ビッチ先生はヤンキーが好き
タイトルそのまま……ビッチ的には手前?
チャット表現あり。
さすがに自分で答えを出すことができない。
悩みに悩んだ挙句、他人の意見を聞くことにした。
交流機能のあるゲームを始めたのは最初は暇つぶしだった。
ゲームの攻略内容とは関係ない話題で盛り上がるので毎日のこと。
世間話を顔を知らない相手とするのは案外楽しいことだった。
会話がメインではないので必要最低限の機能しかなくログは残らない。
勢いで失言したとしても時間が経てば消えていく。
その空気が気に入っているのでダンジョンに潜ってレベルや進化素材を集めることもせずに流れる文字を読んだりする。
学生と仕事の合間にしている社会人が主だが、廃人といわれる常時ゲームにいるニートにしか思えないやつが面白い人間模様を作り出している。
ソシャゲにありがちらしい出会い厨なんかはいない。
ゲーム以前に元々の知り合い同士が実家に戻るのはいつと話していることはあるがそれだけ。
リアルの人間関係よりも気楽だ。
自分よりも年下かもしれない相手にアドバイスを求めることを微妙に思う気持ちはあるが、必要なことだ。
夕方で学校が終わって学生たちがログインしている時間帯。これよりも後になると夕飯のために人によってはゲームをしなくなる。
緊張しながらも「学校終わったー」と書き込む。
すぐに「おつかれ」と複数から反応があった。
GT:リア充おつって言わないで聞いてほしいんだけど
わんわん:リア充おつ
にょろり:リア充おつ
ニワトリ:リア充おつ
GT:意地悪なメンバーしかいないwww
わんわん:リア充の異次元な話はキライじゃない
にょろり:十万文字ぐらいに書き出してくれたまえ
わんわん:たまえー
GT:十万文字もねえわ
わんわん:三分だけね
わんわん:こんなサービス滅多にしないんだから
ニワトリ:それ誰のセリフだっけ
ニワトリ:既視感バリ
GT:仮に、の話だけど
GT:オレが膝小僧が出る半ズボンが似合う少年が好きだとするじゃん
にょろり:ショタコンか
にょろり:いいと思います
GT:如何にも男の子タイプの少年
GT:野球少年とかサッカー少年とかやんちゃな感じのがいいのよ
わんわん:リア充は!?
わんわん:いつになったらリア充になるの!!
GT:で、オレは少年にめっちゃモテるの
GT:男の娘とか女装男子とかロリショタみたいな相手からモテるの
わんわん:だから?
GT:どうすればいい?
GT:少年っていう広い意味なら好かれてる相手も許容範囲ではあるんだよ
GT:メスすぎるけど少年は萌える
くもりよ:ROMってたけど
くもりよ:メス言うな
GT:本来は少年らしい少年が好みなわけで
GT:ロリショタとかほぼ女の子みたいな男の娘は違うって言ったら違うっていうか
にょろり:属性は細分化すると派閥争い大変らしいね
にょろり:ライト層こそ勝ち組ですよ
にょろり:全部浅く広く楽しむのさ
ニワトリ:ゆずれないものがあると首が締まる、なるほど
ちょっと深い話を聞いたような何の発展性もないような。
オレは「よろこべないモテ自慢というリア充な話」と書き込む。
すぐに「妄想おつ」と一斉にコメントがついた。
誰も信じちゃくれない。
わんわん:で、本題は?
GT:好みのサッカー少年はオレが嫌いで性格は最悪
GT:好みとはズレるロリショタはオレのことを大好きで性格は最高で弟や息子にしたいレベルでオレからの好感度も高い
GT:ロリショタに告白されて受け入れたい気持ちが強いけど
GT:今までの自分の好みにピッタリ当てはまるのは別人で困ってる
GT:好みだけど性格的に好きじゃないどころか近づきたくない相手と好みとはズレるけどすでに両思いな相手
GT:選ぶならどっち?
わんわん:性格地雷で見た目が好きは一緒にいて疲れる
わんわん:でも慣れる
わんわん:人は順応するものだから
くもりよ:実感こもってそうwww
わんわん:性格地雷でも相性が悪くなければ抜け出すタイミングを見失う
にょろり:このぐらいなら対処できるって思っちゃうからね
にょろり:わんわんは
にょろり:そして逃げられない
わんわん:退路はあるはず、きっと
ニワトリ:好きな相手は間違わない
ニワトリ:迷うならどっちも偽物
くもりよ:極論合戦キマシタワー!!!
