「一周年記念
単語リクエスト企画」
リクエストされた単語はラストに掲載。
先に知りたい方は「
一周年記念部屋、単語リクエスト企画」で確認してください。
非王道学園、クズ×ブサイク両性。
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くるしい、死ぬ。
咳きこみたいのにできない。
頭を抱え込まれて好き勝手に動かれている。
口を閉じることを何度も考えたが怖くてできない。
元々おれは気が弱くて人に逆らうことを知らなかった。
リーダーシップをとって引っ張って行ってくれる人が好きで、強い意思を持っている人の近くにいると安心した。
同じクラスで同室になった転入生である瑠璃川(るりかわ)一鷹(いちたか)に対しても憧れに似た感情を持ち合わせていた。
彼は理事長の親戚で優秀で美形だからこそ自信に満ちており傲慢だったがそれもまた格好よく見えた。
女性関係でトラブルを起こしたので男しかいない全寮制の学園に来た一鷹は歯に衣を着せない。
初対面のおれに「生きにくそうな顔面偏差値だな」と失礼なことを言ったかと思えば女性がいない不満を語る。
一鷹が転入してきて数日経ったある日におれは押し倒された。
禁欲生活に耐えられないと言い出すのはまだ分かるがこれから犯そうという相手に向かって「おまえで勃起するんだから相当飢えんなー」と堂々と喧嘩を売ってきた。
逃げようにも逃げられない。
体格が同じように見えても筋肉は一鷹の方がついていたらしい。
モテる男は身体から違うのだろう。
そして、下半身がさらされておれは隠していた秘密がバレた。
包茎だとかじゃない。
おれには女性器、膣がある。
両性なのだ。見た目は男にしか見えないが子宮もあり子供が産める身体をしている。
気味悪がるのかと思ったが意外にも一鷹は喜んだ。「オメガバースか」と意味のわからないことを言っていた。
そのまま処女を散らしたことは葬っておきたい過去だ。
同室者である一鷹とは毎日、会う。
そして度々、性欲処理に付き合わされる。
一鷹にとっては女性がいない中で膣に挿入できるなら日頃「直視できない顔」とか「もう少し着る服を考えた方がいい」と侮辱するようなルックスのおれでも構わないらしい。
おれの私服をクソダサイと吐き捨てて裸にして放置した揚句に気が向いたときにレイプしてくるクズだ。
男同士だから何しても合法だとでも思ってるんだろうか。
冗談にならないほど労りがない。
挿入されすぎて膣が痛いと訴えると口を大きく開けさせられて今現在。
一鷹に嫌だと訴える勇気さえあれば少しは違ったかもしれない。
あるいはもっと酷い立場になるかもしれない。
人を言いなりにして今まで逆らわれたりしたことがない一鷹は反抗的な態度に敏感だ。自分の敵を叩きつぶすことに積極的だ。
そのせいで転入してきてあっちこっちで揉め事を起こしてきた。
理事長の親戚とはいえ自分の思い通りに全てがいくわけじゃない。それを分かった上で一鷹は無茶を言う。つまり他人を試している。
そして、おれは一鷹の無茶な要求を飲んでしまう癖がついていた。
強い口調の相手に従うのが正しい気がしていた。
正しいからこそ自信がある。
間違ったことを自信満々に言う人間なんかいない。
「っ、……だすぞっ」
どうしてか射精の合図をしておきながら腰を引かずにおれの喉にちんこを突き立ててくる。
しぬ、しんでしまう。
いろんな意味で限界を感じていると頭上からは笑い声。
「ははっ、白目剥いてる。どんだけぶさいくなんだよ」
笑いながらおれの口というか喉に射精する変態。
ちんこを抜かれてティッシュを探す暇もなく吐いた。
精液の味というよりも口の中に異物がある感覚が気持ち悪い。
喉は焼けているような痛みを発するし、鼻はツンと痛い。
涙は止まらないし自分の身体が自分のものではない気がしてくる。
カギがかかる風呂かトイレか自室にひきこもりたいが一鷹に下半身を軽く踏まれて動けない。
「この状況で勃ってるとか、変態じゃん」
勃起しているのは一鷹もなのにこの言い草。
出したばかりですぐに復活している一鷹の方がおかしいのにおればかりを責めてくる。
リビングでミルクかき氷を食べながらテレビを見ていた。
暑かったからといってこの行動は軽率だった。
外から帰ってきた一鷹は暑かったからか気が立っていた。
