青い鳥を手に入れる努力は並大抵のことじゃない | ナノ

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 サイドテーブルに置かれた桐の箱を見て苦笑するとあ。
 俺は「中は見てない」と告げた。持ってきたのは弟だと教えたら俺の微妙な気持ちを察したらしく「アリかナシかの判定をお願いしたんだ」と気まずそうな顔。
 
「本当は一番に堅太に見せるべきだった」
 
 とあは首元に触れると首を傾げて部屋の脇にある金庫を見つけて近寄った。
 解除する数字はやっぱり「0222」だった。
 
 取り出したのはチェーンのついた指輪。
 俺がとあに貰ったものと揃いのもの。
 中学の卒業式の日に貰ったもの。
 別れを告げた日に突き返すべきだった指輪。
 捨てることはもちろん仕舞っておくことも誰かに譲ることも出来ない代物。
 
 俺は指輪をチェーンに通してずっと首から下げていた。
 復縁を迫る彼を避けていたにもかかわらず愛の証を持ち続けていた。
 
 鯨井に裸にされても怖くなかったのは常に身に着けている指輪のせいかもしれない。
 指輪を鯨井は触れなかった。

 指輪を手放したら俺は俺を手放してしまう、そんな気がしていた。
 とあへの未練じゃない。
 
「ソラの瞳にそっくりだ」
 
 ソラと名付けたのは空を見て小さく鳴いたからだ。
 抱き上げようとする俺じゃなくて雨が降り出しそうな冬の曇り空に向かって鳴いた。
 猫として成人しているのかすでに重く子供の俺が抱えて走るのは大変だったが鳴き声に急かされて家に帰ったおかげで雨に濡れることはなかった。家に着けば俺の腕からあっさり離れて感謝しろというように尻尾をゆらす。
 びしょ濡れになって帰って来た弟とソラの二人と一匹で風呂に入って俺は少し後悔していた。
 カッとなってやったという言い分が正しい。
 ソラが野良である保証はないし、俺に拾われた意識があるかもわからない。
 俺に猫が飼えるのかも不安だったがソラは小さく鳴いて俺にすり寄る。
 水を嫌がらない不思議な猫だった。俺をジッと見て撫でろと催促してくる懐っこさがあると思えば気まぐれで餌以外で近づいてこなかったりもする。
 
 思い出は沢山ある。
 
 愛しくて愛しくてそれは胸をかきむしる痛みになる。
 愛しさの分だけ苦しみがある。
 
 そして、今なら分かる。この痛みはなくしてはいけない。
 空虚感ではなく心が痛んでいていいのだ。それが悼むということなんだから。
 何も感じないことの方が嫌だ。

 クリソベリル・キャッツアイ。
  金緑石の猫目。
 
 透明感のある黄緑がかった石に入る光の筋は本当の瞳のように黒くはないけれど威嚇しているような細い瞳孔。
 
 これを手放してしまったら俺は、俺が拾った俺の猫のことを思い出せなくなってしまうかもしれない。それはとても怖かった。何もなくなってしまうのは怖かった。後悔でもいいから心に残しておきたかった。弟と会って、実家で普通に生活して忘れてしまうのは恐ろしい。
 別の猫を飼ったとしても俺が冬の空き地で拾ったソラは戻って来ない。
 俺が拾った俺の猫。
 俺が傍を離れたせいで死期を早めたかもしれないのに俺が平気で生きていくなんて不平等に感じてしまう。
 
『失われたものは戻っては来ない。それを忘れる必要もない』
 
 とあがくれたその言葉は俺を楽にさせた。
 忘れないでいいようにソラの瞳のような宝石をあしらった指輪をくれたとあは俺の気持ちを分かってくれていると感じてそばにいて安心できた。
 瞳は二つ揃ってこそのものだから指輪を持っている限りとあとの縁は切れない。
 