どうしてオレがこんなことをゲーム仲間に話しているのかというと今現在の状況の異様さから説明しないとならない。
現在、ソファに座るオレの足の間にいるのは三年の不良ふたりだ。
彼ら自体というよりオレをとりまく空気が異常。
センセイ、センセイと威嚇しているとしか思えない低い声でオレに声をかけてきた二人は教師を脅そうと思っているのではなくオレのチンコをしゃぶりにきた。
見た目に反してメスの目をしている。
オレはどこまでも恵まれた人間でヤンキーというのを非日常的なものだと思っていた。
貧しさや親からの虐待などによる不遇な幼少期の家庭環境など性質の悪い作り話にしか感じない。
性質の悪い創作。
親が子供に暴力をふるったり殺すなんていくらニュースで見ても嘘だと思った。
自分の見える範囲で考えていたオレにとってヤンキーは幻の存在になっていた。
高校までは全寮制の男子校だったこともありオレにとってヤンキーは遠いもののままだった。
噂には聞いたことがある天然記念物。
現実感のない読み物として恵まれない子どもの成り上がりストーリーなどをオレは好んでいた。
そして、大学になり行動範囲を広げたオレは簡単にヤンキーに絡まれ殴られ金をとられた。
怒り悲しみ悔しさ恥ずかしさなんてない。
ちょっとした感動に浸るぐらいだ。
そして、大学で知り合ったホストでバイトをしているという男のセンパイというヤンキーと付き合った。
男同士であるとか素行が悪くお金にだらしなく欠点だらけの人格も暴力的なところも全てが好きだった。
数百万の借金をオレに背負わせて初彼氏は消えた。
それでもまだオレを殴り罵倒していた彼氏を憎む気持ちがなく元気にやっているのか心配している。
結婚詐欺師だと知りながらお金が戻ってこなくてもいいからまた会いたいと思う女性の気持ちに共感してしまうがオレの中にあるのは珍獣を愛でる気持ちだろう。
同情を嫌うヤンキーに思い切り同情と愛情と興味を持っているオレは反省することがなかった。
借金は一旦、親に立て替えてもらいオレは教師になり給料のほとんどを両親に渡して借金の返済に充ててもらった。
趣味らしい趣味は特になく学校にいるヤンキーを観察することぐらいしか生き甲斐がない。
ヤンキーはヤンキーらしく夜遅くまで街をうろついて帰る場所がないようなので教師として夜のパトロールをして自分の学校の生徒を捕まえた。
それにやましい気持ちなどないがヤンキーたちは最初は迷惑そうな顔をするのに次第にオレに見つけられて説教を受けたりオレの家に来るのを待っているとしか思えないような行動に出る。
愛に飢えているヤンキーがかわいいのでかわいがりすぎたらいつの間にかヤンキーのハーレムを作ってしまった。
男子の工業高校で勉強に熱心な生徒の少ない学校だったがオレの授業だけ出席率が良くなり、オレと一緒に勉強会まで行うようになった。
多感な時期の生徒たちが数年しか違わないとはいえ教師という大人なオレに憧れを抱くのは分かる。
だが、みんながそろいもそろって「センセイになら抱かれてもいい」と言ってくるとは思わなかった。
気持ちいいことをしたいだけなのかもしれないが髪を脱色して人によっては歯が溶けていたりタバコ臭かったりするヤンキーたちがキラキラした瞳でセンセイ、センセイ求めてきて仕方がないから抱いてやろうと思わなくもない。
どちらかといえば抱くより抱かれたい側だが大人としてかわいいヤンキーたちとしごきあいだけをした。
たぶん、挿入さえなければいろいろとセーフだ。
それから数年、ヤンキーを更生させすぎて学校の偏差値を上げてしまい入学してくるのがヤンキーではなくなったのでオレは困った。
全寮制の男子校が乱れているので教師として来てほしいという打診があったので今の学園に来ることになった。
工業高校のような荒れ方ではなかったが確かにささくれ立った生徒は多かった。
それもオレが赴任して半年もすると収まった。理由はたぶん、風紀委員会が機能するようになったからだ。
風紀委員会の顧問ということでオレはいろんなヤンキーっぽい強面にコンタクトをとった。
大体、ある程度の裕福層に属している人間たちだったのでオレの家柄というのが役に立った。
オレはオレ好みの頭の悪そうなヤンキーを風紀委員会に入れて愛でることにした。
結果、学園の空気は変わったがオレの楽しみは当然減った。
大柄な不良、どう見てもヤンキーがメスの顔で「センセイのチンコほしいっす」という姿はなかなかにインパクトがあるがこれはこれでかわいい。
ただ、強面ではあるがどこかマゾっ気がありオレに攻められることを望んでいるメス顔には欲情しない。
最低の暴力野郎でもオレがオレがと前に出るような荒っぽく馬鹿みたいに短気な元カレのほうが雄々しくてチンコは反応する。
ちなみに元カレとは肉体関係がなかったので男同士での抜き差しは未体験だ。
生徒たちとはキスやこきあいはしても一線は越えていない。
越えたい相手も今のところあらわれていなかった。
そう、あらわれていなかったという過去形になる。
