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  037 怒るべき場面だとしても心配でそれどころじゃない


 肌と肌が擦れるにしてはシュッシュッという音は水っぽい。
 A兄さんの先走り汁なんだろうけど色々とアウト。
 
 駅弁で素股って無理がある。
 
 ヤリたいからヤルっていう気持ちと俺のことを考えてくれた結果として挿入はしないんだとしても、これはない。
 怖い怖い。チンコに俺が乗っかったら普通にチンコが死ぬ。
 どんな屈強な戦士でも鍛えられないのが股間だと言われてるからA兄さんの体格がどれだけよくても俺は楽観視しない。
 チンコにかかる負荷、痛みを想像するだけで気絶しそう。
 
 A兄さんは俺を危なげなく抱えて素股ってるわけだけど俺は何もしないでいいのか?
 いやいや、マズい。
 
 意識して俺は太ももを閉じるように力を込める。
 多少は気持ちがいいのかA兄さんの息遣いが変わる。
 なんだか頭がグルグルしてくる。
 身体が揺さぶられる不安定さとチンコに対する心配で意識が飛ぶ。
 

 意外に俺って繊細かもしれない。
 
 
 
 目が覚めると昨日の夜に寝た場所ではなくぺろぺろ舐められるために連れ込まれた俺のらしい部屋。
 A兄さんに濡れたタオルで下半身を拭かれている最中らしい。
 悪いことしたみたいな気持ちになるけど、むしろ良いようにもてあそばれたのは俺か?
 
「えい兄さん?」
「起きたか……」
 
 そう言いながらA兄さんは煌めく不思議棒を取り出した。
 聖石というこの棒(?)があればそもそも木の根元に向かって放尿しなくてよかったんじゃないのかという疑問が湧く。
 A兄さんはうっかりなのか?
 
「何か変なところがあったら言ってくれ」
 
 そう言って黒い中にキラキラ光る棒が俺の尿道から中に入っていく。
 立ったままいじられた時と同様に背筋がぞわぞわする。
 快感だと理解するには馴染みがない。
 またトイレに行きたくなる気分になった。
 
「どうかしたか?」
 
 俺の反応にA兄さんが手を止める。
 さっさと棒を入れ切って下着を着用させてほしい。
 股間がムズムズするとか恥ずかしい。
 気持ちよくなってるところを見られるのも恥ずかしい。
 
「……へ、いき」
 
 息が上がっているように見せないでいるのは少し難しい。
 気をそらそうと周囲を見てみる。Bの姿はない。
 A兄さんと俺だけだ。
 
 それならいいということもないけれど先より恥ずかしさは減った。
 誰かに見られる場所である廊下よりも全然マシだ。
 
「ここは性感帯の一つだが、後ろとどっちがいい?」
 
 棒を出し入れしたりするA兄さんは後ろの穴にも指を伸ばしてきた。
 A兄さんは指の太さも長さもあるので入れられると圧迫感がある。
 痛いとか苦しいとか気持ち悪いより先に射精しそうな、もらしそうな感覚が下半身に広がる。
 高ぶっていき出してしまいそうになる。
 手で口を押えて俺は頭を回転させる。
 
 このままだと廊下でのことの二の舞どころかA兄さんに顔射することになる。
 それはいくらなんでもダメだろう。

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