副会長は何がなんでも頑張らない | ナノ

  048 副会長と寝ぼけた人のまさかの展開


 変に顔に熱が集まってきて落ち着かなかったので水を浴び続けてクシャミが出た。
 自分で自分に「落ち着け、落ち着け」と念じてみるがそわそわおどおどあたふたしてしまう。
 俺は人の気持ちを踏みつけにしている人間なんだろうか。
 たとえ多少は俺の自意識過剰だったとしてもハル先輩がそういう風にとれるような言い回しをしてくれたのだと思うと落ち着かない。
 
 ハル先輩は誰も特別が居ないと言われている。
 
 俺はそれがハル先輩なりの周りへの配慮だと思っていた。
 誰か一人をハル先輩が選べばハル先輩を好きでいる人は悲しい気持ちになるだろう。
 中学時代、浅川花火は自分に告白してきた相手と全て付き合うという気が多いというか慈善事業をしていた。慈善であることは疑問だが本人がそう称していたので慈善なんだろう。
 
 ハル先輩が本当に誰かを愛するんだったら生涯ただ一人だけだ。
 
 それは推論というよりもハル先輩という人間が常に「個人」で存在しているから。
 ハル先輩はたった一人で完成している完全な「個人」だ。

 人の相談に乗れたり物事の解決の糸口を見つけることに長けているのはハル先輩がすでに人間的に完成していて他者を必要としていないから。
 
 俺は目に見えて未成熟だけれどハル先輩、あっちゃん先輩、それに親衛隊に居る何人かはそういった完全な「個人」がいるのは分かる。「孤人」という言い方をすべきかもしれない。

 早熟して育ちすでに成熟しているように見える彼らは自分の人生の目標や目的を理解している。

 俺が居ても居なくても彼らの生き様は変わらない。
 すでに自分で選んで自分の道を掴みとっている。

 だから、そんなハル先輩だから誰かを求めるというのならそれは生涯でただの一回ぐらいのもののはずだ。
 
 元々他の人間を必要としていないのだから誰かを求めるというのは例外的なこと。
 ハル先輩は恋は誤作動だと言った。
 誤作動なら何度もあるわけがない。
 何度も誤作動を起こすのはどこかが壊れてしまっている証拠だ。
 
 求める相手それは替えの利かない相手であり、その相手だけに心を撃ち抜かれたり、心の穴を埋められたり、あるいはこれからそうなるだろうという期待がある。
 そういった人間は一生のうちに何人も現れない。
 だからこそ貴重で大切なものだと思える。
 
 どうしてそう俺が思うのかと言えば未完成であるものの俺が到達したい場所もまたハル先輩が進む一人の道だからだ。
 寄り添いあいたいし、人を信じて愛して愛されたい。
 けれど、依存せずに自分の足で立ちたい。
 自分の世界を確立したい。
 誰かに合わせた歪んだものじゃない。
 誰にも侵害されない自分の世界、自分の心。
 それを他人の手で歪ませたくないし。ちゃんと守っていきたい。誰かに迎合したくない。

 俺は俺の強い意志を持ちたくてたまらない。

 自信のなさを打ち砕き、怯えることもなく堂々としていたい。
 険しい道に見えて挫折しかけていたのにハル先輩はなんてことないように聞いてくれた。
 聞き流したんじゃない。俺の気持ちを汲んだ上で博人が俺に繰り返し「大丈夫」だと言ってくれたように見捨てずに傍にいることを選んでくれた。
 理解が遅い俺を呆れないで待っていてくれる。
 
『俺を欲しがるならちゃんと全部をあげるから安心しなよ?
 釣鐘晴太は朝霧きよらを得がたい人間だと思ってる。他の誰もきよらの代わりにはならない』
 
 俺がそんな大層は存在であるはずがないと思いつつもハル先輩の気持ちは嬉しい。
 博人に対してはどう反応すればいいのか困って告白をした博人自身に気を遣われてしまったけれどハル先輩に対しては誇らしいというような気持ちはあっても戸惑いは少ない。
 それはやっぱり博人から浅川花火を連想して怖かったからだ。
 博人に対して申し訳なく思ったり同時に考えるのに気が進まないのはどうしても浅川花火のことを考えなければならない。