最近復学した性格の悪そうなヤンキーが見た目と言動ともに元カレとそっくりでツボだ。
なにか問題行動を起こしているわけでもないので気を配る程度しかしていないがとても嫌われている。
教師という存在に不信感を抱いているようなヤンキーぶりにオレの心は熱くなる。
一匹オオカミとして周りと混じらないスタンスも非常にクール。
ヤンキーの中のヤンキー、ベストヤンキー賞を受賞させたいぐらいにヤンキーだと周囲にアピールし続けている。
人生が楽しくなったと思っていた中でオレは告白された。
工業高校のほうの卒業生でありオレが更生させたという扱いになっている生徒だ。
バリバリの悪という見た目だったそいつはオレに見合う男になるために勉強を頑張り教育実習生として学園にやってきた。
全寮制の高校なので教師も寮に入る。
教育実習生の部屋も当然用意されてはいるがあいつはオレの部屋に押しかけてきた。
強引な行動をとられると反射的にときめく性質なので真面目で優等生な見た目になったあいつでも昔のヤンキーらしいやんちゃなところが見えてドキドキした。
教育実習の期間が折り返しになった時にオレは告白された。
もちろん、元教え子であり現在は後輩になる更生したやつに、だ。
オレが気になっているヤンキーオブヤンキーからは蛇蝎のごとく嫌われたままだ。
告白自体は卒業する際にもされたが「外の世界を知ってもまだオレがいいと思うなら考えてやる」と返していた。
そのときはまだバリバリのヤンキールックだったのでシチュエーションも含めてときめきまくっていた。
今は普通の黒髪でカラコンもしていないしピアスもないどころか眼鏡をしていて弱そうにすら見える。
昔のヤンキーのときとのギャップに身悶えられるほどの上級者になっていない自分が恨めしい。
にょろり:自分好みに相手をカスタマイズに一票
わんわん:さすが蛇さん冴えてるー
わんわん:好きな相手に頼まれたら男の娘もサッカー少年になるね
くもりよ:なるか?
オレがゲームの交流機能で聞いた少年らしい汗臭い少年と女の子にチンコがついたような少年という仮定で話したのはさすがに自分のヤンキーに対する性癖を並べるのが恥ずかしかったからだ。
元気のいい野球少年もといタバコ吸ってそうなヤンキーがオレの前ではキラキラとした瞳の乙女になる。
チンコしゃぶってオレに奉仕しているヤンキーというか元ヤンキーで現風紀の生徒たちはかわいいはかわいい。
残念ながら恋愛対象じゃない。
頭を撫でてやると喜んでオレのチンコに吸いつくようなエッチな体になったのは全寮制で他に娯楽がないからだろう。
同級生やセンパイよりも教師であり恩師的な立場にいるオレに心を開いている。
GT:男の娘が嫌いじゃないけど興奮はしねえんだよなあ
GT:まあ男の娘がサッカー少年になったらハッスルするだろうけどさ
にょろり:これは「愛されたい」か「愛したい」かの問題だ
にょろり:本当のところは見た目なんかどうでもいいんだよ
にょろり:GTが相手に求めているのが愛してもらうことか愛を受け入れられることか
ニワトリ:深い
くもりよ:追われるよりも追いたいって人はたしかにいるね
くもりよ:追うのが好きで逆に追われるとウザったくなっちゃう
わんわん:あなたの真実は
くもりよ:Give me your truth
オレはどうなんだろう。
ヤンキーの中のヤンキーのことを思うとお尻がむずむずしてきて射精感がこみあげてくる。
だからといって元教え子でオレの部屋に居候中の教育実習生が夕飯を作っていることを思うと心はおだやかであたたかい気持ちになる。
オレのチンコをしゃぶって発情してる元ヤンキーの欲望に濡れたメス顔も嫌いじゃない。
懐いてくれて嬉しい。
オレはまず自分のことを知るために抱かれることを覚えるべきなのかもしれない。
目の前の元ヤンキー現風紀がオレを抱けないなら抱けないでその反応にオレがどう反応するのかでもまた今後のことを考える材料になる。
ヤンキーの格好ではないとはいえオレを追いかけてきた元教え子に情がないわけがない。
まずは抱かれてそれから考えてもいい。
ヤンキーの中のヤンキーを好きだと改めて思っても生徒なので手を出さずに見守る覚悟はできている。
それとも案外、風紀の人間とどうにかなるんだろうか。
GT:カミングすーん
わんわん:告白してきた男の娘に野球少年にしか興奮しないってカミングアウト?
くもりよ:先延ばしか?
くもりよ:へたれか?
わんわん:どうでもいいからリア充話おくれ
どんな結果になっても報告はしようと思った。
※元教え子とくっつくか風紀の子たちとヤっちゃってビッチ先生街道を突っ走るかヤンキーに強姦されて悦んじゃうか、史上最強のわんわん軍団の見解は〜とか言いたくなる話。
作中のショタの違いってわかりにくいですかね?
温泉で真っ裸で走り回って転ぶようなショタと裸なのが恥ずかしくてもじもじしたりタオルで胸までガードするようなショタ。
前者は髪の毛が短髪、後者はおかっぱ。
どっちもかわいいショタですがタイプは違いますよねーという。