期間限定、男の娘6 クラスメイトと
※連作みたいになってますが話が直接続いているわけではありません。続きは気まま。エロも下ネタも事前告知なし。内容はタイトルからいろいろ察してください。


 俺の完璧な女装姿はどこからどう見ても美少女なのでゲイは近寄ってこず、女に飢えた男にはお姫様扱いされるという想像は当たった。半分は。
 
 
「井棟(いとう)弥蘭(みらん)です。よろしくおねがいします」
 
 
 たおやかに頭を下げるとクラスは静まり返った。
 フォローなのか教師が「入る学校間違ってないからな」と口にしても誰も何も言わない。
 制服姿の美少女転校生の衝撃が強すぎるにしては少しおかしい。俺の姿はすでに人目に触れているので心構えは出来ていたはずだ。
 
 首をかしげると「かかか会長っ!?」と前の席にいる生徒が俺のスカート部分を指さした。

 俺のスカートの中に頭を突っ込んでハァハァしている奴はいるが転校してきたばかりの身なので、きちんと挨拶を優先した。教室の扉を開けた瞬間にスカートの中にやってくるという早業。さすがに防ぐことはできなかった。この暴挙に断固とした姿勢を見せなければならないがこちらがリアクションを取れば百倍で返ってくるのが変態だ。仕方なく甘んじて辱めを受けることで挨拶が終わるまで黙っていてもらった。
 
 匂いを嗅いでいるだけで舐めまわしたり口に含んできたりはしないところはまだしつけができているんだろう。
 
 俺はスカート越しに頭を指でトントンと叩き、変態の下腹を踏みつけた。蹴っていないので周りからは何をしたのかわかりにくい。予想通り変態は鈍い声を上げて床にうずくまるだけで派手な動きはしない。俺の足にすがりつこうとするので半歩、横に移動する。
 
「お口、チャック」
 
 何か言ってきそうだったので口にチャックを締めるジェスチャーをして人差し指を立てて「いい?」と言いながらジッと見つめる。目は口ほどにものを言うのか正座して頭を勢いよく縦に動かした。俺の魅力をもってすれば人を操るなど朝飯前だが、どうも教室内で微妙な空気が流れた。
 
 美少女を歓迎している人間と自分の目当ての男を取られると危機感を抱いているらしいゲイ。
 そして、俺を見ればスカートに頭を突っ込んでくる変態を擁護する謎の一派。
 同室者に気を付けるように言われてはいるものの俺はこの学園に使える人間がいるのか見極めるためにも今のスカート姿では目立っていくつもりだ。
 
 嫉妬なんかの火種も今はまだ必要だろう。
 好奇や殺意の視線に微笑みを返して俺は自分の席に向かう。
 椅子に座ろうとする俺を妨害しようとする隣の席の人間。最初からケンカを売られてしまった。
 
「退いてくれない?」
「できればこのまま座ってほしい」
 
 意志の強そうな眉の厳つい顔の真面目そうな彼。
 俺の席に頭を乗せていなければ知人になれたかもしれない。
 
「あおむけがダメならうつぶせにする」
 
 問題はそういうことじゃない。
 どうして無料で顔面騎乗位なんかをしないといけないんだ。
 スカートに頭を突っ込んできた相手は純金を先に握らせてきた。
 後からもっと追加で料金をもらう。学生だからといって安売りはしない。
 
「座高が高くなったら授業の邪魔になるでしょう」
「……そうか、わかった」
 
 上半身の筋肉だけで跳ね起きて何事もなかったかのように前を向く。
 自己紹介もする気がないのか教科書を見ている。
 俺に興味を失ったのかと思ったら横を向いて「食堂でオレの上に乗ってくれ」と言い出した。
 この学園はどうやらゲイ、バイ率が高い以前に人と話をする気のない人間が多い。
 いくら俺がかわいすぎるどこからどう見ても完璧な美少女だとしても限度がある。
 前後左右から「オレも」「俺も」「ぼくも」「私も」と聞こえてくる。タダ働きはしない主義ということで全部聞こえないことにした。
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