 桐の箱から出されたのは猫だった。
 猫の置物といっても瀬戸物ではない。
 見た目は剥製に近いがそんなわけないだろう。
 
「毛皮は人工だから手触りは少し落ちるかもしれない」
 
 撫でていいというので撫でてみる。
 少し毛が短いような気がする。
 
 とあが指輪からチェーンを取ったのを見て俺も自分の指輪を服の下から取り出してチェーンを外す。
 猫の置物の目はぽっかりと空洞になっている。
 指輪のリング部分を猫の中に入れるようにすると少ししてカチっと音がして中に嵌ったのが分かった。
 宝石のクリソベリル・キャッツアイを本当に猫の置物の目に使う人間はとあぐらいだろう。
 天然のものだから同じようなクリソベリル・キャッツアイを見つけるのも入手するのもとんでもなく困難で、等身大程の猫の置物の瞳にできるクリソベリル・キャッツアイは同じサイズのダイヤモンドよりも値段がすると弟に教えられた。
 鯨井に裸にされた時にチェーンにつけた指輪を弟には見られて言われた。
 
『宝石の鑑定が出来るわけじゃネエけど、……それ、値段が付けられないモンだぞ』
 
 価値を分かっていない俺に対して呆れを含んだ弟の言い分に最初は少しイラッとした確かに俺は何もわかってなかった。物の価値も彼の価値も分かってなかったからこそ他人の意見を尊重するように動いていたんだ。周りの人間の言い分が煩わしいというだけで被害者の顔でいた。
 とあから貰ったものを返しもせずにとあからの気持ちを受け取らないという不義理。
 俺は都合よくとあを使っていた。
 
「指輪の台座に作ったんだが……どうだろう?」
「とあはソラを見たことがなかっただろう。どうやって作ったんだ」
「写真は堅太が見せてくれた」

 そうだったかと疑問に思いながら弟が作っているアルバムをとあに貸したことがあったかもしれないと思い直す。
 
「実際に生きて動いている姿を知らないから仕草はノーマルな座ってる姿にしたけど弟様に見てもらって、堅太に渡した指輪のキャッツアイ効果の入ってる角度を忘れたから、完成状態はいま初めて見る」
 
 宝石が瞳のようじゃなくなったら気持ち悪いものになってしまうかもしれないが、瞳にするためにクリソベリル・キャッツアイを加工したと言えるほどに指輪としての石じゃなく猫の置物の瞳に当てはまっていた。
 
「家に帰って来て指輪をココに置こうって堅太に提案しようと思ってたんだ。……弟様にはこの状態で玄関に置いたら確実に盗まれるからやめろって言われたから置き場所に悩むな」
 
 適当なビー玉を瞳として入れておくということを彼は考えない。
 瞳のない猫は結構怖いが指輪を置物に独占されるのも微妙な気分だ。
 
「これ、指輪はどうするんだ」
 
 瞳にピッタリはまっていて外し方が分からない。
 とあは置物を少し持ち上げて猫の尻尾の下あたりに指を入れる。
 ガコっと音がして猫は瞳を閉じて口を開いた。口の中に指輪が二つあった。
 舌は猫のざらついたもので指輪の重みのせいか揺れ動いている。歯も猫そのものと思えるほどの出来で思わず「にゃー」と言いたくなった。
 
「からくり猫?」
「防犯対策にもう少しいろいろとするべきかもしれないな」
「今の以外に何かした?」
 
 正直、十分だと思ったが、とあがまた尻尾の下に指を入れる。
 今度は若干長めだ。
 
「尻尾が動いてる」
 
 かわいいと呟くと、とあは満足そうに頷く。
 どうやって作ったのか、機械なのかなんなのか気になったがソラを模した置物は何しろかわいい。
 
 抱きかかえていたいと思いつつ俺はとあに「これは去年分?」とたずねる。
 今年は今年で何かをくれるんじゃないのかと冗談を言ってみた。
 別に誕生日を重視しているわけじゃないので本心ではどうでもいい。
 たぶん、とあをからかいたいんだ。
 弟に対して遠慮がないと、とあは言っていた。
 今の俺の心境は家族に対するソレに近い。
 