おれがかき氷を食べていることに怒ってイラマチオを要求してきた。
一鷹のかき氷ではなくおれが自分のかき氷を食べていただけなのに部屋の中で勝手に涼んでいるといちゃもんをつけてきたのだ。
おれが口にしたかき氷は一鷹の精液と混じりあい床を汚している。これを片付けるのはおれの仕事だし勃起している一鷹を鎮めるのもまたおれがしないといけないらしい。
逃げ出したいのだが、それが上手くいくことはない。
おれがおれであるせいでいつも一鷹の言いなりだ。
「つめたい口に突っ込むのはやっぱよかったわ。ほら、教えた通りに口でゴムつけて」
最低な一鷹だが腐っても瑠璃川ということがあり見た目がいい。
それに成績もいいし手先は器用だ。
性格はともかく遺伝子的には優秀であると言える。
下鴨であるおれが子供を産む相手として悪くはない。
そう思ってやっているにもかかわらず一鷹は最初から一貫してコンドームをつける。
セーフセックスは大切かもしれない。
避妊具を大量に持ち込んでいるのはどうかと思うが男同士でもマナーはある。
普通なら歓迎されるかもしれない一鷹の行動はおれからすると余計な御世話だ。
膣がある男性体、それは下鴨というおれの血筋で考えると珍しいことじゃない。
定期的に下鴨という血を確実に引く跡取りを残すためにおれのような両性の人間が生まれる。
二十代の前半、早ければ十代の後半で第一子を出産するように両親や祖父母から言い含められている。
遅くなりすぎると後継者の継承などのタイミングが崩れてしまい一族や下鴨に関わるすべての人間が被害を受けてしまうらしい。
全寮制の男子校という男の園なので一鷹のように性欲処理できれば誰でもいいという考えの人間はきっといる。
けれど、おれに積極性はなく自分から関係を持ってほしいと頼むことはできなかった。
だからレイプとはいっても犯されることそれ自体はおれとしては好都合だったのだ。
一鷹が毎日欠かさずからかうようにおれの見た目はよくない。
待っていても誰かと何かがある機会などなく処女だった。
このまま一鷹以外と肉体関係になれる可能性は低い。
それならおれは一鷹の子供を産んでしまえばいい。
性格が悪くても瑠璃川の血なら誰にも文句は言われない。
それはわかっているのである意味で相手が瑠璃川一鷹であることに安心していた、
だというのに毎回きっちりゴムを装備して膣内射精は避ける一鷹。使えない。
そういう気が遣えるなら別の部分を考えて欲しい。
おれの顔面がめちゃくちゃ汚れているとかお構いなしにコンドームを渡してくる鬼畜。
床に投げ捨てられていた一鷹が汗をふいていたタオルで顔をふく。
自分の吐き出したものなのか涙か汗かもわからないものでタオルはぬれた。
シャワーを浴びて眠りにつきたい。
そんなおれに一鷹は勃起したちんこを見せてくる。
「ほーら、さっさと手を使わずに口でゴム付けて。もうちゃんと出来るようになっただろ。イヤだってんなら、またイラマチオするぞ」
「イマラチオとか、もういい」
「イラマだけどイマされたいってアピール?」
ちょっとした言い間違いで地獄を見ることになりそうで慌てる。
必死になって一鷹のちんこにコンドームをつけながらおれは状況のおかしさに気がつく。
挿入しないためにおれの口は汚されて、かき氷逆流という苦痛に見舞われた。
それなのに結局は一鷹にちんこを突っ込まれようとしている。
ゴム越しの精液で孕めるわけもないのに無駄すぎる。
「いつもチンコをうらやましそうに見るよなぁ。自分のが粗末だから?」
失礼極まりない一鷹だがおれがジッとちんこを見ているのは事実だ。
自分を孕ませるための棒だと思うと憎しみは湧かないが一鷹の精液はおれの子宮に届かない。
これからまた無意味な時間がはじまることに虚無感すら覚える。
「暑い中でのセックスって最悪で最低で超絶きもちいいよな」
クーラーを止めておれを汚れた床に押し倒す一鷹。
溶けかけのかき氷を見せて「こーゆーのも面白くねえ?」と笑う。
まったく面白くないので笑えない。
元かき氷の氷水が膣内に入れられた。
感じたことのない冷たさに悲鳴をあげるおれに一鷹は「死にはしねえよ」と楽しそうな顔をする。
おれが驚けば驚くほど一鷹は面白がる。
きっとサディストとかそういうのなんだろう。
ぐちゅぐちゅぴゅっぴゅっと一鷹のちんこが出し入れされるたびに元かき氷が外に追い出される。
