・俺の反抗期をみんな許してくれないらしい(↑続編/過去話)

「どうして俺は怒られているんだろう」の高一の時の話。



 高校デビューとばかりに髪の色をピンクにしてみた。
 似合わないのは分かってるが少しパーマをかけて髪にボリュームを出してみた。
 加えて服装もゆったりだらっとしたものに変えた。
 ピアスはまだ怖いのでそれっぽいシールを耳たぶにペタリ。
 
 中等部で生徒会長なんてしていて高等部でも二年生から会長になるのを前提に補佐か書記になるように事前に打診があった。生徒会役員はきっちりと制服を着なければならないかもしれない。
 
 だが、俺はあえてその前提を覆す。
 
 俺は短い学生時代をきっちりと遊びたい。
 好き勝手に生きていたい。
 青春は輝いている。

 ってわけで、高校デビューをしてみたのだ。
 
 登校初日に担任に呼び出されて全身の写真を撮って見せられた。
 自分がどれだけ恥ずかしい格好をしているのかと写真で確認しろということだろう。
 俺は自分の格好は鏡で見て知っていると写真を見ることはしなかった。
 ここで我に返ったら逆に恥ずかしい。
 
 ずっとこのスタイルでやっていけばきっと俺の学生時代はこういうものだと決定づけられる。
 半端に折れちゃいけない。不良ルックを極めるのだ。
 担任は俺の説得に失敗したことを悟ったのか俺の手足を縛り上げて中等部でも生徒会の先輩としてお世話になった現生徒会長を呼び出した。
 
 自分の後継者は俺しかいないと言ってくれていた先輩なので今の俺の反抗的な姿は裏切りかもしれない。
 それでも、俺は止まらない。止められないのだ。なぜならそれが反抗期だから。
 
 手足を縛られ、口に布をくわえさせられた状態で先輩と対面する。
 溜め息を吐かれて髪の染め方が雑だとダメだしされた。
 
 美容院でピンク色にしてくれなかったので市販品を組み合わせて染めたのだ。
 ムラがあったらしい。
 
 先輩がシャツのボタンを大胆に開けてズボンをずらすというパンクな格好にしてくれた。
 俺の気持ちが分かってくれたのかと思えばパンツの中に卵の白身を入れられる。
 さすがは先輩。
 ゆるゆるでだるだるな格好をしているとこうなると教えてくれている。
 
 尻の穴に指を入れられるという謎の行動の真意はともかく不良の格好をしている俺が生徒会長にお仕置きされているという構図はなかなか青春の熱血な風景かもしれない。
 
 激しく指が抜き差しされるとぬちゃぬちゃと音も激しく立つ。俺の下半身もなぜか勃った。
 これからどうするのかと思ったら先輩は写真を撮っていく。
 しばらくすると扉が開かれて馴染みの顔が美しすぎて怖いことになっていた。
 
「怒んな、怒んな。……オレたちは、ほら馬鹿が馬鹿しすぎないように隔離してたわけだ」
 
 中等部で一緒に副会長をしていた美人顔な彼は怒ると怖い。
 先輩や教師だって簡単に怒鳴りつける。
 
「頭ん中がお花畑なんだからせめて見た目はちゃんとしろって言わなかった……っけ?」
 
 確かに言われた覚えがある。
 しっかりしろって言われても俺はダメだから副会長が「ずっと面倒見てやる」って言ってくれた。
 食事も課題の締め切りも全部、管理してくれているハイパーに有能な彼だがシャツのボタンをきっちりハメていないと怒りだす。
 口にくわえさせられていた布をとって副会長が俺の頬を撫でた。
 
「そんなにピンクになりたかった?」
「……変か? パンクじゃない?」
「卑猥。……わいせつ物陳列罪で逮捕」
 
 まさか俺が犯罪者だったなんて考えもしなかった。
 ぬるぬるになっている俺の尻を副会長が一瞥。
 手足の拘束を解かれて「四つん這いになれ」と言われた。
 ちなみに教師も先輩も俺を見ている。
 だが、大体の場合、彼が正しいので従うことにしている俺は反抗期を忘れて素直に四つん這いになった。
 
「悪い子にはお尻百叩きな?」
 
 パチンっと大きな音を立ててお尻を叩かれる。
 痛みはさほどなかったがビックリして腰が落ちる。
 
「まだだ」
 
 お尻にぬるぬるを広げるようにして副会長は俺の尻を叩く。
 一回叩かれるたびに息が止まる。
 痛みはそれほどないはずなのにお尻がジンジンしてくる。
 下半身が熱い。
 
 何度か副会長の手の平を受け止めていた俺のお尻だが最終的にブラスチックの定規で叩かれた。
 手で叩くと疲れるらしい。
 
「ケツを大切に!! して!! ください!!」
「言葉遣いが悪い」
「おしり、いじめないで、くださいっ」
 
 ちなみに俺の言葉の間にパンっ、パンっと定規で叩かれている。
 スパルタだ。これがスパルタ指導。
 
 担任と先輩は「眼福だ」「尻を叩くだけで勃起させられる技術は今の副会長にも教えてやって欲しいな」とコーヒーを飲みながら楽し気に話している。俺を庇ってくれる様子はまるでない。
 
 いつも副会長が怒ったら周りが「まあまあいいじゃねーか」とか「許してやってよ」なんてフォローしてくれるのに今回は放置だ。
 これはきっと俺の反抗期を許してくれないからだろう。
 反省しないといけない。お尻を叩かれる前に気づけという話だが俺は涙目になりながら「まじめになります」と誓った。
 
「淫乱なピンク頭で犯してくださいって緩い服装して歩き回っていいわけないっしょ?」
 
 よく分からないが俺の反抗的なファッションは全面的に批判されている。
 一度でいいから腰でズボン履いたりするルーズな格好をしたかった。
 でも、ずるずるな格好をしているとズボンの中に卵を入れられるのか。それは嫌かもしれない。
 
「そんなに不良になりたいならココにピアス刺す。……それでいい?」
 
 乳首をギュッとつままれて俺は完全に降参することに決めた。
 俺の反抗期を周りはみんな許してくれないらしい。
 
 翌日にまじめな格好の俺の姿に綺麗な笑顔で「よくできました」と褒められたのでいつも通りも悪くないかもしれない。




※先輩(現生徒会長)に「家出してやるって言って友達の家に行っておかし食べてるタイプだよな」と言われたりする主人公。


普通に服を着て真面目にしてると偉そうな男前なのに着崩すと無駄にエロい。ピンクも変に似合っててマズいので堅苦しいぐらいの見た目がちょうどいい次期生徒会長さん。
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