 俺は俺が悪かったと一方的に見切りをつけて距離を置くことを選んで逃げたけれど、本当に友人だと思っていたのなら向き合うべきだった。痛くてもつらくても勝手に諦めて勝手に嘆いてそのくせ、引きずり続けるなんてバカのすることなのだと思い知った。
 俺のことを第一に考えてくれている博人に向き合えない理由が博人にないなんて、あっていいはずがない。
 きちんと決着をつけないといけない気持ちや見ないとならない現実がある。
 
「あぁ……もう少し、ここに居たい」
 
 ハル先輩にまだ顔を合わせにくいし、何よりも表情が戻ってきている気がしない。
 両手で顔を持ち上げてみるが自分は笑顔を作れているだろうか。
 
『気持ち悪い……それが笑顔のつもりでいるなら笑わない方がマシ。みんなそう思っている』
 
 俺が引きこもるに至るそもそもの原因の言葉がこれだが、正しいのは正しいのだろう。
 それを俺は飲み下すことも出来ずに浅川花火に同意を求めて最後通告を貰って終わった。
 
「上がったり下がったりする」
 
 博人の気持ち、ハル先輩の気持ち、それは嬉しかったし心強かったし許されている気持ちになったがどうしても彼のことを思うと心の芯が冷えてくる。
 でも、あっちゃん先輩のところに行くと言っていたので、さっさとシャワーから出ないといけない。
 頭を乱暴にかきむしってつい、目の前の鏡に軽く頭突きをしてしまう。
 人の家で何をしているのか自分自身に呆れて失望した。
 シャワーを止めて顔を上げる前髪が顔に張り付いて煩わしい。そろそろ切らないといけない。
 目元にある髪を払うのと俺がいる風呂場の扉が勢い良く開くのは同時だった。
 
 ハル先輩がシャワーが長いと口にするにしても外から軽くノックして話しかけてくるはずで浴室の扉を開けるなんていう暴挙をするはずがない。
 だが、視界に飛び込んできた相手はハル先輩よりも意外な人だった。
 
「あっちゃん先輩? なんで?」
 
 思いもしない侵入者。
 身体に残る虐待痕のようなものは幸いと言うべきかないが、よく見ると足の指がイビツであったり足の裏や踵のあたりは人とは違うかもしれない。
 それでも生まれつきこういった人もいるだろう程度に流されるはずだ。病院に行く必要が出る怪我はある程度の年齢になると姉も考えてやらなくなっていた。
 池に落ちたり足の指が骨折したりすることは俺の不注意が原因であり怪我をした俺の近くに姉がいたことはない。そういう事にされている。現実は彼女の一言で書き換わる。俺の訴えなど誰にも届かないで消えていく。ただ一人だけが俺の真実を知っているのかもしれないが名前も知らない彼らと会うことはない。お金だけで繋がっていた相手に何かを求めるのはそもそもが間違っていた。
 
「きよ、大丈夫か?」
 
 服を着たまま浴室に侵入したあっちゃん先輩は俺の身体をペタペタ触る。
 いやらしいものじゃないけれど、混乱した俺はその手を振り払おうとした。
 だが、あっさりと両手を片手で押さえつけられた。
 不思議と痛みもなくただ体に力が入らない。
 抱き上げられて身体を隅々まで観察される。それはさすがに恥ずかしい。
 指先から手首、脇の下から胸や腹、脇腹まで一通り撫でられる。
 どうしてこんなことをされないといけないのか、どうしてあっちゃん先輩がこんなことをするのか分からず、ただ自由になった手で顔を隠して時間が過ぎるのを待った。
 
「心臓がすごく高鳴っているが大丈夫か?」
「だい、じょうぶ、じゃ……ないです……ぅぅ」
 
 あっちゃん先輩は大きいとは思っていたけど俺だってチビってわけじゃない。
 それなのに片手で抱えあげられて壁とあっちゃん先輩に挟まれて宙に浮く日が来るなんて思うわけない。
 ちょっと体勢が苦しいと思ったら浴室に置かれていた椅子に座らせられた。
 そして足を開かされた。
 
「ちょ、ま、ちょっと待って、待ってください」
 
 なんで?
 あっちゃん先輩、酔っているの?
 