『夫にも遠慮は不要だと思わないか?』
 
 とあはそう言っていた。
 弟もとあをダンナと呼んでいた。
 俺よりも先に俺の気持ちは外に漏れていたのかもしれない。
 
「自立歩行型の猫?」
「……それは時間がかかりそうだからいい」
「単純な動作なら歯車で問題ない。機械仕掛けにすると……プログラムが必要になってきたりするから、そちらは俺の専門外だ」
「逆に俺は専門分野だ」
「あぁ、堅太は長谷部教授の授業を受けているんだったな」
「……教授? 長谷部先生って普通の先生じゃないのか?」
「大学部の教授だったらしいがストーカー被害や研究成果を横から取られたりして人間不信になったから教員も寮がある高等部にやってきたんだ。教師というよりも非常勤講師という扱いかもしれないが一昨年は長谷部教授はいなかったから機械工学の授業はなかった」
「あれ? 機械工学扱いなのか? プログラミングもやっているけど」
「授業内容は教授に一任しているらしいから俺も詳しくはないけれどハードもソフトも含めるんじゃないのか?」
 
 それは長谷部先生も言っていた。自分の専門じゃないからって知識がないと出来ないことが増えるから何でも好奇心旺盛に知るようにと折に触れて語っている。
 
「外部生が長谷部教授目当てで来年度から増えそうだが、教授は一応、大学に籍を置いていることになっているからこちらを常勤としてもらうのは難しい」
「人と関わりたくないから非常勤講師ってことで面倒避けてるんだな」
「給料面での待遇が段違いなんだが……」
「生徒会顧問している人が世話しているから困ってないんじゃないのか」
「なるほど、誠氷田か。年齢的に学生時代の先輩後輩か」
 
 長谷部先生は否定するだろうけれどあの二人は付き合っていると思う。
 機械いじりにしか興味なさそうな長谷部先生が生徒会顧問が顔を出す時だけ扉を開けられた瞬間に顔を上げるんだから、ただの先輩後輩じゃない。
 
 俺ととあも似たようなものかもしれない。
 
 とあはいくら作業に没頭していても俺が声をかければ返事をしてくれる。
 俺も料理に集中していてもとあの声を聞き漏らさない。
 
「お互いの誕生日の真ん中の日に出来上がるように初めての共同作業だな」
 
 つまり猫を作るわけだ。
 なんだか複雑な気分になる。
 
「子猫にして油断を誘っておいて堅太に近づく人間を一撃で仕留められるような装備をつけよう」
「人間を襲ったらスクラップだろ」
「強盗が防犯設備に引っかかったことを責める人間はいない」
 
 本当にそうだろうか。
 過剰防衛とかで厳重注意を受けるんじゃないだろうか。
 とあは張り切ると斜め上どころか天国への階段を駆け上がることが出来るから心配だ。
 テンションが高いと神を下ろしているとか言われるし。
 
「……その、俺はとあの恋人だから、それは分かってるから。俺のご飯以外も食べろ」
「浮気の勧めか?」
「物理的に俺に何かあって料理が作れなかったからってとあも倒れるなんてバカだろ」
「堅太が作った物体以外を体内に入れる行為は浮気な気がする」

 とあの浮気の判断基準が分からない。
 もう他人を抱いたりはしないだろうが変なことを考えそうだ。
 
「俺の言葉を無視して体調管理を怠る方が問題だって言ってるんだ。俺の言うこと聞いて、ワガママ言うな」
「堅太の命令口調とか興奮するな」
「いいから、約束だ!」
 
 頬を染めてアホなことを言うとあに小指を出す。
 分からないのか首を傾げられた。
 
「指きりげんまん」
「あぁ、聞いたことがある。遊女が愛する人に小指を渡したっていう話だな」
 
 それは知らない。
 かごめかごめや花いちもんめが実は怖い意味があるとかその系統の話?
 