奇妙な感覚に半泣きのおれに「ホモはケツに入れたりすんだろ? 女の部分があってよかったな。大惨事が未遂になった」と囁いた。
一鷹は本当に最低だ。
「ぎゅうぎゅう締めつけて、なにが痛いだよ。俺に入れられておまえのまんこは幸せそうじゃん」
幸せなのかはともかくとして一鷹の動きにいっぱいいっぱいになって膣内が痙攣するように勝手に動いているのは分かる。
気持ち良くならないように耐えると余計に力が入るのか締め付けすぎだと怒られるし、どんどん顔がぶさいくになっていると笑われる。
どうすればいいのか分からなくなって顔を横に向けていると気がつくと体勢が変わっている。
正常位だったはずなのに腰を後ろから抱えられて責められている。
なんだか、本格的に「使われている」ような感覚に襲われる。
一鷹にとっておれは都合のいい存在だ。
嫌がらないし訴えることもない使いたいときに使える穴。
男というよりは人間として情けない状態だがおれはどうしようもなく気が弱いので今の立場から抜け出せない。
せめて一鷹がコンドームをつけてさえくれなければ子供が出来て学園を辞める言い訳ができる。
下鴨にとって跡取りがすべてで父親や旦那というのはどうでもいいものだ。
おれが誰の子供を身ごもっても褒められることはあっても責められることはない。
シングルマザーで構わないのだ。
跡取りである子供を育てるのは生みの親よりも親族一同になる。そういう独特の文化が下鴨にはある。
ひとことゴムなしでの挿入を頼んだりすればいいのかもしれないが言い出せない。
律義にゴムをつけ続ける一鷹はゴムがないならセックスはしない。
一度、中身の入っているコンドームの箱を隠したらお尻を叩かれた上にちんこの穴をいじられたり指を膣に挿入された。
指でかき回されるたびに愛液があふれてきてぬちゃぬちゃと粘液質な音を立てる。
恥ずかしくてたまらないが泣いて頼んでも一鷹はやめてくれない。
あるはずのゴムがないのはおれのせいだと責め続けた。
耐えきれなくておれが隠し場所を告げると一鷹はおれにコンドームをつけさせた。
不毛な行為の合図をおれにさせるのだ。
「ほんと、おまえなんなんだ。名器なのか? ぜんぜん緩くならねえし」
そう言いながら一鷹がいつものようにおれのうなじを噛んでくる。
これは処女を失った日から一鷹がおれにしてくることだが意味が分からない。
こっそりと調べてみたら一鷹が口にしていた「オメガバース」というものが引っかかった。
血液型のようにアルファ、ベータ、オメガと人々は種類が分けられるという世界観があるらしい。
アルファがオメガのうなじを噛むと番(つがい)になるということらしいがさっぱりわからない。
前提からして間違っている。おれはオメガじゃないし、一鷹はアルファじゃない。オメガバースは創作上の物でそんな分類の人間は存在しない。
一鷹がおれのうなじを噛むのは番(つがい)などは関係ない。ただのテンションの上がった時の癖だと思うべきなんだろう。
自分勝手な一鷹のことをクズだと思う。最低で最悪な奴だと思う。
それでも、おれにできないことをする人間だと憧れは消えない。
一鷹の子供を産みたいという気持ちも消えない。
内心でクズと罵るだけで直してほしいときちんと訴えきれないおれもまた悪い。
拒みきれずに関係をずるずると続けてしまうおれは大馬鹿だ。
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「
ブサイク両性受、孕ませ、イマラチオ」+「
便器、かき氷、オメガバース」NG「
ハーレム、美形受け、生徒会役員」という単語リクエストからでした。
「イマラチオ」でリクエストもらってますが「イラマチオ」のことだと判断しています。
覚え間違ったりする単語でもあるので誤字いじりがご希望なのかと深読みもして、そういう要素もそっと入れました。
エロ用語じゃなくて○○のことなどありましたらご連絡いただけると幸いです。
これはこれとして新しいものを書きます。
単語消費が多いのは少し長めの話にしようかと思っていたからです。
書き終わると内容が内容なので続かせたりせずに短い方がいいかなとこの形。
攻めのクズさが薄まるエピソード(強まるエピソード?)の続編はリクエストの単語で該当しそうなのがあったら考えます。