「自分が何をしているのか分かってるんですかっ!?」
「分かっている。俺がしているのは確認だ」
「確認? ですか?? なんの?」

 思わず椅子に座らせられて足を開いて性器をあっちゃん先輩の眼前に晒している自分の恥ずかしい格好も忘れて俺は首を傾げる。
 
「釣鐘がきよに何もしていないのか見ている」
「へぇ、あぅえ?」
 
 意味のある言葉が口にできなかった。
 ハル先輩の家で朝にシャワーを浴びていたから?
 あっちゃん先輩にとってハル先輩は軽いイメージなんだろうか。
 それとも俺がそういうことをしそうってこと?
 
 たぶん、情けない顔をしたのだろう何故かお湯が出ることを確認してからシャワーを俺にかけてきた。
 服を着ているのであっちゃん先輩はびしょ濡れだ。さっきから濡れていた俺に触っていたがシャワーが自分にかかっても気にせずに俺の身体を温めるようにお湯をかけてくる。
 
「釣鐘と何もなかったとしてもこんなに身体を冷たくさせては風邪をひいてしまうだろう」
 
 もっともらしいことを言っている気もするんだけれど、おかしい。
 あっちゃん先輩はそのまま俺の身体を洗おうとしてくる。
 いやいや、おかしい。
 
「……もしかして、あっちゃん先輩、寝ぼけてます?」
 
 俺はあっちゃん先輩がボディーソープに伸ばす手を掴んで止める。
 しばしの沈黙の後に「きよらはスゴイね」と聞こえる声。
 風呂場の扉は少し開いていてハル先輩がケータイ片手にこちらを見てる。
 勘違いでないのならケータイは今の状況を録画しているんじゃないだろうか。
 
「秋津は死ぬほど朝がダメで……って、死ぬのは秋津以外だけどな。
 自動で活動するから野放しにすると危ないんだ」
 
 つまり今のあっちゃん先輩は危険だと?
 危険なあっちゃん先輩を放置するのはどうかと思うとハル先輩をちょっと睨みつけてしまう。
 
「わざわざきよらを連れて起こしに行かなくてもきよらがここに居るなら秋津が来るかなーと思って」
 
 電話したとハル先輩は軽く言う。
 
「釣鐘からきよが自分の隣で寝ている……いや、今はシャワー中だと電話が来たから急いできた」
「人の家に土足で入ってきたぐらいに急いでたな」
 
 苦笑するハル先輩の言葉に俺はあっちゃん先輩の足元を見る。
 重そうな鉄下駄。
 
「ちょっとした冗談ってか、本当のことしか言ってないのに玄関が壊れちゃった……」
 
 少し落ち込んだ様子のハル先輩に俺はクシャミをした。
 玄関が開いたままと聞いて風が入ってきている気がして寒気に震える。
 脱衣所の扉は閉めているだろうから気のせいだろうけど鳥肌が立った。
 
「湯船につかるんだ。風邪をひいてしまう」
 
 さっきから風邪を心配してくれるあっちゃん先輩だが濡れた服のままのあっちゃん先輩の方が風邪を引きそうだ。
 俺はあっちゃん先輩の服を少し引っ張って「一緒に入ります?」とたずねた。
 ここまで来たらあっちゃん先輩はさっさと裸にして一緒に入ってしまう方がいい。
 あっちゃん先輩のほっぺたをペチペチ叩く。
 別に噛みついてきたりしない。
 