「約束を破る時は拳で一万回殴って針を千本飲ますんだろ。約束破ったら心中しようっていう解釈もあるらしいな」
 
 俺たちにピッタリだとか言い出す、とあ。
 何を目指してるんだよ。
 別に死にたくないし、死なないためにちゃんと自分の身体に気を遣えって言ってるのにどうして変な方向に行くんだろう。
 
「指きりげんまんって小指と小指を絡めて」
 
 嘘ついたら針千本飲ますって確かに歌ってるわと思いながら「指切った」で指を離そうとしたら嫌がられた。
 意外に強い力で小指が絡んできて痛い。
 
「指切ると堅太が日常生活に支障をきたすだろ」
「今のお前は日常生活に支障をきたしてないのか!?」
 
 とあがちゃんとするために約束するのにどうして俺の話題になるんだ。
 遊女が指を切ったとしても俺は指を切ったりしない。
 ゆびきりはただの口約束よりちゃんと守れる気がするから昔から弟によくやっていた。
 
「でも、浮気はよくないだろ」
 
 外食は浮気じゃないという説明は一切聞かない気なんだろうか。
 とあの中で浮気というのがトラウマ状態になっているのかもしれない。
 禁止キーワードだろう。
 
「俺は堅太に何も感じられないような存在になりたくない」
「ちゃんと好きで大切だよ」

 軽く頭を撫でると嬉しそうな顔で微笑む。
 この顔は俺しか知らない。
 その満足感が堪らなく癖になる。
 
「そういえば仕事って平気なのか? 釣鐘さんが今後のことを連絡してくれって」
「あの人と会ったのか?」
「俺が来るまで着いててくれたみたいだからお礼を言っておけよ」
「どう思った? 口説かれたか?」
「は? えぇ?」
 
 男がOKな人なんだろうか。
 好青年を絵に描いたような人で既婚者でもおかしくないと思った。
 
「堅太の話題を出したら『スカウトするから会わせてくれないか』って」
「あぁ、スカウトはされたな」
「あの人は顔や雰囲気で丸め込もうとしてくるんだ」
「とあは丸め込まれたことあるの?」
「上顧客だからとかなんか言って俺に虫をモチーフにした家具を一式デザインさせたんだよ。断ったのにいつの間にか作ってて家全部のトータルコーディネートは楽しかったけど……」

 楽しかったなら良かったじゃないか。
 釣鐘さんはとあを乗せるのが上手いんだろう。
 
「虫の資料とか写真ならともかく……虫の死骸や生きてる奴は堅太が怖がるだろ!」
「――――お前の部屋に居るのか?」
「いいや、その仕事は済んだから返した」
 
 どんな虫を飼っていたのか知らないがまだ部屋にいるのならこれから餌をやるのは俺になるだろうからドキドキしてしまった。
 
「虫の生態を模した部屋は個人的に力作だった。分かりにくいけれど複数の鍵をつけるっていうリクエストも歯ごたえがあって――」
 
 とあは自分がどんなものを作ったのかいつになく饒舌に語る。
 俺はそれに驚きながらも嬉しくなった。
 何を作ったのか何を作っているのか聞けば教えてくれるけれど俺は自分から入っていかなかった。
 それは木佐木冬空の世界であって触れることはもちろん侵入など許されていないと思っていた。そんなことはないんだろう。楽しそうに年相応かそれ以上に幼い顔で笑うとあは何かを作るのが好きだ。
 木や陶器で虫を作って鍵をカモフラージュしたり壁紙をはがしたら虫(の置物)がびっしりというドッキリを仕掛けておいたりと茶目っ気がある。

