日は南賀ノ神社で行われる年に一度の祭。大規模な里一帯で行う木ノ葉の里の祭とは違い、神社で行われるのは一族の祭だからである。


「兄貴が謝ることじゃねぇだろ」

申し訳なさそうに謝る兄のイタチとは対照的に、ムスっと口を尖らせる弟のサスケ。
シスイは二人を交互に見ながらニヤリと笑った。

「サスケ、お前がやったんだな?」

サスケが弾かれたようにシスイを見て、目を見開いたまま動かない。図星をついてやったとカラカラ笑いながらサスケの頭をくしゃくしゃと撫でる。

「こんな手の込んだことお前しかやらないだろ。しっかしかなり上達したな。昔はミコトさんがやったものを見よう見真似でやってた癖に」

チラリとサスケが仕上げたイタチの髪を見る。簪一本でまとめあげた髪は少しも崩れる様子はなく、綺麗な仕上がりになっている。艶がある髪は何よりイタチの生来の美しさを引き立てている。
イタチの満足そうな笑顔を見て確信を得る。自分を褒められてする笑顔ではない。

「昔のことはいいだろ。それよりさっさと行こうぜ」

サスケがチャリチャリと持っている巾着を鳴らす。何となく見覚えがあると思えばフガクが持っていたものである。お下がりか何かで貰ったのだろう。

「今日はミコトさんとフガクさんは?」

いつの間にかイタチは遠くのカガミの屋台で綿菓子を買っている。甘味が好きなイタチのことだ、堪えきれなかったんだろう。
隣のサスケがそんなイタチを呆れるように見つめながら言った。

「父さんは仕事。ヤシロはしっかりやってくれてるけどイナビとテッカが祭に行けなくて愚痴ばっかり言ってるって昨日ずっと聞かされた」

「フガクさんも大変だな…ならミコトさんは?」

「母さんなら……っておい!兄貴っ!」

サスケが叫んだ方を見ると、イタチが焼きそばを売るオビトの横を通り過ぎて神社の裏へと歩いて行く。神社の裏はここからは死角になる。サスケのあとを追ってシスイも裏へと急いだ。

「あら、サスケにシスイさん」

「母さん!」

裏にまわるとすぐに煎餅を売る屋台があった。煎餅を作るテヤキの傍には妻のウルチがいる。シスイもそれぞれに挨拶をした。

「母さんはおじさんとおばさんの手伝いしてるんだ」

さっき言えなかったけど、と付け加えながらサスケが説明する。
何だか早口だなと感じたのは気のせいではなかった。サスケは辺りをキョロキョロ見回している。

「母さん、兄貴は?」

「イタチならついさっきヤクミさんが連れて行ったわよ。頭領がお呼びらしくて」

「頭領」という単語を聞くやいなやサスケは走り出す。シスイもミコトにお礼を言ってから後を追った。かなり焦っているのだろう、目の前にくる人に気づいていない。

「サスケ危ない!」

シスイが叫んだ時には遅かった。二人とも地面に尻もちをついている。

「ごめん、大丈夫?…ってサスケじゃないか!」

ぶつかった相手がサスケだと分かるとイズナの顔がぱっと明るくなった。イズナは同じ弟という立場だからか、サスケにかなり好感を持っている。

「イズナ、兄貴見てないか?」

「兄さん?うん、実はオレも今探してる」

「いやそうじゃなくて…」

「副長、頭領いました!」

重たそうな箱を持ちながらセツナとヤクミがやってきた。サスケも顔は知っている。ペコリと頭を下げた。

「兄さんはどこ?」

「それがまたどこかに逃げてしまい…今、ヒカクが後を追っています」

「兄貴は?居たのか?」

「あぁ、イタチなら頭領が連れてたな」




















やった!うちはの名前分かっている人みんな出した!!
原作など一切見てないけどちゃんとみんな名前覚えてました。(ヤクミが少し危うかったけど)
個人的にカガミとオビトって兄弟じゃないかなーと思ってます。
それとイズナは兄に振り回されている点でサスケに共感しております。
でもこんなシスイさん中心で話進むなんて思ってもみなかった…!

みんな出したので次は話を終わりに持っていきます。
シスイさん中心はここで終わりです。

2011/10/26

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