「まだ、ちゃんと起きてませんよね」
「きよら、よく分かるね」
「…………俺がジッと見るとあっちゃん先輩はいつも、もっと、なんか、アレです」
 
 よく分からないけれどあっちゃん先輩は戸惑っているようなそわそわした感じを出す。
 そして急にキンッと冷えた空気が降りてきたり殺気のようなものを感じて鳥肌が立つ。
 
 ついつい自分の首が繋がっているかどうかを確認するぐらいに鋭い見えないプレッシャーを放ってくるのがあっちゃん先輩だ。
 
「……いまは、なんだか、無害っぽいですね」
 
 ふふっと笑うとハル先輩が「身体中を撫でまわされて恥ずかしいポーズをとらされても笑って済ませるきよらは間違いなく大物だ。それは誇っていい」と真顔で言った。
 
「自動的に動いてるから正直ただの野獣だぞ。この時間は……」
 
 頭の中で大型動物だと思ってあっちゃん先輩を見るとなんだかかわいい気がしてきた。
 服を脱ぐ気がないのか寝ぼけているから動かないのかあっちゃん先輩は濡れた服のまま中腰で俺の隣にいる。
 
「俺の身体を洗いたいならちゃんと服を脱いでください」
 
 言い聞かせるようにするとあっちゃん先輩はキビキビとした動作で濡れた服を脱ぐ。
 鉄下駄も脱いで浴室の外へ置くと見せかけてハル先輩に手渡した。
 玄関に持って行ってくれという無言の訴えだろうか。
 ハル先輩をアゴで使える人間などあっちゃん先輩ぐらいだ。
 
「この時間帯の秋津に言うことを聞かせられるなんて……きよら、これはお金をとれるレベルだ」
「何を言ってるんです」
「秋津は基本的に温厚だけどこの時間帯は自動、つまり頭で考えないで物事を処理してるから行動がどうしても動物的になるし……本人に記憶がないくせに行動は的確なんだ。誰かに襲われたら脅威にならない程度に壊すからな」

 壊すってなんだ。誰かにって言ってるから人?
 人を壊すって表現するわけないから襲い掛かってきた人が持ってる武器とか?
 
「きよらに何かするわけないと思ってみてたけど……ここまでとは……」
 
 何がここまでなのか分からないけれど俺は自分が座っていた椅子にあっちゃん先輩を座らせて身体を洗った。これが脱いだらすごいとか肉体美というやつなんだろうと今後はないだろうと心行くまで触りまくった。セクハラじゃない。あえて言えばお返しだし後輩から先輩への労りみたいなものだ。
 俺はしたことがないけれど父親や目上の人の背中を流すのはフツウのことだ。
 浅川花火が憧れていたシチュエーションを俺が横取りしているのが少しだけ気になる。
 いいや、彼は父親の背中を洗ったことがあるのだろう。
 そんな話を聞いたことがある。
 
 幸せというのはささやかで吹けば飛んでいくタンポポの綿毛のようなものなのかもしれない。
 
「来る時に転んだんですか? 葉っぱがついてます」
 
 あっちゃん先輩の髪についた葉っぱの中にタンポポの綿毛を見つけた。
 違うかもしれないけれど綿毛だと思うことにする。
 タンポポが俺は好きだ。
 
 俺は誕生日にろうそくを立ててそれを吹き消すということをしたことがない。
 誰にも言っていないけれどちょっと憧れがある。
 ろうそくを吹き消す代わりに綿毛を飛ばす。息を吹きかけて飛んでいく綿毛。つらさも幸せも全部風に乗ってどこか遠くへ行く。
 そう思うとなんだかとってもおかしくて俺はバカみたいに笑って、そして、泣いた。
 
「門を乗り越えようとして警備員に捕まりかけたから木を伝って侵入した」
「塀や柵がどれだけの高さだと思ってんだ。そういうことするからお前の化け物伝説に拍車がかかる」
 
 呆れたようなハル先輩の言葉にあっちゃん先輩の武勇伝は寝ぼけてやらかしちゃったことなのかもしれないと納得がいった。
 あっちゃん先輩と武勇伝の伝説の仕置き人や機械仕掛けの暗殺者のイメージが違いすぎる。
 そんなにあっちゃん先輩は物騒じゃない。
 