 ただ少し気になったのは。
 
「その依頼人は……恋人に贈る部屋って言ったのか?」
「そうだ。きっと虫好きの恋人なんだろうな」 
 
 恋人が虫を好きだからと言って部屋の扉に内からも外からも複数の鍵なんか必要とは思わない。
 とあは疑問がないのか「その恋人はゴキブリを飼っていると言っていたから相当の変人だ」と言っていた。汚部屋の住人を監禁しようとしてるんじゃないのかと背筋が寒くなったが考えないことにした。知らないでいいことも多い。釣鐘さんいわく上顧客なら動いた金額も相当だろう。
 
「俺も堅太に」
「虫部屋はイヤだ」
 
 言わなければサプライをやられてしまう。
 そんなことしたら当然ながら実家に帰らせてもらう。
 
「いや、時間を設定して出られない部屋を作ろうかと思って」
「火事があったらどうするんだ。逃げられないじゃないか」
「……火事や地震に対応することを考えると確かにあまり安全ではないな」
「何かする時はちゃんと相談してから動いてくれ」
「玖波那に聞いておこう」
「俺じゃないのか?」
 
 玖波那に聞いてもらってもいいが、そこは俺じゃないのか。
 とあの頭の中にあるのは大学に進学した際に俺と二人での生活する家のことだ。
 大学在学中だけかそのまま住み続けるのかは知らないけれど、とあは部屋や家に仕掛けを施そうとしている。
 強盗対策にセキュリティは強化しないといけないかもしれないが、とあの言い方だと俺を逃がさないようにしようとしている気がする。
 
「堅太があの人の言葉を聞いて動いていたら俺との時間が減るじゃないか」
「あの人って釣鐘さん? 助手をしないかって言われたけど」
「そうしたら俺よりもあの人と一緒にいる時間が長くなるだろ」
「引き継ぐかとも言われたぞ」
「…………それはさすがに堅太に負担をかけすぎる」
「最初に自分のサポートをしてくれって言ったのはとあじゃないか。俺もとあの役に立ちたい」
 
 身体を震わせたかと思えば枕をバシバシ叩きだし、おいおいと思っていたら押し倒された。
 病院だとかそういうのは頭から吹っ飛んでる目をしている。
 自分が怪我人で病人だっていう意識もない。
 
「目が覚めたら看護師さんを呼ばないと……」
「どうせ詳しい検査は明日だ」
「変なことして体調崩したらどうする」
「堅太が俺のを口でしゃぶるか、俺が堅太のを口でしゃぶる、どっちならいい?」
「挿入しなきゃいいってもんでもないだろ」
 
 部屋の中に漂う空気に気づかれたら羞恥心で死ねる。
 それでも不満そうなとあの頭を撫でながら俺がお弁当の蓋を投げつけた場所に触る。
 痛いのか首を振るとあ。この反応は撫でられるのを嫌がる猫だ。
 触った感じたんこぶになっていたので動かさない方がいい。
 
「元気になったら何でも言うこと……一回なら聞くから、な?」
「なんでも、なんでも? なんでも??」
「実現可能なことな」
「今からすぐに可能だ。これから堅太に語尾に「にゃ」をつけてもらう。猫耳や尻尾は家に帰ったら用意するから待っててくれ。人工の猫皮はいろいろと取り寄せて吟味したから堅太用ぐらいすぐに作れる」
「実現不可能なものだな、それ」
「部屋の中……限定でも、ダメか?」
 
 メチャクチャ落ち込むとあの姿に仕方がないので「元気になったら、だからな」と言っておく。
 玖波那あたりには俺が甘いと言われるだろうし、雨音には心配されるだろうし、弟には茶化されるかもしれない。
 
「今日は堅太を抱きしめるだけで我慢するか」
 
 仕方がないと言い出すとあはどうしようもない男だ。
 閃いたような顔で「堅太がその気になったら別問題だよな」と、とあの手が俺の服の下に入り込んできたので迷わずナースコールを押した。
 以前なら看護師に見られようが何しようが止まらなかったかもしれないが今はさすがに常識を弁えてくれているだろう。たぶん。
 

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