「目を閉じててくださいね。流しますよ〜」
 
 人の髪の毛を洗うのが楽しいとは思わなかった。
 これは誰かじゃなくてあっちゃん先輩だからかもしれない。
 いつもは隙を見せない人が隙だらけ。
 
 俺があっちゃん先輩を好き勝手している、そう思うとなんだかニヤケてしまう。
 シャワーのおかげにしては今更なぐらいに身体がポカポカ暖かくなってきた。
 
 
 そして、俺とあっちゃん先輩は湯船につかった。
 あっちゃん先輩は俺を後ろから抱きしめるようにしたかと思うと静かになった。
 もしかして眠ってしまったんだろうか。
 
 のぼせる前に上がろうと思ったがあっちゃん先輩の腕はがっしりと俺の身体にくっついて離れない。
 ベルトみたいだ。
 シートベルトをしたままでは立ち上がれない。
 俺の今の心境はそれ。
 
 一旦、浴室から去って行ったハル先輩をなんとか大声を出して呼ぶ。
 動くとあっちゃん先輩の肌と自分の肌がこすれあうことになってなんだか恥ずかしい。
 そして気のせいじゃなければあっちゃん先輩の腕を外そうとすると逆に締め付けが強くなっている。
 
「あぁ。秋津が正気に戻るのは大体七時半ぐらいかな」
 
 今が何時か知らないが七時半になるまで十分二十分じゃ済まないはず。
 
「あ……一度寝たらまた起きた時が危ないから寝そうになったら叩いとかないと」
「叩くってあっちゃん先輩をですか?」
「まあ叩くと反撃してくるけどな」
 
 なんか壊しちゃうような野獣なあっちゃん先輩の相手をハル先輩は毎日しているということを考えるとハル先輩の強さの秘密が分かってしまった。
 やはり実戦経験こそが全てなのかもしれない。
 剣道部が強いのは毎日の練習の成果なんだ。
 
「秋津、きよらがお腹空いて泣いちゃうから風呂から上がらせてやれ」
 
 ノックするようにあっちゃん先輩の頭を拳で軽く叩くハル先輩。
 昔からの付き合いだというからあっちゃん先輩の扱いはお手の物なんだろう。
 
「朝食はきよか?」
「泊めてもらったんですから作ります。……前にハル先輩が言ってたホットサンドにしましょうか」
「こら、きよらの髪の毛をはむはむすんなっ」
「あっちゃん先輩は寝ぼけてるとかわいいですね」
「かわいいというかあからさまだな。正気になった時に切腹しようとしなければいいんだけど」
 
 ハル先輩は大袈裟だなあとその時は思っていたけれどホットサンドの中に潜んだ熱々のトマト爆弾にあっちゃん先輩は驚いて完全に目を覚ました。
 そして、言われた第一声。
 
「責任はとる」
 
 何がだろうと俺は床に頭をつけようとするあっちゃん先輩を止めた。
 ハル先輩はケータイで録画していたお風呂場での一部始終をあっちゃん先輩に突きつける。
 本当に覚えていないらしく顔を青ざめて身体を震わせるあっちゃん先輩。
 そんなに気にしなくてもいいと思う。実質的な被害は俺じゃなくてハル先輩の家の玄関や警備員さんのお給料である気がする。いや、ハル先輩もあっちゃん先輩を止められないからって警備員さんに減額を言い渡したりはしない?
 でも、知り合いとはいえ不法侵入を許してしまったのは警備的に問題があるから減給とかあるんじゃないかな。
 
「責任をとって、きよのことはちゃんと嫁にもらおう」
 
 安心して俺のところに来てくれと言われて俺が言えることといえば一言だ。
 
「なんでやっ!」
「なんやて、じゃないんだな」
 
 ハル先輩のツッコミに「なんやてっ!」は驚きで「なんでやっ!」は拒否だと教えてあげた。
 それが地方ルールのような浅川花火ルールなのか全地域共通なのかは知らない。
 
 
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タンポポの花言葉は「真心の愛」「愛の神託」「思わせぶり」「別離」とかなので恋愛談義や今後を考えてタイムリー?

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